境界たる場所~夢殿
この小説には、えーき様の暴走により破綻しかけて作者が悶絶した成分、および、駄文等が含まれる気がします。
苦手な方は森林浴でもしに富士の樹海へでもサイクリングへ。
そうでない方はプランターの植物でも眺めつつ
ゆっくりしていってくださいね!
「そこの君っ!」
「ふひゃっ!?」
目の前に居た筈のえーき様が掻き消え、
背後から幼い声――えーき様の声が後ろから響く。
「我々しか来れないようになっていた筈だが・・・。桜、誰だ?」
「私が連れてきた客人だ。」
「へぇ?
私には何処かからさらってきたようにしか見えませんでしたが?
大体貴方は・・・・・・。」
いきなりの出来事に放心していると、
桜が目の前で責め立てられているのが見えた。
本物のえーき様ってどれくらい話が長いのかな・・・。
~~~~~~~~~2~4時間後~~~~~~~~~
「・・・・・・貴女は・・・・・・・・・なのですから自覚をもって・・・・・・。」
「ハイ。」
「・・・・・・大体、貴方は・・・柱を何と考え・・・・・・。」
――予想以上の長さだった。
このままだと眠気に負けて眠りそうだし、
奥に行ってみようかな・・・。
――まだ半分も終わってないっぽいし。
そう考えてえーき様の視線から逃げようと歩いていくと・・・。
頭の上から、
長い年を経た老人みたいな声が響いた。
「外来の兎よ、桜に捕まるなんぞ災難じゃったのう・・・。」
――ま・さ・か・・・。
ギギギ、と、音を立てそうなぐらいゆっくりと上を向いていく。
――その、まさかだったァァアッ!
頭の上に居たのは、あの龍だまりの中でも一番でかい奴・・・気まぐれで潰されそうで絶対話しかけられたくない奴だった。
「ヒッ!」
無意識に喉が鳴り、腰が抜ける。
本能が逃げろって訴えている。
腰が抜けてるから詰みだけど。
「ふむ・・・こんな見た目じゃがワシは、怖い龍じゃないぞ~、ホラ!」
ニッコリと龍が口角を上げて笑うものの、
獲物を追い詰めた獣の表情にしか見えない。
――あ。
下の方で少し暖かくなり、あまりの恥ずかしさに
気付いたらどこへともなくダッシュしていた。
「あれ、何処へ行くのだうさぎ殿ォオオっ!」
「来るなぁぁぁあっ!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
人の姿に戻った龍と、数時間ほど命をかけた鬼ごっこをしている頃、
やっと桜が開放されて戻ってきた。
「何をやってるんですか、黄龍殿?
貴方には・・・・・・。」
ついでに、えーきさまが帰ってきたため、やっと休憩が出来た。
「地龍の方々に御目通り出来たようだし、
幻想郷へ帰るかい?」
桜の問いに頭を縦に高速で振り、同意を示す。
こんな空間、長く居たら心労で死んでしまう。
「そうかい、
ったく・・・閻魔さえ来てなければ話が出来たのに・・・。
まぁ、最後に二つだけ言っておくね?
お前の力は夢殿へアクセスする能力。
夢殿はすべての場所であり、
すべての場所で無い場所。
・・・境界の世界だ。
これを生かすも殺すも君次第って事さ。
そして、最後。
元の世界へ戻りたいのであれば、
幻想の賢者達を巡り、
然るべき時を待て。
貴様の仲間は両の手で足りる程だけしか居らぬ。
しかし、信じていれば幻想郷が助けてくれるであろう。
しばし眠れ、夢兎。
黒無き夜の有らん事を・・・。」
そこまで聞き終わった所で、
唐突に地面がガラスの如くひび割れる。
「ふぇ!?」
足元に開いた紫の穴に、為すすべもなく
また、落ちていき・・・。
視界は黒で埋まった。




