笑顔の後ろに隠された彼女の闇
はじめまして愛音子です。
名前は「音楽を愛する子」という意味です。
私自身も楽器を演奏しています。
今回のお話がはじめてです。
私は言葉を直接話すのが苦手です。ですから文字にして伝えたいと思いました。
ぜひ、読んでいただけたら光栄です。
あの夏…彼女は確かに俺の隣にいた。
いつも悩みを抱えながらそれでも笑っている彼女。
そんな彼女を助けてあげたいと思ったのに、気づいた頃にはもう遅かった。
彼女の抱えていた闇は深すぎた。
ー高校2年 夏ー
最初は同じ部活に所属してるだけのごく普通の高校生という存在だった。
ある日、部活帰りの駅で俺は見てしまった。彼女が泣いているのを。その日から、よく話をするようになった。
彼女はいつも悩みを抱えていた。部活のこと、進路のこと、家族のこと。いつ悩みがつきるのだろうかと俺は思っていた。
でも、彼女が話す悩みはいつもきまって周りの人のための悩みだった。自分のことをいつも責めていたのだ。
いつしか俺はそんな彼女に思いを寄せるようになった。
ー高校2年 秋ー
演奏会の帰り、俺は彼女に思いを伝えた。彼女は驚いた顔をしていた。ただ、「ありがとう。」と言っただけだった。その時俺は、彼女を駅に残し、電車に乗って帰ってしまった。
次の日、彼女が話がしたいと言ってきた。俺はもう一度、告白した。片思いでいいと。すると彼女は言った。「両思いだよ。」と。俺達は付き合うことになった。
しかし、そこには大きな壁があった。
俺達が所属している部活は部内恋愛は一切禁止なのだ。ダメだとはわかっていても止めることはできなかった。
部員達には知られないよう会う場所を遠くにしたり、時間を夜にしたりと気をつけながら生活していた。
俺がヤキモチを焼く時もあったが、彼女はそれでもそんな俺を受け止め、包んでくれた。
そうして俺達は高校3年生に成ろうとしていた。
ー高校3年 春ー
部内恋愛がばれてしまった。
俺達はLINEも電話も会うことも話すことさえもできなくなった。
俺は彼女との別れを決意した。2人のためだ。そう自分に言い聞かせて。
しかし彼女はそれを拒んだ。彼女は言った。「好きなのに別れるのはいや。」と。
俺はいつしか彼女と距離を置くようになった。
よく分からない関係が今も続いている。
しかし、俺の隣にいるのは後輩の女の子。
別に好きなわけじゃない。ただほっとけなかった。
彼女と後輩が同じに見えてしまったんだ。
自分でもずるいことはわかりきっていた。
そんなある日、彼女からLINEがきた。
「どうして?」と。
彼女は全て知っていたのだ。
そして、ちゃんと話すことになった。
しかし、俺は口をつぐんでしまった。
LINEすると約束した日、俺はLINEをしなかった。
次の日から彼女は学校へ来なくなった。
いや、しばらく来ていなかったらしい。
部活だけには顔を出していたので気づかなかったのだ。
俺は自分でLINEをしなかったのに、心配になった。
しかし、部活には来るだろうと思った俺はそこで安心してしまったのだ。
その日から、彼女は姿を見せなくなった。
彼女を見なくなってしばらくたった日、俺は思いがけないところで彼女の事実を知った。
彼女は右耳の聴力を失ったのだ。
ストレスによって。
彼女の病気は知っていた。
しかし、ここまで悪化するとは思いもしなかった。
俺は自分を責めた。
気づいているのに、見て見ぬふりをした自分を。
彼女はいじめられていた。
部活内で。
あの時、俺が彼女の闇を知って、それでも彼女に本当の思いを伝えていたらこんなふうにはならなかったのかもしれない。
右耳を失った彼女にとって音楽を続けるということはそうとうなストレスになるという現実が待っている。
俺は彼女にLINEをしようとした。とにかく、謝ろうと思った。
しかし、もう遅かった。
彼女はもうどこにもいなかった。LINEからも、部活からも学校からも彼女は消えてしまった。
あの日から俺は、まだ、彼女に会えていない。
今、どこにいるのだろう。
右耳が聞こえない彼女はどこに行ってしまったのでしょうか。
続きを楽しみに思っていただけていたら嬉しいです。
最後まで読んで下さりありがとうございます。
これからも伝えられることを伝えられるうちに伝えたいと思います。
よろしくお願いします。




