1-7.5
「……シオンに料理任せちまったけど、よかったのか?」
Aeria Gradenの多目的ホールで催されている新Hazard就任パーティー。
今回の試験で新たにHazardとなった者たちの緊張と笑顔。そんな就任祝いにかこつけて、束の間の休みを謳歌しようとしている現役Hazardと一部教官達。今後何がしかの契約を行おうと思っているのか、企業の重役と思しき人々。
本来この場の主役の一人と言ってもいいロイドとカノンは、そんな賑わいをひとしきり楽しんだ後、会場の端で話していた。
「うん。シオンこういう雰囲気、あんまり得意じゃないし、帰って本読みたかったと思うから、そのついでって事で大丈夫だよ。」
就任パーティーとはいえ、新Hazard達に出席の義務は課されていない。そのため、欠席者や途中退場者もごく僅かながら見られた。
それにならってというわけではないが、先のバイルとの模擬戦も相まって疲弊しているであろうカインに食事を届ける事にかこつけて、シオンは途中退場していた。
「……それに。」
そう続けるカノンは、表情にやや含みを持たせながらも、どこか楽しそうにしていた。
「なんかシオン、伝えたいことあったっぽいから。」
「……さすが、よく見てるな。」
「当然だよ、カノンはお姉ちゃんだもん。」
そう得意げに語るカノンを微笑ましく眺めるロイド。
「それにカインくんなら、シオンを任せてもいいかなぁって。」
「シオンも大分カインに心開いてくれるようになったしな。」
「それだけカインくんの事を気にかけるようにはなったんだよ。」
「カインも満更じゃなさそうだしな。」
親友・妹談義に花を咲かせていると、優雅な旋律と軽快なテンポが織りなすダンスミュージックがホールに流れる。
「あ、ロイドくん!」
その音楽に合わせて、数組の男女がホールの中央へ集まる。その様を見て、カノンが声を弾ませていた。
「せっかくだし、一緒に踊るか。」
「うん!!」
ロイドがそう言ってエスコートし、二人はその輪に飛び込んでいくのだった。
fin




