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子どもに聞かせる怖い話  作者: フリッツァー
2/16

タナトスの話

わたしが昔、古い図書館で、よく調べ物をしていた頃の話。夢中になって、眠ることも忘れて、起きていると。


どこからか馬のひずめの音が聞こえてくる。図書館の外へ行くと、大きな中庭で馬に乗っている人がいるようだ。


月の光に照らされて、わかった。その馬には首がなかった。馬に乗っている人は、手綱をひいて、こちらを見た。その体にも首がなかった。その体は鎧を身に着けた女性のようで、左わきに美しい顔立ちの頭を抱えていた。


馬の上で女性は、その抱えていた首を、高く持ち上げて、辺りを調べているようだった。


そしてとうとう、わたしは見つかった!


わたしは、振り返らないで走った。後ろから、ひづめの音が近づいてきた。図書館の入口へ入ると、大急ぎで扉に鍵をかけた。


外ではしばらく、馬の足音が聞こえていた。わたしは、きっと、あれはタナトスだなと思った。わたしの古い友人が、教えてくれたのだけれど、タナトスは戦争で負けた女騎士なのだという。今でも敵兵の気配を探して、夜に走っているのだそうだ。


タナトスから逃げるには、死んだふりをするか、そのまま眠ってしまうのが一番いいらしい。


ほら、また外で、馬の足音が近づいてきた。はやく目をつむろうね。

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― 新着の感想 ―
はたまたかいせつしにきましたもう 語り部はタナトスもう 襲われてしまっている可能性が高い
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