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四章 11 『地獄の沙汰もなんとやら』


 「・・・ぐっ・・・!ここは・・・?」


 目を覚ました進藤、目の前にはコンクリートの天井が見える。知らない場所だ。どうやらベッドの上に寝ているみたいだ。


 「・・・!?そうだ!セシリアは!!」


 さっきまでの状況を思い出して慌てて起き上がる進藤。起き上がった瞬間に頭痛に襲われる。


 「あ・・・!いってぇ・・・!」

 「まだ寝てな。あんた二回も頭をぶん殴られてるんだからね」

 「え・・・?アンタは・・・!?」


 起き上がった進藤の少し離れた場所にリサが椅子に座っていた。煙草を咥えている。


 「ここは・・・もしかしてリサさんの家?」

 「そうだよ。倒れてたアンタを私がここに運んだんだよ」

 「倒れてた・・・?たしか俺は突然男に襲われて・・・っ!?そうだ!セシリアは!?ルイズも!俺のほかに人はいなかったか!?」

 「アンタ以外の人・・・さあ?どうだったかね?」

 「そんな・・・!こうしちゃいられない!すぐに探しに行かないと・・・!」


 進藤は急いでベッドから飛び降りて寝ていた部屋を飛び出した。勢いよく部屋の扉を開ける。


 「・・・健一?」

 「え?・・・セシリア?」


 扉を開けた先にはセシリアが机に座っていた。隣にルイズの姿もあった。進藤の姿を見たセシリアが慌てて駆け寄ってくる。


 「良かった!目が覚めたのね!本当に良かった・・・!私どうなるかと・・・」


 泣きそうな顔で進藤の手を握って来た。


 「二人とも無事だったのか・・・?これは一体どういう・・・」

 「やれやれせっかちな男だねぇ・・・見ての通りアンタの連れの二人も無事だよ」

 

 どうやらリサに一杯食わされたようだ。状況を理解して力が抜けたように座り込む進藤。


 「はぁ・・・勘弁してくれよ。マジで焦ったよ・・・」

 「おや?随分な言い草だねぇ・・・私が偶然通りかかったおかげで全員無事だったというのに」

 「それじゃあやっぱりリサさんが俺たちを助けてくれたのか?」

 「そうよ!この人があの男を追い払ってくれて健一を手当てしてくれたのよ!」

 「そうだったのか・・・ありがとう。本当に助かったよ」

 「フッ・・・まあ私が通りかかったのが本当に偶然だったのかは知らないけどねぇ?」


 そう言ってリサはセシリアの方を意味ありげに見つめていた。セシリアは少し気まずそうに視線を逸らした。


 「フゥー・・・それで今日は一体なんだい?私に用があって来たんだろ?」

 

 煙草の煙を吐き出してリサが言った。


 「え?あ・・・そうだ!ちょっとギフトの事で聞きたいことがあって来たんだ!」

 「そうかい。まあ立ち話もなんだから今、茶くらいは用意してやるよ。話はそれからだね」


 それから進藤たちはテーブルに座ってリサと向かい合って話を始めた。


 「それで私に聞きたい事って言うのは?」

 「えっと・・・ギフトで人を神様とかに変えたりできる力とかってあるのか知りたくて」

 「人を神様に・・・?なんだいそりゃ」

 「その上手く説明できないんだけどさ・・・人間だった女の子が女神という存在になってるんだ。だからそれがギフトが原因なんじゃないかと思ってさ」

 「ふーん・・・なるほどねぇ」


 そう言ってリサは煙草を深く吸う。そして煙を吐いて答えた。


 「そうだねぇ・・・人間を神様や女神に変えるようなギフトなんてものは少なくとも私は聞いたこともないね。おそらくそんなギフトは存在しないだろうね。色々なギフトを見てきた私が言うんだからほぼ間違いないと思ってもらって良いよ」

 「そうなのか・・・それじゃあサラスはやっぱり――」

 「ただ・・・」


 進藤の言葉をリサが遮った。


 「生前の人間にあらかじめ力をかけておいて、死ぬ瞬間にその力が発動するようにしておくことが出来るギフトは存在するよ」

 「死ぬ瞬間に発動するギフト・・・?それってどういう力が発動するんだ?」

 「それについては様々な効果があったりするね。その中の一つに死ぬ瞬間・・・その時に最も適した存在に変化して死を免れるというギフトがあるはずだよ」

 「そんなギフトがあるのか!?」


 リサの言葉を聞いて進藤は興奮して声のボリュームが上がった。聞く限りサラスが女神になった経緯を考えるとかなり可能性の高いギフトだ。


 「私も実際に見たことは無い・・・が、そんなギフトがあるというのは聞いたことがあるね」

 「それは一体なんていうギフトなんですか?」


 セシリアがリサに尋ねた。


 「そのギフトの名は・・・『理念転生(イデアネーション)』」

 「理念転生(イデアネーション)・・・?そのギフトだったら普通の人間が特別な力を持つことも可能なのか?」

 「おそらくは可能だろうねぇ・・・このギフトは死ぬ瞬間その人間が強く願った思いを実現させる力があると言われている。ただ実際にそのギフトを見たことはないからね。本当の所がどうなのかは知らないけどねぇ」


 そう言ってリサは再び煙草を咥えた。


 「理念転生(イデアネーション)か・・・聞く限りサラスが女神になったきっかけのギフトの可能性は高いな」

 「そうね!少なくとも可能性が全くないというわけじゃなさそうね!」


 リサの話を聞いてセシリアも希望が出てきたようだ。


 「ああ!そのギフトを持っている人間を探せばもしかしたらサラスを元の人間に戻せるかもしれないな!」

 「ふぅーん・・・どうやら何か目的があるみたいだねぇ?」

 「どうしてもそのギフトを持っている人を探したいんだ!リサさんのおかげで有力な情報が知れたよ!ありがとう!!」

 「そうかい、私の情報は役に立ったみたいだねぇ・・・」

 「ああ!ギフトの話を教えてもらったり、助けてもらったりで本当に助かったよ!」

 「そうかい、そうかい。満足してもらえたようで何よりだよ・・・それじゃあ」


 そういってリサは手を進藤の方に広げて出した。


 「・・・?えっと・・・」

 「それじゃあ情報料と治療費全部合わせて・・・そうだね、金貨1000枚ってところか」

 「き、金貨1000枚!?」


 リサの言葉を聞いて驚きの声を上げる進藤だった。

 

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