Re:Before the…
それから2年経ったある日
店の経営も少しずつだが回ってきたある日
「失礼する…」
「い、いらっしゃいませ」
うたた寝をしていた時にお客が来てしまった…心の中で反省をしながら接客をする
「あ、ニールさん、どうしたんですか?、お一人ですか?」
彼女はニール=フィン、最近姉さんとパーティを組んだらしい。
普段姉さんはパーティを組まないので彼女を連れて来た時はとても驚いたが親しくなるのも早かった
するとニールはカウンターに白の鞘に収まっていた白い刀身を持つ剣をおいた、
「すまない…フュエルは…」
彼女はそこまで言うとその後の言葉を言わなかった
「蘇生に…失敗したんですか…?」
私は縋るように問いかける、しかし彼女は声を出すことなく、首を横に振る。
私はもう絶望的な気分だった。
死んだ時のような、目の前が真っ暗になって行くような感覚
「じゃあ…姉さんは…姉さんはどこに行ったんですか?」
私は悲痛の叫びの如く問いかける
「わからない…本当にわからないんだ、ただ、この剣を託されただけで…」
「蘇生失敗じゃないならまだ生きてるかもしれないんですね…」
私は弱々しい言葉でつぶやく
「なら、私はここの店で帰りを待ちます、少しでも成長して姉さんを迎え入れたいんです」
店主はそう言って白の鞘を持ち上げると
「これはニールさんが持っていて下さい、きっと姉さんもそれを一番望んでます」
私は彼女に姉さんの形見を渡す
姉さんの代わりに
彼女はそれを受け取ると、私に話しかけた、
「一つ、願いを聞いてくれないか?」
そう言うと私はカウンターに白の布とホワイトパールインゴットを置いた、
「これで装備品一式作ってくれないか?」
私は構図に少し悩むと素材を手に工房へ歩いて行った…
少しの時間が経ったあと私がが工房から戻ってくると、彼女はさっきと変わらずカウンターの前にいた
そして私が作ったのは純白で統一された防具一式
「どうですか?」
私は弱々しい言葉でそう言った
「いいじゃないか、うん」
ニールは感心したように言った、そして
「エール、もう一つ頼みがある、この出来た装備、少し預かっててほしい、次にこの街に帰ってきた時、もし、私にパートナーが出来た時、これを渡して欲しいんだ」
私は少し笑うと今度は迷いもなく受け入れた。
「それは、その人は恋人にでもなるんですか?」
含みもなにもない、純粋な質問だった。
「そう…なるかもな、でも私は不器用だからそうならないかもしれないがな…」
私はそう言うと、店主は笑った、
「分かりました、お預かりします、」
この時見せた笑顔は今まで会ったなかで一番の笑顔だった
多分、あの時ニールが私に仕事を依頼していなかったらきっと今の生活はしていなかっただろう。
姉さんを失ったあの時の仕事が私の生きる価値だと分からせてくれた。
そう、姉さんがもし帰って来た時に胸を張れるその価値を
そして、初恋の彼にも会うことはなかったきっと………
読んで頂きありがとうございます!
今回は19話のエールバージョンです
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