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おじゃまします
『おじゃまします』
「おじゃまします」
「おみやげー、間違えた、いらっしゃい」
「間違えるなよ」
『続・おじゃまします』
「おじゃまします」
「いらっしゃい、間違えた、おみやげー」
「そう間違えるなよ」
『続々・おじゃまします』
「おじゃまします」
「おかえりー」
「えっ?」
「…は、あちら」
「おいっ!」
『なんかモヤる』
「おにぎり買ってきた、君の好きな昆布とシーチキン、ほらこれ、わざわざ用意したよ」
「用意したのか、マックの紙袋を、わざわざ」
『巨大クッション』
「はい、お土産」
「これをどうしろというの?」
「こうして寝床に置いて毛布をかける」
「いや、むしろ、ダミーの身代わりをつくってどうするの?」
「窓から逃げて」
「ここ三階だから!、って、満足そうに頷くな!!」
『こういうことされるからなのに』
「一人の空間が欲しいと言っていたから」
お土産のニット帽を取り出して。
「あげる、どうぞ」
「これをどうしろというの?」
「とりあず被って、それから、こう!」
帽子をひっぱって顔をすっぽりと覆う。
「はい、ひとりの空間」




