15話 奇跡を容易く掴む腕
更新致します。
少し短いかもですがどうぞ!
前回までのあらすじ?
チカちゃん「ユウサマがユウサマしてユウサマがユウサマをユウサマユウサマすんだよな?知ってるよぉ?てか…もう聞き飽きて来たので本編にアディオスするわ~」(錯乱中です。誰か助けてあげて下さい)
☆
「ユウサマユウサマユウサマユウサマユウサマユウサマユウサマユウサマユウサマユウサマは?何処なの何処なの何処なの何処なの何処なの何処なの何処なの何処なの何処なの何処なの何処なの何処なのドコなのドコなのドコなのドコなのドコなのドコなのドコなのドコなのドコなのドコなのドコナノドコナノドコナノドコナノドコナノドコナノドコナノドコナノドコナノドコナノドコナノドコナノドコナノよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「シャッラァァァッブゥゥゥゥゥゥ!」
もう優に会えていないネリアの精神状態は異常を来し始めた。優に会えないのがそんなのにも寂しいのか…ヤバい位のノイローゼになっておいでです。近くにいる私もやられそうで怖い。
「会いたいわ会いたいわ会いたいわ会いたいわ会いたいわ会いたいわ会いたいわ会いたいわ会いたいわ会いたいわ会いたいわ会いたいわ会いたいわ会いたいわアイタイワアイタイワアイタイワアイタイワアイタイワアイタイワアイタイワアイタイワアイタイワアイタイワアイタイワアイタイワアイタイワアイタイワアイタイワ会って…抱き締めたい抱き締められたい匂いを嗅ぎたい私の匂いを嗅がせてあげたいでも…汗臭いと呼ばれたらどうしよう…そえだわっ!私とユウサマでここを抜け出したら一緒に風呂に入ればいいのよっ!体を流しっこしあったりののぼせる程の裸体の密着…ウフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフスッ!!!」
「イキナリ変な妄想するのヤメテくれない?そんなのは夢のだけにして欲しいの…」
「お風呂イベントをスルーするつもりですかっ!?そう言うお色気描写は必要だと私が読んでいた小説の中には度々登場していましたよ!」
「知らんわっ!?てかもう正気に戻れっ!」
こんな風に時々変な事を口に出してしまうので、全く持って困ったお姫様だこと。
こんな話を軽く3時間は聞かされ軽くないけど鬱になりかけた私だ。でも…廻はそれ以上のストレスを毎日抱えていたんだなぁとふと思い返して感傷に浸っていた。(*正確には、彼女と優が主にと言うかダントツその2人のせいで鬱になっているに気が付かないバカなのであった。(廻より,PS俺の出番はよ))
清潔かつ見ていて飽きない美しい造形の部屋だが、何時間も居座り続ければもういい加減出ていきたい。
(後もう少しだと思うし…)
私は密かに、奇跡に向かってもがく。
☆
大地は揺れ
大地は轟き
大地は叫ぶ
我が母なる大地の化身は歩みを止めず
その身は皆から動く山と呼ばれるだろう
☆
私は常々疑問に思っていた。
何故、チカさんはこんなにも前向きでいられるのだろうかと。
「まだ。まだ大丈夫だよっ!きっとニエンティちゃんを助けられるよ!」
その根拠は何処からやって来るんだろう。
私からしたらユウサマは私の心を照らしてくれる暖かい太陽の様な存在。でもチカさんは、とても優しい皆の太陽って感じがするんです。
皆を平等に愛し守り救ってくれる。そんな…夢物語に出てきそうな救世主にありがちな性格をしていました。
私はふと、こんな状況なのに彼女に質問してみたくなってしまいました。
「ねぇ、もし差し支えなければ…チカさんは、何になりたいんですか?」
