長の屋敷
『エメル』に着いたジュリ、ピースに会い長の屋敷に向かう。
白とミドリの石の壁にミドリの葉が生い茂っていた長の屋敷は今は黒く焼け跡がつきやかれた木の幹が模様のようになっていた。
今は敵は撤収したようで落ちついている。
「ジュリ、遅かったな。」
顔や肩などに傷をおったカシスが出迎える。
「大地にヒビがはいったりで進めなかったんだすまね。皆は無事か?」
「オパール意外は怪我はしたが、命は無事だ。」
オパールは戦いに出向いた者の中で強い魔術を使える魔術師だ、ネプチューンの魔術を使う一族に産まれたが産まれた時から右半分に黒いアザがあり、不吉だといわれ捨てられた所をツィリーの父親であるウドに拾われたのだ。
まだ残る木々の間で牙龍達は休みながら魚を食べている。
「傷をおった者は湯に浸からせてからネトが治療している。オパールのほうは呪いと闇の生き者の刃の傷だからネトじゃ治療出来ない。ベルガモット様が手を尽くしてくれたが意識をとり戻すかわからない。」
いつもは陽気なカシスの顔もくもっている。
「もっと早く着ければ良かった。すまん。カシスも湯に浸かって治療を受けてくれ。敵がきたら知らせる。」
頭を下げカシスがさがる。
屋敷内に入る、屋敷といってもきらびやかな物があるわけではなく、今は敵の襲撃をまぬがれるため硬い石板で天井は閉ざされているが、なにもない時はツタと木で覆われた天然の屋根の下に木でできた敷居があり、奥のタペストリーがかかった小さな部屋があるだけだ。
ベルガモットは、中央にある石で囲った囲炉裏の前に座って目をつぶっていた。
その傍らにマウという毛の長いハムスターのような容貌に尻尾の長い動物が二匹うずくまっている
毛先が赤毛のはコノハ、こげ茶で頭に巻き毛があるのはコチャ、両方ともベルガモットの伝言役であり獣にうつるとき魂が入る器でもある。
「ジュリ、来てたのか。」
年老いた顔に疲れがにじみ出ている。
「じいさん、オパールは?」
「闇に呑まれかけていたが、今はもどった。呪いは解けぬが、彼は強い意識を持っているから安静にしとればじき回復するじゃろう。」
安心した瞬間、疲れが出てきた。
「敵はまた来るじゃろ。民の避難が無事に終われば良いが。大地が怒りに満ちておる。」
牙龍の高いピーという鳴き声が聞こえた。
「敵さんが来たな。」
外に出て空に目を凝らす。
木が邪魔だな、上手くツタに手をかけ屋敷近くの家の屋根にのぼる。
遠くで何かが光っている。
それを囲むように銀色のワンのような形をした者に耳の長い、二本足の生き物がのっている。
「邪鬼、厄介なヤツらがきた。」
闇の住民で極悪な性格だ、さらに頭にツノがある牛人も見える。
まずいな俺とカシスだけで絶えれればいいが。
バサッと何かが頭に乗り、ジュリは危うく木から落ちそうになった。
なんだ?
「全くあぶねえだろうが。」
茶色の小さな鳥を頭から降ろして肩に乗せる。
誰かの使役の鳥だろう。するどい眼光に『カオス』と同じような嘴がある。
「お前、ご主人いるなら伝えてくれあいつらは闇の住人であの耳の長いヤツは特殊な呪波を出すヤツがいる。いずれにしてもヤツらは野蛮だ。」
口ばしを軽くあけてからジュリの肩から飛び立つ。
「アダムの使役か?」
地一族でも一番大きい郷に住む、長のカパに仕えるアダムは魔術師だ。
いけね早く状況を知らせねえと。
ジュリは木からあわてて降りた。
嵐の予感が駆け巡る。




