14話 恋と少女と自問自答
私の大好きな凜音ちゃん。
何であんなことを言って逃げちゃったんだろう?
凜音ちゃんは私の事を嫌いになっちゃったのかな?
いいえ。そんな事無い。ある筈ないよ。
だって、あの時の凜音ちゃんの目にあったのは、私に対する「嫌い」じゃなくて……なんて言うのかな。
こう、なんだろう、理解出来ない物を見た時の……?
そう、そうだ。「恐怖」があったんだ。
じゃあどうして?凜音ちゃんは私の何が怖かったの?私は何もしてないのに。
……うーん、何もしてない訳じゃなかった。
顔も名前も覚えてない人にごちゃごちゃ言われて、ついつい凜音ちゃんに詰め寄っちゃったんだった……。
さすがに怖かったかなぁ?何だか怒ったような感じで帰っちゃったし……。
あんなに声を張り上げた凜音ちゃんは初めてみたよ。
まぁ、そもそも出会ったのは最近なんだけどね!
……そういえば、やっぱりあれも今思い出すと怒ってるってよりは怖がってるなぁ。
なんか、気が動転してるような感じ。叩き付けるように、思い付いた言葉を並べてた。いつもの凜音ちゃんらしくもなく。
さて、なんでだろう?
ここはちょっと頭を使わなきゃいけない。
まず。凜音ちゃんは他人が嫌い。自分でも言ってたし、他の人に対する態度を見ててもわかる。だから、あんまり人と関わろうとしない。
もしかしたら、凜音ちゃんは昔からそんな子だったのかもしれない。
排他的に、自分と自分が認めた人以外との接触を極端に避けて。
それに、もしかしたら、凜音ちゃんは他人の汚い所を沢山見すぎたのかもしれない。
そうだよね、ここはお金持ちの人が通う学校。
上手く言えないけど、うん。わかる。私も、似たような物を見たことあるから。
取り入ろうとしておべっかばっかりの大人とか、子供にも汚らしく媚びる人達とか。
そんな物ばっかり見てきたから、凜音ちゃんは他人を信じられないのかもしれない。
そう、きっと、だから。凜音ちゃんは人の好意とか、愛情とかを知らないだけなんだ。
そっか、そうなんだ。じゃあ、だったら。
私が、教えてあげるよ。
私も、凜音ちゃんに会って、わかったから。
今度は、私が、凜音ちゃんに、愛を。
大変長らくお待たせ致しました。もう少しで一度目のクライマックスです。
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