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プラネットルナ  作者: 千代鶴
第二章 目指せ!ジーコ場所
38/38

38 ハイキング道

 久しぶりの投稿です。

 初体験!ウキウキドキドキ。窓から外を覗いて見ると、ゆっくりのんびりと湿地帯や森林の景色が流れ去っていく。普段、乗り慣れた人、あるいはアポロ鳥のライダーなどは、遅過ぎるとイラッと感じることもあるだろうが、ザウルス乗り合いバスに初めて乗車した俺は嬉しくてテンションは高い。

 広大な水棲の草ばら。青空との境界をなすホライズン。湿地の水面に映る真っ白な雲とサテライトアース。湿原で休むフラミンゴもいれば、上空を舞う同種のピンク鳥もいる。目立つのは彼らであるが、水の中に棲む虫や魚などもいるだろう。目の前で楽園のような風景が広がり流れ去っていく。

 俺たちが乗っているのはケーオー牧場が無料で運行している、観光客向けのザウルスバスだ。どすこい!

 かなりの急勾配になって来た。速度はさらにゆっくりになってしまったが、ザウルスバスは走り続けていく。ドライバーはザウルスにあまり無理はさせていない。人前で酷使させたら即炎上という理由もあるけど、この牧場で働いている人は皆動物好きで、飼育している動物にたいしてはジェントルであるといわれている。実際、そのことは乗っていて感じ取ってはいる。


 俺たちは終点ケーオー牧場の一つ前のバス停留所、フラミンゴハイキング道入り口で降りた。予定外のサブクエスト、ファミリーハイキング道の凶悪スズメバチ型エネモン、エンゲルを駆逐せよ!が発生したからだ。まあ、ドライバーから急遽頼まれて引き受けてしまっただけなんだけど。

 この停留所からケーオー牧場まではファミリー向けのハイキング道になっているのだ。ゆっくり歩いて1時間程度のほぼ緩やかな山道、自然散策道であるのだが、近ごろここにスズメバチタイプのエネモンが姿を見せるようになり、こちらの退治の方も頼まれたのである。もちろん、依頼料は別途支給。これぞまさに行き掛けの駄賃と引き受けることにしたのだ。


「先頭を行くのは、やっぱ肉体派の雷関とハロウグッバイはんのふたりまんねん。頼りにしているまんねん」

「ちょっとラムはん、その言い方セクシャルすぎだよ」

「一番後ろはわたしリリエンヌに任せて。空と陸から研ぎ澄まされたエルフェアーの五感で敵を察知して、バックアタックは阻止するから」

「あまり期待はしとらんが、まあ銅像がシンガリを務めるより、多少なりともマシではあろう」

「何ですって!きいーっ!」

 こんなノリで俺たちは山道を登り始めていく。……こんなんで大丈夫かな?俺は一抹の不安を感じるのであった。


 ゆるやかな山道をズンズン登っていく。思いの外急勾配で、少しキツさを感じる所もあったけど、概ね緩やかな登り坂、たまに下り坂という按配であったのでそんなにHPは消費していない。

「ハァハァ……はあはぁっ」

「カズコはん、大丈夫まんねん?かなり息が切れてるみたいまんねんけど」

「え?このぐらいなんともないよ。確かにこのパーティーの中で、ううん、多分全月世界中のパーティーの中でも、一番体力は低いと思うけど、これぐらいのことでへたっていたらとても旅なんて続けられないからね」

 そう言ってスマイルまでしたカズコ嬢であるが、彼女の体力がキツい状態であるのは一目瞭然であったのだ。


「無理はしない方が良いぜ。少し先にベンチがあるからそこで休憩しよう」

「心配かけてごめんなさい、雷関。でも、あたしならホント大丈夫だから、当初の予定通りゴッデスティアーズフォールまで、休憩なしでいこう」

 力強いキリッとした表情を見せたカズコ嬢。すごく平気へっちゃら感を作り出しているな。本人が自覚している通り、一番体力のないのは彼女だ。それゆえの他人に対する気配りや、負けたくないという気持ちだって強いはずだろう。ここは彼女のいう通り当初の予定通りに進んでいこうと思う。他のメンバーより疲労困憊しているとはいえまだまだ余裕はありそうだ。ドクターストップをかけるのは、本当にダメだと感じられた時にかければ良い。


