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第八十二話 せっかく異世界に来たんだから、デートの準備をしよう。

ブックマークと☆☆☆☆☆を★★★★★にお願いします!!


ラグタット公国はこの大陸の北東に存在する国だ。

その人口のほとんどが獣人である。

そして、獣人でも狼人、猫人、鳥人など多くの種族が存在していて、その代表たちが話し合いのもと政をしている国である。

昔は力こそ正義という考え方だったようだが、現在では他の国と同様魔法や魔道具で発展している。


「なぜラグタットと戦争を?」


「分からない。だが、国境付近に多くの兵を集めていることが分かった。以前手紙に送ったように遅くても今年中にも開戦するだろう」


「ラグタット側からはなにか戦争勧告のようなものは無いのですか?」


「何もない。だが、集まっている兵士たちは皆キングレオのギーレン公爵領を襲撃すると聞かされているらしい」


それにしてもおかしい。

ラグタットが公国になってから彼らは暴力的な行動を嫌う傾向があった。

俺達の住んでいるこの国にも数年前までは貿易等も行われていたと聞く。

それなのに、なぜ?


「それなら、なるべく早く俺達もここを離れた方がいいですね」


「そうだね、特にリリシア嬢と君には」


同じ国とはいえ他の領の貴族が戦争に巻き込まれるのは避けるべきだ。

怪我はおろか死んだりすれば責任問題が発生するからだ。


「俺もですか?」


「正直に言えば、君の方が問題だ。ハーキスタ伯爵の人間とは言え、フォルトニア教会の聖女の弟子だ。君の身に何かあればフォルトニア中央聖国が黙っていない。なんならこの国の王族なんかよりも扱いが難しい」


「なるほど、だからノンノの天職の儀はハーキスタでって前に話していたのね」


リリシアがそう言って俺を睨んできた。

何かしてしまっただろうか?


