5話 目を放したのが悪いのか?
はいぃぃぃ!
更新です!
久しぶりのあのキャラが出てくるぜ!
「今回もどうもありがとうございます!流石はメグルさんですね。ヘビメタ☆マジローをこんなに大量に討伐なさるなんて…ヘビメタ☆マジローの危険度はDですが、下手したらE位の危険度ですが群れで行動する習性と、あの硬さから討伐困難なレアモンスター扱いを受けてるのを、こんなに大量に…」
「およそ、幾ら位の値打ちになりますかね?」
「うぅ~~~むっ!詳しくは知らないんだけども、この頃余り高価な武器の素材が出回らないとかで武器の質が落ち始めているらしいですから。これだけの量があれば、その問題はイッキに片付きますね。しかも…より高額な値段で売られる筈ですよっ!」
「おっ!やっぱりですかぁ!」
「それに、ヘビメタ☆マジローは一応レアモンスター扱いですからBPもそれだけ高いんですよ!これならっ!C級のメグルさんのクラスはB~いやイッキにA級冒険者に確実に昇進出来ますよ!」
「えっ!ホントですかっ!?やったぁー!」
現在、俺は今冒険者ギルドの受付嬢のリナさんと、討伐したヘビメタ☆マジローの素材を渡して報酬を受け取るにあたって、色んな事を質問した。
それに…あの事も。
「それで、お話しは変わりますけど【魔導国家・エイリュフェン】について何かご存知ありませんか?」
「えっ?」
急な話の切り替えに驚いたのか、それともその国の名前に心当たりがあるのか…覗いてはみたが後者だった。すると、リナさんは恐る恐る話し始めた。
「何故その国について知りたのか、敢えて聞きませんがあの国には関わらない方がいいです。特に!種族問わず男は全体的に…」
「男は…ですか?」
「えぇ、あの国の特徴は他国より優れた魔法技術。それに、数多く存在する優秀な女性魔術師達。彼女達があの国での最大戦力です」
成る程。他国より優れた魔法技術…魔法はとにかくこの世界では固有能力の次に力の優劣が決まる代物だろう。魔法適正を持つ者は千人に一人の確率と聞いているし、しかも魔法を極めるのにも気の遠くなるような努力を費やす事になる。
しかもこのグランティーアよりも大きな国とも言ってたな。普通なら相手にしたくはないな。
「それに最大の特徴もの言えるのが《絶対女君制》と《男性権利永久剥奪》の二つの国の制度よ」
「何ですか?その…読みから察するに、ヤバそうな制度なんですが…」
「えぇ。《絶対女君制》は、この国は種族も身分も問わず“女”であるならば入国を許され歓迎される。正に女性の楽園って所かしら?」
うわ…女のみって。凄い制度作るよな。
「あの国に住めば、女性は楽して暮らせるわね。女性ってだけで強制的に買い物で商品の割り引きとかされるし、しかも最大で半額!住居も入国手続きが終わり次第国が提供してくれるし、家賃も安いらしい。様々な公共サービスもかなり安価でお財布に優し過ぎる!しかも…あの国では女性同士の結婚も認められてるの」
「やっぱ…そうなの?」
「そうなの。ソッチ系の人達にも“私達のエデン”って言われてるわ」
うわお…こっちの世界にも、レズとかそう言う言葉が存在しとるとは…
「そしてもう一つ《男性権利永久剥奪》はその名の通り、種族問わず男が国に一歩でも足を踏み入れれば最後即座に衛兵に引っ捕らえられて奴隷に身を落とされる。つまりは、人としての権利を失うって訳なの。死ぬまで…ずっとね」
「それはまた、おっかないねぇ」
名前から想像してはいたが、想像より遥かにヤバそうな制度だった。
