表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

初仕事

第4話です。楽しんでいってください。

 どうもこんにちは。犬の姿の野咲陽一です。さっきまではモモンガの武丸さんにこの森の仲間を紹介してもらっていた。そして今はそこからカフェに戻っているところだ。もう見慣れた小川に沿って戻っていく。さっきまでは快晴で太陽が眩しいくらいだったが今は少し曇ってきている。先の方は暗い。雨でも降っているのだろうか。さっき武丸さんと別れた時に実はこの森で役に立つ者が入っている犬用のバッグをもらったのだ。中には…方位磁針、地図、ペットボトル、釣り竿、ビニール袋、トランシーバー、上着、そして短剣だ。こんなに無料でいただいていいのだろうか。感謝しかない。少し風が強くなってきたので早速いただいた上着を着た。ちょうどいい。風が入ってこないけど暑すぎない。これからも重宝するだろう。方位磁針で雲の方向を見ると西だった。気候とかが日本とかと一緒ならこれからここも雨が降るだろう。急いで地図と方位磁針を使ってカフェに戻るため走った。太ってるからか、かなり走りにくい。しばらく走ったところでどすんと物音がした。かなり大きい音だ。後ろを振り返るとそこにはかなり大きめのライオンがいた。全長4メートルと言ったところだろうか。高さも2メートルほどある。立て髪があるから雄だろう。目が赤く光っている。彼もここの森に住む動物なのだろうか。話しかけてみた。

 「こんにちは。あなたもここに住んでいるんですか?できれば名前を教えていただけないでしょうか。是非仲良くし…」

 「黙れ…」

突然話を遮られた。どうしたのだろうか。あ、そういえば武丸さんがこの森の住民はこれで全員とか言ってたような。じゃあこのライオンは…"ドッスーンッ"と大きな音がした。あれ?前にライオンがいない。後ろに気配を感じて素早く避けた。すると自分がいたところにライオンがいる。こいつ…敵か。急いでバッグを下ろし短剣を出した。かのりさんに聞いたんだが昔早主さんは剣士だったらしい。この体でよくそんな仕事ができたなと思うが、実際していたんだから僕もこの体でたたかえるはずだ。そう思い、ライオンに向かって思いっきり走っていき大きくジャンプ。そして首を狙って思いっきり短剣を振り下ろす。"カキーン"と跳ね返されてしまった。しかし2センチほど傷を作ることはできたはずだ。おそらく早主さんは毎日トレーニングをして鍛えていたのだろう。パワーがない。これからは毎日トレーニングをしよう。って、そんなことを考えてる暇はない!どうやって倒すか考えよう。普通に戦ったら全てのステータスにおいて負けてる僕が勝てるわけない。どうにかして仲間を呼ぶか?でも見つける前に追いつかれてしまう。できるだけ森も荒らしたくない。どうしよう…。このライオンは大きいから小回りは利かないはずだ。だからできるだけ速いスピードで相手を翻弄してスキを見つけよう。そこで攻撃をする。体力がどのくらいかわからないができるところまでやってみよう。相手が飛びついてきたのでできるだけ少ない動きで避けた。しかし相手も速い。素早く体制を直して襲いかかってきた。相手の攻撃、避ける、相手の攻撃、避けるそれをひたすら繰り返して、10周目くらいで相手が体勢を崩した。チャンスだ。そう思ったのも束の間、すぐに体勢を立て直しこっちに突進してきた。攻撃をしようとしていた僕は避ける体勢になれずに正面で攻撃を受けてしまった。勢いよく吹き飛ばされて奥にあった木に背中を強く打ちつけた。痛くて動くことができない。ライオンがゆっくりと迫ってくる。目の前に来て立ち止まり、おおきく振りかぶって前足を頭にぶつけてきた。とてつもない痛みと共に意識が朦朧としていった。


 目が覚めると昨日寝たカフェのベッドに横になっていた。若干視界が狭い気がする。ってそんな場合じゃないぞ。確かライオンに殴られたんだよな。なんで生きてるんだ?

