その頃の桜。
風邪を引いてしまい、
完全ダウンしてました・・・。
季節の変わり目って恐ろしいですね・・・・・・。
この小説には、桜の好物、秘密、あと、後後のキーワードなどが含まれます。
とにかく、ゆっくりしていってくださいね!
「くあぁぁっ・・・。」
私・・・安倍 桜は惰眠から醒めて枕元の冷蔵庫へと、あくびをしつつ手を伸ばした。
鋼鉄を打ち出して作られた純白の扉を開いてアレを取り出す。
「やっぱり・・・夏に目が覚めたらこれだよね!」
口元を赤く汚しながらスイカを食べ、
寝ている間に渇いていた喉を潤す。
「うまうまぁ・・・。」
嬉しさに溢れるままに一玉食べ終わり、二つ目に手をかけた所で後ろの障子が吹き飛ぶ。
「桜さまアァァァアッ!」
「ぐふぅ!?」
背骨に命中し、硬い何かが背中の肉にめり込む。
ついでに言えば、スイカが粉砕されて出しっぱなしだった尻尾が白から赤に染まる。
「・・・・・・。
用ハナニ?」
妖気の抑制を切り、その他も垂れ流しにする。
近くにあった障子がきりもみ回転しながら分解されていくのは気にする余裕は無い。
――私のスイカが・・・。
「夢兎が狂気に飲まれました。」
予想だにしなかった答えに少し動揺し、障子が液体に変わったのを目線の端で捉えるが日常茶飯事なので気にすることもない。
「ナニヲシテイタ?
キサマラニマカセテイタロウ?」
「・・・・・・。
風間様に妨害されていました。
(アーサー様に任せて寝てたなんて殺される・・・。)」
こっそり展開しておいた術式陣の効果で心の中を覗きみられているのも気付かずにぶっちゃけるのを見て、青筋が浮かぶ。
――私の楽しみを邪魔しておいて頼むことが尻拭いだと?
「デハヒトマズ、
キサマハスイカを買ッテクルノト、
挽キ肉ニナッテスイカノ肥料ニナルノ。
ドチラガイイ?」
キジトラ柄の猫を威圧し、スイカを買ってくるように頼む。
その後、走っていくのを見届けて普段着の巫女服へ袖を通す。
――こちら、荒魂。
和、奇、幸はいるか?
不味い事になった。
集合せねばならないかもしれない。
――『おけおけーぃ。いてらー!』
――『気をつけな。』
――『分かった。』
同意が得られた所で白銀色の札を仕舞って紫色の札を取り出し、転移。
――
洞窟の修繕が大変になりそうだなぁ・・・。
断裂した景色をみながら、
白銀の尻尾達を撫でてそんなことを考えた。