「あそこでは、女性こそが絶対。男性は馬車馬の様に死ぬまでコキ使わされて続ける。特に、現女帝がもの凄い男嫌いで仕事でヘマをやらかした男のアレを去勢したって言う噂が流れてる位なの」
「うぅ!」
俺はお約束とばかりに股間に手を添える。どーしてもその筋の話を聞くと男は大抵こうなる。こんな定めに生まれる俺達。
それに、やっぱりこの件には首を突っ込まない方がいいと再確認出来た。
「この辺りが、私が知ってる範囲よ。さっきも言ったけど…あの国に関わらない方が―」
「大丈夫大丈夫っ!関わろうなんて…そんなのこれっぽっちも考えてないですから!その国が、どんなに男どもには危険なのか知りたかっただけですから」
俺は親指と人差し指をつまみリナさんに見せた。俺の話を聞いて一先ず安堵の表情を浮かべたリナさん。こんなに俺の事を心配してくれるとは…心の中でも彼女は本当に綺麗人だ。こんなに心が澄んだ人は見たことが無い位に。
「まさか…ユウさん達が、何かまたトラブルにでも巻き込まれたとか?」
意外に鋭いなリナさん。大体合ってはいるが、微妙なラインなんだよな。
「巻き込まれたと言うか、また俺が目を放した隙に厄介な事情を抱え込んじゃったと言うか…糞っ!俺が目を放したのが悪いのか?えぇ!!あの二人のお人好しにも“限度”や“自重”ってモノが備わってないんですよ!所構わず困ってる人が居れば直ぐ駆け付けるし、それで余計な事にも首を突っ込みまくる!その度俺がどんな苦労をしてきたかっての!お昼を食った後にこの国からさっさとオサラバして俺は暫く一人の自由ってのを早く味わいたいね!」
…ってヤバイ!思わず本音が漏れてしまった。これは、リナさんを怖がらせてしまっただろうか?だが、リナさんは怖がる処か手を口元に近づかせ少し笑みを浮かべていた。
「何を笑っているんですか?こっちはもう頭が痛くて仕方無いんですよ!」
「あっ!ごめんなさい。いやだって…メグルさんって、やっぱりユウさん達の話になると途端に熱くなるものだからつい…ね」
「つい…ですか?」
「えぇ。口では何とでも罵倒してても、その癖実は誰よりも彼らの身を案じてる。そう感じられるんです」
「別にっ!俺は―」
「私や他の人達と話す貴方は、少し大人びたと言うか堅苦しさがあったけど、彼らの愚痴を吐く時だけは貴方らしくなるからちょっと…面白くてね」
「…面白いですか?」
「えぇ。今の貴方の方がよっぽど魅力的よ」
「か、からかわないで下さいよ!」
何が魅力的よ…か。ただ、アイツらの話をしていると怒りのボルテージがすぐにマックスになってちょっと感情的になるだけだっての。
けど…
(少しスッキリしたかも…)
アイツらの愚痴を吐けたのが良かったのか、リナさんと久しぶりに2人きりで話せたのが良かったのか…
どっちもどっちって所だろうか。
「じゃあ。そろそろ帰りますね」
「はい。報酬は後日に…」
「あっ!そうそう。リナさん、今度お昼一緒に食べに行きませんか?」
「えぇ…予定が空いていたら」
「そちらの都合に合わせますよ。それに…俺が奢りますから。日頃の感謝とこれからの親睦を深める為に…ね」
「はい。分かりました。楽しみにしてますね!」
リナさんは笑顔のまま手を振り、俺も振り返し冒険者ギルドを後にした。
ついでに言おう!俺はリナさんに別に!恋愛感情を抱いてる訳ではない。と、言えば嘘になり兼ねるが…話していて楽しいなと感じられる人。と言う認識だ。
そこだけは覚えておけ!
俺はリア充になるつもりは蚊ほども!毛ほども!1ミクロンほども!断じてないっ!!!!!
