明るく
「あれ、ニールさんじゃないですか!お帰りなさい」
二階へと通じる階段を降りた時、最初に目に入ったのはエール武具店謹製のエプロンを纏ったニールの姿だった。
「ニールさん、その服どうしたんですか?」
「どうだ、似合うか?」
そう言うとニールはエプロンの端を少しつまんで軽くその場で回って見せた。
「すごくいいと思います。似合っていますよ!」
「今日は私もお仕事だな」
少し胸を張って言ったニールさんに一つの質問を投げてみた
「ニールさん、今日はなんかあったんですか?」
「やっぱりそうみえるか?」
まさか、逆質問が返ってくるとは思わなかった。
「えっ?なんでですか?」
「いや、今日エールにも言われたのだが…やはりそう見えるか?」
「えっと…いつもよりそうみえるかなって思っただけなん...です」
するとニール自分の人差し指を唇の下へともってくるとよりいっそう深刻そうに考え始めた。
「そんな悩む事無いですよ!ニールさんは今日みたいに明るいほうが可愛く見えますよ!」
すると、ニールの顔は比較するまでも無いくらい赤くなっていた。
「そ、そうか…お前はもっと明るいのが好みか…ふむぅ…もっと口角を上げるべきか…?いや、やはり服装か?エプロン姿がそうさせるのか?いや…」
と、ニールは一人呟きはじめてしまった。
そんな一人で試行錯誤しながら表情を変えているニールを傍目に見ているとなんだか微笑ましいに似た感覚に陥っている自分に気が付いた。
「まさか、こんな感じを味わえるなんてなぁ…」
その日一日は、会議もあったからであろうか、エール武具店を訪れる客は一人として現れなかったが、今日一日はいつもとは違った感覚に嵌っていた。
こんばんわ、遊星歯車です。
本日も読んでいただきありがとうございます。
ちなみに、エール武具店のエプロンの色はブラウンをイメージして書いてます。
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