 「ようやく起きた。寝過ぎよ。」

この声は…かのりさんだ。

 「僕、たしか殴られて、死んだはずじゃ。」

 「そんな大袈裟なw。引っ掻かれただけよ。幸いカフェの近くまで来ていたから魔物探知能力が高い店主が気づいて助けてくれたからトドメは刺されずに済んだね。」

 「すまないな、助けに行くのが遅れてしまって。」

 「いいえ、全然です。助けに来てくれたおかげで実際今生きているわけですし。」

 「陽一君は優しいねぇ。まぁ助かってよかった。左目は引っ掻かれて少しの間眼帯つけてないといけないかもだけど、生活に支障はないわ。心配だから今日はここで寝泊まりしなさい。」

なんとみっともない。みんなに迷惑をかけないようにもっと強くならないと。とりあえず今日はゆっくりさせてもらうか。ふと奥にある鏡を眺めるとめっちゃカッコいい感じに四本の切り傷が斜めに入っていた。おまけに左目の眼帯。厨二病がめっちゃ喜びそうな外観だ。しかしこの顔は厨二病ではない僕が見てもかっこいいと思える。少しだけ嬉しかった。そう思いながら眠気がしてきて、そのまま眠ってしまった。


 「起きて、陽一君。おきてー」

この声で僕は目を覚ました。かなり眠いが目を開けた。目の前にはかのりさんが顔をのぞいていた。恐らく朝が来たのだろう。

 「やっと起きた。夜ご飯だよ。」

ん…?夜ご飯?まだ朝じゃねえのかよ。まあでも言われてみれば今日は朝ご飯も昼ご飯も食べていない。その上あんなでかいライオンとも戦った。かなりお腹が空いている状態だ。

 「今持ってくるからね。」

優しいなぁ。僕も人間時代こんな優しい彼女が欲しかった者だ。


小学6年生の頃、一度だけとある女子に告白されてちょっと付き合ったことがある。その女子は僕も可愛いとは思っていたし、そんなに悪いイメージはなかった。叶人が居たらそっちと遊ぶのを優先したかったから断っていたかもしれないが、毎日のように遊んでいた毎日からたまに外に遊びに行く毎日になってつまらなくなっていたのもあってか、答えはOKにした。早速次の日の日曜日、彼女の要望でエオンでショッピングをすることにした。自分はあまり買い物とかをするタイプではないが、せっかくだから少し自分で欲しいものを買ってみようかなと思いながら待ち合わせ場所に向かった。エオンに入るとまず彼女が化粧品の店に行きたいと言ったのでついていった。そうすると、

 「この化粧品、欲しいんだけど…付き合った祝いで買ってくれない…?」

は?って思った。付き合った祝いって、付き合った相手にそんなこと祝ってもらうか?わからない、僕の感覚がおかしいだけなのかもしれない。そう思い、

 「わかったよ。これだけだからな?」

 「ありがとー!陽一優しい!」

照れてしまった。女の人にこんなにベタベタされることは今までなかったからだ。僕も彼女になんか買ってもらおうかと思ったが、奢ってもらうことに少し抵抗もあったしそういうのはよくないのかなとか色々思ってやめといた。昼ごはんはマックにした。良さそうなところいくつかあったが、マックが一番無難という判断に至った。食べ終わった後、会計に向かった。

 「僕が1050円で、佐藤さんが1200円ね。」

そういうも、彼女は財布を出そうとしない。

 「ねぇ聞いてる?会計だよ」

 「そういうのは男子が出すものでしょ?何女の子に払わせようとしてるのよ。2人分払ってよ。」

 「自分が食べたものくらい自分で払ってよ。僕は今日は佐藤さんに奢るために来てるわけじゃないよ。」

 「もういい。別れよ。」

そう言って彼女は走って行ってしまった。店員さんも気まずそうにしていた。仕方なくその日は僕が2人分の会計をしたがそれ以降彼女と関わることはなかった。付き合ったのが土曜日の部活終わりだから、大体18時くらい。そして別れたのが日曜日の13時ごろ。付き合っている時間は1日もなかった。


まさか彼女がこんなにクズな性格だとは思いもしなかった。付き合ったことは今でも後悔してる。そのせいで一ヶ月分のお小遣い丸っと消えたし。そのことを思い出してイライラしてるとかのりさんがご飯を持ってくる音が聞こえた。なにかな、ハンバーグ?それとも刺身?和食風のご飯かな?そう考えてると扉が開いた。手にあったのは…ドッグフードだった。よく考えれば当たり前よな。だって僕は犬だもん。最後に食べたラーメンが愛おしく感じる。人間時代のご飯を懐かしく思いながらドッグフードを口にした。するとあら不思議。めっちゃうまい。ひょっとしたら焼肉を超えるんじゃないかってレベルだ。こんなに美味しいものをなぜ今まで知らなかったんだ。まぁ人間だったからなんでけどな。夢中で食べ続けたらすぐになくなってしまった。隣でかのりさんが笑っている。持ってきてくれたおかわりもすげに平らげた。流石にお腹いっぱいになり、かのりさんに感謝を伝えそのまま眠ってしまった。


どうでしたか?第5話も近いうちに出すのでぜひお読みください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