☆
俺は街中を歩き周りある場所へと行こうとしていた。
それは、俺のもう一つの情報源。
「この紙切れに書いてある通りだと、今回はこの《猫の胡座停》って所か…」
俺は、ある紙切れの書いてある名前を探し出しその店の扉に手を掛けた。
そこには、俺のもう一つの情報源となる2人が先にやたらと暇そうにテーブルに座っていた。俺はウェイトレスに何でもいいから水とスイーツを頼んでからそっちへと向かった。
「あっ!今日も来たね来たね!んでっ!今回は~どんなご用件なのかなぁ?」
『もしも、下らない要件であったならば…今ここで貴方を食ってしまうからね』
「冗談だよな?」
『えぇ、そうよ…』
真顔で返された。けど…彼女がそう言うと冗談で済まなくなるから止めて貰いたいものだ。
「ふぅ~ちゃんっ!メグルに意地悪言っちゃメッ!だよぉ~今度からまたふぅ~ちゃんって呼ぶからね!」
まず、この軽いノリのテンポを放っている少女はご存知エナメルだ。マントを羽織り、背中には弓矢を携えてある。
『分かりました…が!もうふぅ~ちゃん言ってるじゃないですか!』
もう1人が、苦労人?イヤ苦労龍のフレシアス。また例の着物を着てふぅ~ちゃん呼ばわりされて顔を赤くして怒っている。
「今回はな【魔導国家・エイリュフェン】の…裏の情報について知ってる範囲で構わないから話してくれないか?」
「あぁ~あの国ねぇ~♪」
どうやら、何か知ってる様な口振りだ。今回は結構な情報がドンドン集まりそうだ。
「一通りは知ってるの?」
「あぁ、女は優遇され。男は奴隷に身を落とされる完全女性優位国家って辺りは…」
「あ~その辺りかぁ!じゃあじゃあ♪この辺りの話は聞いた事はないでしょ!」
俺は水を飲み水分補給をしてから、注文していたデザートをたいらげながら聞く。
「これはね。私がふぅ~ちゃんの龍核の手掛かりが見つからなくて、そこで気分転換にとエイリュフェンに足を踏み入れた時の話なんだけどね~そこは女の子にとってすっっっごい!暮らしやすくてぇ!料理もサイコー!あそこでは度々女の人から向けられる欲情の目線には、少ぉ~~し引いたけどそれを差し引いても楽しかったから一週間もダラダラと過ごしてたよ」
『その時の私はまだ、変身能力が備わっておりませんので森の奥にて待っていました。…滅茶苦茶退屈でした。退屈で死ぬかと思いました。後…ふぅ~ちゃん言うな!』
「そんな無駄話を俺に聞かせるのか?」
「イヤイヤ!こっからが裏情報…」
俺は1度スイーツを口に運ぼうとするフォークを止め、エナメルの方へと目を向けた。彼女の顔は何時になく真剣だった。
「あの国で独自に調べてみたけれど、あの国を設立した初代女帝はこの【リーネシア大陸】それとエイリュフェンがある【ナヴェアード大陸】とは違う辺境の大陸からやって来たエルフだったの」
『辺境の大陸にはエルフの国があると言われており、その初代女帝はエルフの国出身の優秀な魔術師だと聞いております。それ故に、彼女は傲慢でした…』
聞き慣れない言葉が次々に飛び出してくる。
「その初代女帝はね自分こそがエルフの中で最強。エルフの国を治めるに値する器だ!とか何とか言っていたらしいのよ」
『エルフの国とは言っても、直接国を治める王が居る訳ではありません。その国の中で最年長でいて聡明且魔力量が多い魔術師が長として存在するだけ。長は所謂エルフ達の纏め役とも言える立場でしょう。そこら辺は、他の国とは違って緩いんです』
「よくそんなんで、国と呼べるよな」
「まぁ~細かい事はいいじゃない!」
細かく言うつもりはないけど、まだ俺の知らない国なんかがあるんだな。
『先程も言った通り、初代女帝はとにかく傲慢でした。若くして魔力量は他を圧倒する程、魔法の習得と他のエルフ以上。エルフは長命でいて、そのエルフの国では精霊が暮らしている事もあり魔術師としての力は他種族より卓越している。そんなエルフの中でも彼女は逸材。《精霊に愛されし女》とも唄われていた』
「噂じゃぁ~詠唱なしで自由に空を飛べたり、大抵の魔法をこれも詠唱なしで同時に発動させたり、自分より劣る魔術師の魔法攻撃を無効化する能力を精霊に貰ったりとぉ~♪兎に角傲慢な性格になっても仕方無い位の実力者だったんだって!」
ふ、普通にチートじゃねぇ~~~~かぁぁぁ!!!
