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振り返るといろいろ見えた

そんなリリーナだったが、頭の中では高速で処理が行われていた。

大切な友達のことを理解しようと必死に。

ある程度まとまったところで、ぽつりと話し始めた。



「つまりは、ここは、あっちの世界のメリンダ様がしていた「げーむ」で

経験した世界。だから、未来のことがわかる。

…あ!!それが、『先見の力』と言っていたことですね。」



「その通りよ。」



メリンダが口角を上げて答える。



「じゃあ、マリエナさんはユーストス様と仲がいいですから

彼とハッピーエンドになるんですかねぇ?」



「そこなのだけど、少し引っかかっているの。

ストーリーの最後は色々パターンがあると言ったでしょ。

・1人の男性と結ばれる、ハッピーエンド。

・とても仲が良いお友達ができる、親友エンド。

・誰とも結ばれない、ぼっちエンド。

・複数の男性から愛される、溺愛エンド。

4種類あるのよ。」



「なるほど…。

確かに今のマリエナさんは、ユーストス様以外にも、

ヴェクトル様にも必要以上にスキンシップをとっている時もありますし、

何より、この間の階段事件の時の、レオン様へのあの甘えっぷり…

もしかしたら『溺愛エンド』かもしれませんね…。」



マリエナの一連の行動を思い出して、苦笑いをするリリーナ。

初めこそかわいい…と思っていたが、

今やもう、見る目は180度ちがう。




リリーナは目を細めて

さらに言葉を続けた。




「メリンダ様。私気付きました。

マリエナさんにも『先見の力』がある、って

言ってましたよね。と言うことは…」



「そう、彼女もおそらくは『向こうの世界の人』よ。

この間の階段の時、おかしな呟きを聞いたもの。」



メリンダは、階段の踊り場であった出来事を話す。



メリンダが話を終え、先に階段を降りようとしたところ

『私が先に行かないといけないの…!』

と言って、彼女はメリンダを追い越して、階段落ちを試みたこと。

本当に大怪我は負いたくないから、ほんの数段のところで飛んで

大袈裟にケガをしたとアピールしたこと。


『悪役令嬢がヒロインにケガを負わせる』という未来が見えているからこそ、

できるやり方だ。



2人は確信した。



「言葉での攻撃は仕方ない事だけれど、ケガを負わせることや

何かを壊すことというのが、ストーリーで決まってはいても

やっぱり嫌で、避けてたの。

決まった結果にどう結びつくか、心配だったのだけど…」



「……メリンダ様が何もしてこないものだから、自ら演じていたんですね。

思いっきりドアにぶつかったり、ガラスペンを折るのも。

とんでもない根性の持ち主ですね…。ぷっ…」



リリーナはマリエナが一生懸命自分のガラスペンを

力づくで折ろうとしているのを想像して、吹き出してしまった。






ここでリリーナに疑問が生まれた。

レオンのことだ。



「そういえば、メリンダ様。レオン様のことですごく驚いていましたよね?

あれってどうされたんです?『れあきゃら』って言われてましたよね?」



「あなた記憶力がいいわね…

そうよ、実は彼もストーリーではヒロインの恋愛対象になるの。

でも、ユーストス様やヴェクトル様のように、必ず登場するわけではなく

ある条件を満たさないと出会わないのよ。

だから不思議なの、なぜ現れたか、ってね。」



「条件…ですか。

…知らない間に条件を満たしてたってことは、考えられないですか?」



「ないないないっ!!!」



メリンダは顔を赤らめていった。



「ええっ!どうしてそこで顔が赤くなっちゃうんですか!?

そんなドキドキすること、し…しないといけないんですか!!??」



つられるようにリリーナも興奮して、声が上ずる。



「そうよ、大勢の人の前で、お…お…お姫様抱っこされる事なのよっ!」



「お、おひめ…さま…!?」



「横向きに抱き上げられること…!

そんなマリエナさん、まだ見てな…いで…」



と言ったところで、メリンダはハッとした。



「見…た…」



「ほら、やっぱり…!」



「そう、見たわ。リリーナ!

あなた、お姫様抱っこされてたわ…!!

食堂で倒れちゃったとき。

レオン様が、あなたを…お姫様抱っこしてた…!」



「え、私ですか!?意識がなかったから知らないんですけど…」



「あなたが条件を満たしたのね…」



メリンダは腕を組んで、納得するように

何度か頷いた。



「マリエナさんじゃなくて、私が条件を満たしても良かったんでしょうか…?」



「いいんじゃない?実際マリエナさんも絡んでいってるし、

どうやら魅了で、レオン様も彼女に気が行ってしまったようだし。」



「まあ…確かに…そうですねぇ。」



メリンダと同じように腕組みをしたリリーナは、

階段事件の時、マリエナに肩を貸して

移動していくレオンの後ろ姿を思い返していた。



ひとまずは、マリエナは溺愛エンドを狙って

着実に進んでいるということに、結論づいた。






ここでもう一つ。

リリーナがどうしても聞きたかったことがある。



「あの…、ちなみに聞きますが、ストーリーに『リリーナ』は…?」



「出てこないわ。」



(まあ、そうですよね…そちらでも漏れなく、名も無き平凡令嬢の1人でしたね…。)




淡ーい期待は、見事に散った。

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