エール武具店
「見えてきたぞ、港町プーカだ」
遂に到着した、目的地である港町プーカ、
ここは、物流の拠点ということで、東領最大の街とも言われている。
東領のギルド本部もここにあり、最上位であるSランクの冒険者の集まる場所にもなっている。
街に一歩踏み込むとそこは異国の市場のように商人の声と人の熱気が溢れかえっていた、
すると隣から
「ちょうどいい、フォレン、お前の装備も新調すればいい、私がコーディネートしてやろう、ついてこい」
と彼女は言うと機嫌がいいのか鼻歌を歌いながら歩き始めた。
いや、俺、金ないですよ、と歩きながら言うと彼女は。
「しょうがない、貸しといてやるよ」
と、満面の笑みで返された、ここまでの満面の笑みは初めてなので少々呆気に取られているうちにどうやら目的地に着いたようだ。
「ここだ」
と、言うと躊躇することもなくドアを開け放った、看板にはエール武具店と書いてあった
すると店の中から
「いらっしゃいっ!」
と、快活な女性の声が聞こえた。
「あら、ニールじゃない、珍しいわね、帰って来てたの…あれ、彼は?」
とカウンターにいた店員は話し続ける、
「紹介しよう、彼は私の命の恩人のフォレン=リアムだ」
と、ニールは店員に話しかける、すると、
「そう、さぁ、早く入りなよ」と店員は俺を招き入れた。
「そう、ニールの命の恩人ねぇ、うん、まぁいいんじゃない? 私はここ、エール武具店の店主、エール=エストハイム、以後お贔屓に」
と俺に向かって言うと間髪入れずに店主はエールに話しかける。
「で、今日のご用件は?」
するとエールは時空間魔法で剣を取り出すとカウンターに置く。
「これの手入れと、あとこいつのコーディネートをしたい」
そう言うと、店主は俺を見て来た。
「了解、ちょっと待ってな」
それを言い残し、店主はバックヤードへ消えていった。
数分経ったころ店主がバックヤードから戻ってきた。
「よっ、と、お目当てのもんはこれだろ」
と、店主が言うとカウンターにどさどさと荷物を置いていく、洋服に剣に、ブーツ、どれも白を基調としたものだった。
「これで全部だな、これでいいんだろ、ニール」
と店主は言うと、彼女は
「すまない」
とただ一言で返した。
「じゃ、あとはこいつだな」
と店主は言うと、手袋をはめ、ニールの剣を持ってまた、バックヤードへと戻っていった、
「着てみてくれ…」
と、椅子に座っていたニールは俺に向かって言った。
いいんですか、と俺は聞くと、彼女は顔を赤くして俯いたまま何も言わなかった。
更衣室に入って着替え始めた俺はすぐに驚いた。
どの装備もレベルが高く、売ろうものなら一つだけでも田舎の街に一軒家が立つくらいのレベルだった。
しかし、着替えない訳にもいかないので着替え始める
黒のブーツと白にアクセントで青のラインが入ったハーフコート、それに刀身から柄まで青白い一本の片手剣
どれを取っても高価なものだった
更衣室から出てみると椅子に座っていたニールは
「似合ってるじゃないか、うん」
と上機嫌な声で言った、
すると、バックヤードから店主が戻ってくるとニールの剣をカウンターに置いた。
すると二人は何やら話をしているようだった。
そしてしばらくすると、ニールは剣を受け取り、とありがとう、と、一言残しお金をカウンターに置いてドアの方へと歩き始めた、
俺もそれを追いかけると
「まいどありっ」
と、最後まで快活な声が聞こえた。
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