「えぇぇぇ?突然だね!?まぁ暇だし!答えなくもないよ。うぅ~~~むっ!?」
言葉をまとめようと頭を抱えうなっている。そして、しばらくしてこう答えました。
「まず野球選手になるのは外せないね!私の青春の大半が野球と密接になっていると言っても過言じゃないし、私自身子供の頃から憧れてたしね。…でも、あるアニメを見ていてさ“愛と平和を守るヒーロー”を今でもカッコ良く思えちゃうんだ。ありきたりなシナリオでしょ~~~大げさな位にハデハデなポージング。それに実際言ってみたら歯が浮きそうなキザな台詞。その全てに…そのヒーローの存在に、私は憧れたの!」
彼女は目を輝かせながら語ってくれた。今、私達が置かれている状況を忘れ、ただ何だか愉快な女子トークをしている様な雰囲気だったんだ。途中、私の知らないワードが出ていたけどそんな事を聞く余地すら私の中にはなかった。
「たださ。廻がね『ヒーローは常に自分を犠牲にして何処の誰とも知れない奴らを無償で助ける。そんな慈善事業も糞ブラックだっ!思わず叫びたくなるようなモノだぞ?自分の自由を犠牲にするんだぞ!?人助けがしたいだけなら他の職場をオススメするぜ。そっちの方がまだ自分の時間が作れて人生エンジョイ出来るかもな。』ってさ、ヒーローがとぉぉぉぉぉってもっ!大変だって聞かされたよ…」
そのメグル先生の言葉を一字一句覚えている事に関しては流石幼馴染と言いたい所だけど、純粋過ぎるこの人に何て現実的な事を話しているんですかっ!?
「けどさ、そのお陰で俄然やる気が湧いてきたよ。他人の人助けに精を出すせいで自分のやりたい事が出来ない?だったら私は“人助けこそが自分のやりたい事ナンバー1にしてやろう”って決めた訳よ!」
「!?」
私は今、何気に凄い事を聞いてしまったかも知れない。
そんな人助けを自分のやりたい事よりも優先出来る事じゃなくて、人助けこそが自分のやりたい事だと言い切ったからだ。そんなの、普通は出来る筈がない。それは色んな人から見たらやれ『偽善だ』とかやれ『詭弁だ』と捉えられ兼ねないのに…
私には、彼女は本気なんだと本気で思ってしまった。
だって…
(あんなに澄んだ瞳をしているのだもの。ユウサマと似た、純粋な瞳…)
「それで、私は…皆の希望を届けられるサイキョーヒーローになるんだっ!」
曇り1つない笑顔を振り撒き、Vサインを前に出して高らかにチカさんはそう言った。まるで無邪気な子供の様。
「何だか、チカさんならなれる気がします。サイキョーヒーローに」
思わず私の口から漏れ出た言葉です。意識なく言った言葉だから、多分私も…本気でそう思っている。
「だから安心してネリアちゃん」
彼女は目線をこの部屋の壁側に移し真剣な表情で私を安心させるかの様な声色で話した。
「もうすぐ皆とここから出て、あのクソ魔族に一発拳を叩き込むから!もうすぐ、優と会えるようにするから!」
ある1人の女性は、愛しい人に会えず悲しんでいた乙女の涙を拭う様に言ったとさ。
“希望は私の胸の内さっ!”
廻の終わらないヒーローについての話
廻「ヒーロー程、この世のどんなブラック企業も真っ青なヤベーヘビーな仕事だろう。その辺理解してる?確かに、夢見る少年少女にとってヒーローはカッケーしツエーしでなってみたいなぁって思わなかった子供はいないと思うけどさ…町守り~の、市民守り~の、そして怪人シバキ倒し~の。忙しいし突然やってくるしでヒーローにはプライベートな時間なんて存在する訳がないっ!なんて不毛だ!なんて面倒な!なんて最悪な仕事だ!しかも守るだけ守って、しばくだけしばいても給料なんて出やしない!それならボランティアで町のゴミ拾いに行く方がマシってモンだ!それにあまつさえ―」
地香(…夢のない奴)