 カズコ嬢のことも気がかりであるが、もっと気を配らなければならない事態が差し迫っていた。

「アラートだよ!背後からスズメバチが2匹急接近中!しかも思いのほかデカい!背の高さは少なくともサンちゃんと同じぐらいあるよ!」

「見間違いじゃないのか?エリフェアーのお嬢ちゃん」

「もう!こんな時まで茶化さないでよ!」

「嬢ちゃんのキレ具合からして、どうやら本当みたいだな。よもやそんなにデカイスズメバチがいようとは!」

「グッバイ殿、あなたがどれほど長生きしていて、冒険の経験値があるのかは知らないけど、今まで見てきたものだけで今存在しているもの、起きていることを決めつけるのは良くないぜ。俺なんて記憶喪失だから、見るもの全てがアメージングで信じられないほどだぜ」

「おう!言われなくても分かっておるさ。予想外のエネモン、想定外のピンチに出くわしたことなど山ほどあるんだからの。それに、常にアップデートされていくのが、この世界でのエネモンのエヴォリューションって奴だからの!」


 俺たちは臨戦態勢へと入る。バックアタックに備えて前衛と後衛をチェンジしようとしたが、巨大なスズメバチ2匹は俺たちの前方へと回り込んでくれた。知能が低いのか?正直助かったぜ。

 それにしても……すごく色っぽい敵だ。エンヌ嬢の言っていた通りに、俺とおなぐらいの背丈のあるデカイスズメバチなのだ。しかし……。

 まずは頭部。ほぼヒトと言って良い。甘いあま〜い蜜でできているかのようなブロンド。AはロングでBはボブショート。目はAが吊り目でBが平行アイズ。A、Bとも鼻梁はツンと高い。二匹、いや二人とも小ぶりの輪郭に目鼻がバランスよく納まっている。ただし、口だけは明らかにデカすぎ。とくに上から大きく突き出た昆虫の牙が!あと、頭の先から触覚が生えているけど、こちらは萌え要素が強いと、俺は感じている。


 オッパイは二人ともデカイ!黒と黄色の蜂柄模様のバストトップの衣装に包み込まれてこそいるけど、大きくて真っ白な胸の谷間は、今にもはみ出してしまいそう。

 いやいや、衣装と思っていた蜂柄だけど、よく見ると生身の身体であるのだ。蜂だから当然といえば当然のことなんだろうけど。股の部分はエグい角度になっている。機動性重視の結果、得た姿なのであろうがハッキリ言ってエロ過ぎ!

 そこから伸びる脚は長い。だけど臀部は完全にハチ。今は隠しているが、きっと恐ろしい毒針が格納されているのだろう。あれほどの巨体。毒がなくてもスピアのような凶刃さも持ち合わせていると思われる。

 牙と毒針。スズメバチの二大武器であるが、彼女たちにはもう一つ強いであろう武器がある。それは腕が4本あるということである。右上右下左上左下。腕ニ本当たりあの花散里嬢と同じ力がありそう。それがもう一セットあるのだ。かなりの怪力であることは間違いない。どすこい。


「“ファイアーボール”まんねん」

 先頭の口火を切ったのはラムはんであった。装備している箒の柄の先から大きな火の玉が現れた。紫色の火の玉だ。かなりのスピードで飛んでいった。だけど、ひらりとBにかわされてしまった。

「これならどうまんねん。“バーン”まんねん」

 ラムはんは箒に跨り上空へ。そこで紫色の炎を火炎放射。全体攻撃。二人に勢いよく炎が放たれていったが、今度もかわされてしまう。空中での機動力はかなり高い!これは少し頭を捻って闘わなければ勝てないぞ!


「ラムはん!」

 俺も他のメンバーも絶叫する。まずはAの方がラムはんに向かっていった。キック!ラムはんはなんとかかわしたが、間髪入れずキックを放ってきたBの一撃はかわしきれなかった!

 身体への直撃は避けられた。だけど、箒の柄の部分に当たってしまった。強烈な一撃。ラムはんは空中でバランスを崩し、きりもみ状態で地面へ向かって落下していく。

「ああ!」

「いやああ!ラムはん!」

 目を覆いたくなる場面。だけども、少なくとも後の対処のため、見届けないと。ラムはんは高速で落下する中、なんとか体勢だけは持ち直せた。魔力が高いのは当たり前として、反射神経や運動神経も高くなければ出来ない回避行動だったと思う。

 墜落は免れた。だけど、通常の着陸というわけにはいかなかった。足の裏から地面に降り立ったけど、すぐには止まれず10ドレほど駆ける格好となり、尻餅をついてようやっと動きが止まった。

 巨大人型スズメバチ、エンゲル。かなりの強敵だぞ!どう闘う。

 


 


強敵相手にどう戦うのか?楽しみだねー。

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