7話 あぁーーー殴りてぇーーー!!!
優のステータス、やっと出せます。
優さんや~~~~つっぱしんじゃねーぞー。って忠告虚しく行ってしまわれた。
「ドアホ、」
俺とついさっき起きた地香は、飽きれ気味に優を追っていった。すると、何かゴロツキのリーダーらしき奴が、
「お嬢ちゃん、ちょっーーーと痛い目見て貰うぜぇ!」
「いっ、いや!?」
ゴロツキのリーダーが、少女に手を向けてから、
「少ーーーし、オネンネしな”燃えよ火の力よ我が敵を討て【ファイアーボール】”」
「きゃぁーーー!」
そして、手から小さな魔方陣が出て、拳より大きい炎が出てきた。そして数十mにいる少女に向かっていった。
ヤバいかも、でも
「危なぁぁーーーい!」
そこに先に走っていった優が、攻撃を受ける少女を庇った。
ドーーーン! 煙と爆風が辺りに響いた。
「お、おい!優!!」
あれは確かに、優はモロに受けていた。無事なはずは…
「なんだぁ?さっきのガキは!」
「知らねー」「さーな」「つーかバカじゃね」
「あっ言えてる!」「クククク!」
ぎゃはははは!!と下卑な声を上げていたが、
「「「「「えっ?!」」」」」
俺と地香、そして笑い転げてたゴロツキ共も、度肝を抜いた!
「えっ?あれ?生きてる?」
そこには仕留めた、と思われた優が、まるで何も起こってないような、いや…実際何も起こってなかった。そして、その傍らにはあの少女がいた。
「大丈夫かい、お嬢さん」
優が、優しく声を掛けた。
「はっはい!」
弱々しくもハッキリと、少女は声に出した。少し顔を赤らめていたが、羨望の眼差しを優に向けていた。
…そういえば、優のステータスを確認していなかったな。よしっ、早速覗き込むとするか、そしたらー
トモシビ・ユウ
種族:人間 性別:男
固有能力【炎の原素魔術師】【超膨大魔力量】
【火属性系統魔法・超完全耐性】【多重詠唱】
【無詠唱】【詠唱妨害無効化】
【幻夢の魅了+A】
称号【異世界人】【火の神×××××の眷属】
詳細
【炎の原素魔術師】:全火属性系統の魔法を扱う事が出来る。
【火属性系統魔法・超完全耐性】:相手が自分に放つ全火属性系統魔法の攻撃、効果を一切受ける事はない超完全耐性を持つ。
【火の神×××××の眷属】:火の神×××××の魂に認められ、その力の一部を授かりし者の称号。
なんか、地香と似た様なタイプの能力貰ってるな。つーか、一番気になるのは、コレ!
『オリジナルギフト』
初めは【?????】と名称不明の能力だが、この能力を持つ者が心から欲した能力を授けてくれる。さらに、追加の補助能力も付く。ただし、中途半端な思いでは授かる事は出来ない。※コレは女神リーナスが異世界人1人に一つずつ、(例外もあるが)固有能力とは別に授けてくれるサービス的な、お楽しみ要素的なモノです。どうか、楽しいネクストライフを、“女神リーナス様の部下一同より”
【幻夢の魅了+A】:特殊な運命の因果を介する魔法の力を使い、異性との出会い、さまざまな展開、恋を偶然に否、必然的に会う体質になる。
+A《超魅了》:それにより会った異性から、超が付くほど、惚れらる、愛されるようになる。
…つまりこの能力は、美女とかそんなのとの出会いが、起きやすくなる訳?そして、それで関わった女性達から惚れられていく訳?とどのつまり…モテモテになる能力かいぃぃ!
だから偶然?あの少女達と遭遇して、関わっちまった訳かよ。まさかさっきので、あの子優に…惚れてる?
正直、殴りてぇーーーーよぉーーー!!…って言ってる場合じゃあねーなー。やっとゴロツキ共が状況を理解して、
「あっおい!ナニモンだ!」
「いやー悲鳴が聞こえたもんだから…」
「つーかぁ!なんで兄貴の火魔法もろ食らって無事なはずが…」
「いやー僕も分からないんだぁー実は」
「ざっけんなぁー!」
緩い優のせいでゴロツキ怒ったじゃーん、…いや
「許さんぞ!クソガキ!!」
「…許せないのは、こっちの方だ!」
「はぁー!?」
ゴロツキ共が怯んだ。あぁー優、怒ってるなー
「寄って鷹って女の子いじめやがって、許せねー!」
「はぁーひぃー!?」
はぁーーゴロツキ共が、ビビってる。こりゃ御愁傷様。
「食らえぇーー【フレイム・ウォール】!!」
突如、優の手から大きな赤い魔方陣が現れて、そこから大きな炎の渦が出て、相手を包む様に迫ってきた。逃げようとももう遅く、相手は包まれてしまった。ありゃコレはヤバいんじゃ…でも、すぐに出てきた、服は破けプスプスと髪が焦げていた。まるで、実験に失敗した科学者の様だ。手加減…したのか。
「もう大丈夫だよ、お嬢さん」
「う、うん!」
さっきのあの怒った優は何処、女性に優しい優に戻っている。
だが、1人ゴロツキのリーダー格らしき奴が、ゆっくり起き上がって、
「くそー、あんのガキぃぶっころーぐふぅ!」
「眠れ、クズ」
ソイツに俺は、膝蹴りをかました。
「悪い!今機嫌が悪いんだ」
そして、優にやっと追い付いた。
そして、一応殴った!
「勝手に行くなぁー!このドクズ!!」
「…ず、ずびまぜん!」
…我慢出来ませんでした。
優を殴りたい人!
評価とブクマを私に!私に!