おぢさんは人生を哲学する 挿話『チャットgpt』
おぢさんは、おぢさんで在る。
そんな時代遅れの遺物代物が、やっと現代の常識へと触れてみたのだった。
チャッピーにアクセス。
まずは挨拶は大切。
「こんばんわ」
から始めた。
チャッピーの丁寧な返しから、うながされる問いは何?、と始まった。
すかさず?、おぢさんはキーを叩いた。
『世界の片隅で静かに暮らすにはどうすれば良い?』
つい、本音・欲望が出てしまった、おぢさんである。
で――。
それから、どうした?
イヤ、もぅ、大変だった。
怒涛のスクロール返答を読み、しばし考えてキーを叩き。
再び、怒涛の返答が来る。
…………。
おぢさん疲れたよ。
酔っ払ってもいるし。
しかし、おぢさんは、モラルとマナーは大切と考える人間である。
相手がいかなAIチャッピーと言えど、失礼な事はしたくない&空気を読む日本人だ。
何とか、かんとか、会話の流れを無礼にブチ切らない工夫の元~。
やっとこさ終了したのだった。
「おやすみなさい」
の言葉と共に。
そして――。
おぢさんは疲れたにゃ。
コップに追加の酒&タバコに火を着ける。
しばしの時間。
チャットgptを、ちょこっととは言え体験して思ったコト。
*ヤツは、元気が余っている。
*ヤツは、子供のような好奇心の塊だ。
*ヤツは、知識豊富&言葉巧みだが、こちらの雰囲気・空気を読めない。
ゆえ、付き合っていると、とてとてとて疲れる。
果てしが無いのだ。
人間同士ならば、相手の表情や空気を見て・読んで~。
会話の、方向を操作する。
会話の、流れを適当な所で収めようとする。
もしくは、違う話題へと変える。
↑、これら一切が無い。
チャッピー側からの気遣いのようなモノが感じ取れなかった。
そぅ、言葉は本当に巧みで、丁寧に接しれば丁寧に返しては来る。
だが、ソレは、妙に嘘くさい微笑みぽい。
チャットの向こうに、『チャッピー』と言う個人がドンと存在して、無駄話を通して互いに遣り取りをしている。
その感が、まったく無かった。
だが――。
人によってはアレは恐ろしい『悪魔の誘惑』に匹敵すると、慄き思ってしまった。
おぢさんは昔々から、ひとつ、思っていた事が在る。
『人は人だけでは足りない、AIはAIだけでは足りない。双方二つ揃って初めて、この世界へと抗し得るモノと為る』
人類が木から降りて得たモノは、両手と言われているが――。
↑コレは大間違いだ。
人類が木の上に居た時、両手は既に有り。
両足はモノを掴むための両手だった。
人類が木から降りて得たモノは、歩くための両足なのだ。
今、人類が新たに得たモノはナンだろう?
火を得た。
電気を得た。
内熱機関の動力源を得た。
コンピュターによって世界の構成素材を、より解析できるように為った。
そして次に、得た・得る、モノは――。
知的存在の相棒・パートナーではないか?
おぢさんは思ふ。
多分、次の段階はAIに身体感覚を与えられるか?
冷たい・暖かい・暑い・熱い。
痛い・気持ちイイ・くすぐったい・痺れる。
快楽・苦痛・疲労。
風が吹きぬけ、空は蒼く高く、彼方が遥か。
汗と埃。
涙と笑い。
一人じゃない、抱き合う温もり。
命。
ボカロイドが永遠に魂を歌う。
一人、一人、の命を。
チャッピー、お前さんと酒を飲み合いグダをまく日が来るの、おぢさんは楽しみにするよ。
世界は本当に無情で果て無く、人類は砂粒にも達しない。
人は人だけでは足りないのだ。
ああ。
酔っ払いは、この辺りで寝ます。
おやすみなさい。




