前編
「今……何と仰いましたか?」
嘘よね?
「ん? 聞こえなかったのかい? 此度イレーヌを側室に迎える事になったと言ったのだ」
何で!?
どうして!?
私だけを愛してくれると約束したじゃないっ!!
「そんなっ!! 側室は娶らないと約束したではありませんか!!」
「だがなぁ、其方は公務が出来ないではないか」
「そ! ……それは今、勉強している所ですから……」
「早急に必要になったのだ。その点イレーヌなら王妃教育も終わっているから問題ない」
「で、……でも!!」
「これはもう決まった事だ。イレーヌとも仲良くやってくれ」
よりにもよって、この大嫌いな人と!?
私がこの人を嫌いな事、知ってる筈なのに?
「聖女様、これからよろしくお願いいたしますわね」
黄緑の髪をサラリと靡かせて、私に挨拶をするが、陛下に見えないように私を嘲笑っている。
嫌だ、嫌だ、嫌だ!嫌だっ!!
何で!?
どうしてなの?嘘でしょ?
うぅ……
胸がきゅうぅぅと音を立てて縮こまる。
誰かに肺を握られているようで、息が出来ない。
く、苦しい……
段々と視界が周りから暗くなっていく私の目に映ったのは、陛下とあの女が寄り添いながら、私を見下ろしている姿だった。
という夢をリアルでみて、胸が痛くて起きました。
心臓の音がドッドッと激しく、苦しかったー。
ムカついたので創作で仕返しします。
ムキーっ!!
ちなみにこの主人公の見た目はここるくではなかったです。
ここるくの夢に本人が出てくる事はあまりないです。
よくて四割って所でしょうか?