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3章幕間4 軍内部にて

 ガーネリフ




「報告は以上です」


「そうか…ご苦労、下がって良いぞ」


「はい、それでは失礼します」




 …ふぅ。


 退室する部下を見送ると自然とため息が出ていた。


 ここの所ちゃんと休めていないように思う。

 家に帰る余裕が無いと言うのもあるのだが、帰れた場合であってもどちらにしろ気を休める事が出来ていないからだ。



 …こういう行動に出るやつでは無いと思っていたが…俺の目も当てにならんな。



 報告の内容はコビとその部下達の捜索、そして…軍用魔導兵器の捜索についてだ。

 すでにそれぞれの行方を10日以上は捜索しているのだが、目標どころか手掛かりの一つすら現状はつかめていない。

 同時に消えたのだから普通に考えればコビ達が兵器を盗んだと考えるのが普通なのだろうが…。


 こんな短絡的な行動をとるか? あいつが?


 あの男が真っ当な人間だと思っている訳ではない。

 野心は持っているし問題にならない程度に表と裏の顔を使い分けている事も知っている。

 それについて思う所が無い訳ではないのだが、だからこそ今回の出来事が不可解なのだ。


 あの狡猾な男がこんなどう考えても自分に疑いが掛かるであろう事態を起こすだろうか? 仮に兵器が目的だとしても自分に疑いが掛からない手段を講じて来るのではないか? そんな疑念をもう何度も頭の中で反芻させていた。



「…考えて分かるものではない…が、まずは見つけない事には話にならんな」



 あの時と同じ後手に回っている事は感じているのだが、現状を打開出来る手段などそう簡単に思いつくものでは無かった。




 ―――――――――――――――――――――――

 レオーネ




 クソっ! あの馬鹿が!


 口には出さないが内心ではもう何度目か分からないほどには毒づいている。


 コビが行方不明になってからもう何度も捜索に出ているのだが、その全てが徒労に終わっている事にどうしようもないほどの苛立ちがつのっているのだ。


 どうして私があんなやつを…休暇を返上してまで…クソっ! やはり気に入らん!


 正直コビという男の事は嫌いだ、嫌悪感すらあると言っても良いくらいだ。

 表面上は真面目そうな態度を取っているものの本性はどう控えめに言ったところで善良とは言えず、どうにも気持ち悪いという印象が拭えなかった。


 だが、そんな奴でも放っておく訳にはいかない。

 魔導兵器の紛失という理由もあるのだが、やはり…一応は同じ軍に所属する仲間だからだ。


 まあ、そう思っているのはこちらだけかもしれないがな…。





 …どちらにしても放置するわけにいかない。

 行方不明者の中には貴重な魔導士もいるうえ、紛失した兵器の中に市街地で使われると大きな被害をもたらす物があった。

 なぜそんな危険な物が置かれていたのかは分からないが、多少の犠牲を出したとしてもその兵器だけはなんとしても回収、もしくは無力化する必要があるだろう。




 ―――――――――――――――――――――――

 コビ(???)




 さて、面白そうなおもちゃがたくさん手に入ったんだ、ぱーっと盛大に遊んでみるかね?


 あ? なんだ? まだ準備が出来てないだ? ちっ、そんな事俺が知るかよ。

 俺は俺のやりたいように…ったく分かったよ。


 なら時間稼ぎを兼ねてあれを少しだけ使わせてくれよ。

 あ? 大丈夫だって、あんなとろいやつらに捕まるようなヘマはしねーよ。


 せっかくでかい祭りを開こうってんだ、少しくらい俺にも楽しませろよ。

 …断るって言うなら…もうあれは提供しない、お前だけで勝手にやれ。


 ふんっ、分かりゃ良いんだよ。



 さて、前夜祭にふさわしいおもちゃは手に入った。

 後はどこで使うかだな…最高に楽しい祭りにしてやるぜ、楽しみにしていろよ。

来週金曜日から4章を始めます。

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