詠唱なしで魔法をバンバン放つとか!精霊から能力貰ったりとか!糞チートにも程があんだろぉ!
まぁ、優達に次ぐ実力者だってのは分かったけど…
「そんな彼女は、当時の長に自分に長の座を譲れと申し立ててきたのよ。まっ、当然そんな事が認められる訳がないんだけどさり元々長は国の何日も掛けてエルフ達が話し合って決まる事だし、まだ彼女は150歳。人の年齢で表すとまだ15歳って所なの。だから長のみならず他の皆もそんな要求が呑める訳がないと言って断ったわ」
「まぁ、普通に考えりゃあそうだろ」
『けど、彼女にはそれが我慢ならなかったのだろう。彼女は自分に次ぐ実力者の女エルフ数十人を連れてエルフの国を出ていったわ。そこで彼女は“私が女王…いえ女帝の国を作りそこで君臨する”と言い残して去ったわ』
「それがエイリュフェン建国の由来か…」
「まぁこの辺りしか分からなかったけど、後もう一つあるの!」
するとエナメルが、テーブルから顔を出して俺の方へと顔を近づけて来た。彼女は俺を手招きする。俺は仕方なく顔を近づけると小声でこう伝えた。
「現女帝が、魔族を使って隣国を攻め落とそうとしてるって噂が城内であったの。だから、もし関わる事になったら気を付けて」ボソッ
「元から首を突っ込む気はないがな」ボソッ
聞けるだけの情報は聞き回ったし、そろそろ暗くなってきた。もうお開きにして帰る時間になった。
「じゃっ!代金はここに置いとく」
ジャラッと。音を立ててテーブルに銀貨を数枚置いた。少し不思議そうにエナメルが尋ねる。
「アレ?少し多くない?」
「情報をくれた心ばかりのお礼だ。受け取れ」
「おっ!アリガト~♪」
『金でエメルナ様を釣ろうとする魂胆だったら、貴方の肉を引き裂く所でしたよ』
「おぉ~怖い怖い!じゃあまたなっ!」
俺は逃げる様にその場を後にした。
それにしても気になるんだよな。未だに俺達が取るべき行動が上手く纏まらない。やはり…ニエンティから全て聞き出すか。
そう思い暗くなった夜道を歩き、やっと家までたどり着いた。アイツらを待たせる事になったが別に気にしない!扉のドアノブに手を掛け扉を開けた。
「よぉ!ただい………ま?」
俺は言葉詰まらせてしまった。
えっ?何故かって?それはな…
何故かフル装備で今にもどっかに攻め入る気満々の優と地香。それを床に座りながら傍目から見守るニエンティ。
「こ、これはやっぱり!私とお姉様の問題です。助けて貰った恩も返せてないのにこれ以上貴方達を巻き込めません!」
「もう…決めた事だよ。僕は止まるつもりはない!」
「私も…ちょっと、心が滾ってる」
えっ!?なに何々ナニ!?
何時になく真剣な表情なんですけど?
俺が目を放した隙に何があったぁぁぁ!!!
優と地香の怒りの訳
ニエンティの辛い姉と過ごした過去
地香は激昂する。間違った姉の在り方を!
次回「地香…心乱す」