「言ってくれればいいのに」


そういうことか。


「あの時はまだ確定ではなかったんだ。特にハーキスタ家のメイドさんとかもいたし、どこから情報が洩れるか分からない状態ではあまり口にしたくなかったんだ」


「分かりました」


でも、今日明日に開戦というわけではないだろう。

少し休んでからハーキスタに戻っても大丈夫だろう。


「それで転移組の二人は?」


「能力鑑定後ハーキスタ家に一緒に行ってもらえると助かる。戦争になれば二人の事を構っている時間は無いからな」


「リシャリア様には?」


「先刻便りを送った。返答次第では変わるだろうが、あの方はやさしい方だ。それに、昔作った貸しもある。まず大丈夫だろう」


そうであれば、俺達もそれに合わせてハーキスタに戻った方がいいか。

俺は日本語で二人に今の話をする。

すると二人は少し不安そうにだが、頷くのだった。

ある程度話し合うことが終了した。

そうであれば。


「明日の準備がありますので、俺はこれで」


「ああ、頑張ってくれ。報奨金は君が出るまでに用意させておこう」


「ありがとうございます」


さて、では明日のデートプランの準備をしに行きますか。

そうだ。


「誰かついてくるかい?」


「……。ルヴァン、最初から人に頼るのは」


「自分で考えないとダメダメだよ」


リリシアとノンノにそう言ってダメ出しをされる。

別にそういった意図はなかったのだが。


『俺はこれから出かけるけど二人はどうする?』


『私は疲れたので、もう少し休みたいです』


『僕は行きたい!!』


松山くんだけか。


『一人で行くか』


『なんでだよ!!』


決して、初めてのデートでどのようなプランを組めばいいのか分からないから、助言ができそうな人間を求めていたわけではない。

だが、松山くんはなぜか逆にダメにしそうな気が。

いや、彼の助言の逆のプランにすればいいのか。


『やっぱり来ていいよ』


『なんか嫌な事を考えられたような』


『ソンナコトナイヨ』


『なぜ、カタコトに戻ったし!!』


『あと、猫田も連れてくか』


最近構ってあげれなかったし、久しぶりに連れ出してやるか。


『いや、確かに俺コボルトっすけど、飼い犬感覚で連れ出さないで欲しいっす』


『そう言うなよ』


町に繰り出した俺達だが、猫田がなぜ連れ出されたのか聞いてきたので答えるとジト目で俺を睨んでくるのだった。

公爵家の客人という事で今の俺と松山くんは少しいい服を着ている。

村生活の服も着やすくてよかったが、貴族の服はやはり生地が違うのか肌心地がいい。

そして、猫田も可愛らしいドレスのような服を着せられている。

中身は男だが、身体はメスのコボルトという事もありずいぶんかわいらしく仕上げられている。

毛並みもトリートメントされているのかつやつやで、見た目はコボルトというよりはいいとこで買われているワンちゃんだ。


『白のリボンがかわいいと思うよ』


『殺すぞ、松山!』


ただ、想定外だったのが猫田も日本語がしゃべれたのだ。

他にも日本語がしゃべれる人間が欲しかったのでうれしい誤算である。

人間ではないけど。


『それで、どんなデートプランにするんすか?』


猫田に言われて改めて考える。

そうだな。

なんだかんだでシラユリはとてもロマンチストだ。

誕生日を祝う時も盛大にやってくれるし、プレゼントはサプライズが基本。

花を贈った日は歌を口ずさみながら、それをずっと見ている。

それに、今まで苦労ばかりかけて、あまり贅沢をさせて上げれなかった。


『ちょっと大人なレストランに誘って、指輪を送って告白する』


『それは良さそうですね』


『やっぱやめようかな』


『なんで!?』


松山の言葉に急に不安になる。

こんなんじゃ駄目だと断れる未来しか見えない。


『姉さん、絶対喜ぶっすよ。お二人の思い出の曲とかあればそれをピアノとかで弾いてもらったりとか』


『なるほど』


そういえば、魔法少女が好きだし、歌はあれだから曲をピアノの譜面に起こして演奏してもらうか。

やはり猫田を連れてきてよかった。


『なんか扱いがひどい』


『まあ、そう言うなよ。さて、ピアノの演奏がある高級レストランの予約をして帰るか』


『そうっすね』


『それで、どうやって予約取るの?』


松山の言葉にふと猫田に視線を合わせる。


『俺コボルトっすよ』


松山くんを見る。


『この世界に来たばかりで分からない』


『っち、使えない』


「どうされましたか?」


『『『!?』』』


その声に俺達が振り向くとジェーンさんがいつのまにかそこに立っていたのだ。

足音はおろか気配すら気づかなかった。


「え、えっと、ピアノ演奏があるようなレストランとかってないかなあと」


「では、予約を取っておきます」


そう言うとジェーンさんは人ごみの中に消えていったのだった。


『絶対暗殺系のスキル持ってますよ』


松山くんの言葉を俺は否定できなかった。

その後、俺はシラユリへの指輪を買ったのだった。

だが。


『どうします? もう戻りますか』


時間を確認するとまだ昼前だ。

出る時に昼ご飯は外で済ませると言ったのでまだ戻るのは。


『せっかく外に来たんすからもっと歩きたいっす』


『そうだな』


猫田もそういうので当てもなく歩く。

そんな時だった。

路地裏から甘いにおいがしてきたのだ。


『この奥って何があるんですかね?』


『ああ』


この甘い匂いって香水とかその類だろう。

つまり。


『花街だろ。悪いが成人しか行けないぞ』


『この世界の成人って何歳ですか?』


『十五歳』


『なら、僕はいけるんですね』


『『……』』


『ちょっと覗くだけ』


『あのな、俺はまだ十三歳なんだけど』


しかも、聖職者だ。

こんなところに入るのはまずいだろう。


「お兄さん、入っていってくださいよ。イイ娘いますよ」


『え!?』


『『あ』』


いつの間にかいたおじさんが松山君を引っ張っていく。

そして、花街の奥へと入っていってしまったのだった。


『どうします?』


猫田が俺を見上げて、聞いてくる。

そうだな。


『帰るか』

明日は私用でお休みします。

頑張れればかきます。

明後日のお昼頃、次の更新します。

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