第六十九話 せっかく異世界に来たんだから、教えよう。
本日二回目の投稿です。
順調にブックマーク数も増えて来てます!
目指せブックマーク100人を目指して頑張りますので、よろしくお願いします。
教会で俺が調合をしていると猫田がそれを俺の膝の上で興味深そうに見ていた。
ノンノは昨日森に行ったこともあり、今日は大事をとって休ませている。
のだが。
「ノンノには常識が足らなすぎます! これからはきちんと勉強しましょう!」
とシラユキが言い出したことにより、家で絶賛勉強中なのだ。
まあ、知識を付けることはいいことなのでとりあえずは様子を見ることにしよう。
シラユキが怖いし。
「なあ、ルヴァンさん」
「なんだ?」
「これって俺にもできっすか?」
猫田が調合中の瓶を指さして聞いてくる。
どう、なのだろうか?
スキルとして取れれば難しいことは無いが。
魔物ってそこのところどうなんだろう?
「とりあえずやってみるか?」
「マジで! やるやる!」
早速猫田は薬草を触ろうとする。
それを俺は腕を握って止めたのだった。
「なんすか?」
「まずは手を洗え。何事もまずはそこからだ」
「うっす」
手を洗ってきた猫田にタオルで手を拭かせて作業台の前に座らせる。
まずは、調合の基本を教えることにする。
「やり方は簡単で、子供の頃雑草を水につけて絞ったことは無かったか?」
「あるっす、超ガキの頃っすけど」
「それに似てる。まずは軽く切り刻む」
俺は実際にやって見せる。
猫田は大きな目でじっとそれを見ていた。
「ほうほう」
「そして、すり鉢に刻んだ薬草と綺麗な水を入れる。これをすり潰すんだ」
「なるなる」
「最後に綺麗な布でこし出す。これを綺麗な水とMPを加えながら保存魔法がかかった瓶に入れておしまいだ」
「なんか、簡単っすね」
「やり方はな」
早速、猫田は俺がやった通りにやってみる。
だが、出来たのは草の汁だった。
ポーションではない。
「なんで?」
「きっとMPが足らなかったんだと思う。MPが足らないと草の汁。入れすぎると草の煮汁になるから」
俺がそう言うと猫田は首を傾げた。
そんなに難しかっただろうか?
「……MPってなんすか?」
「ん? RPGとかやったことない?」
「ありますけど、魔法を使うのに必要な力っすよね」
「そうだ。他にもこの世界では一部のスキルを発動するのに必要な力だな」
「その力ってなんっすか?」
なるほど、そう言う事か。
俺も気になって調べたことがあるが。
「世界に干渉する力、因子の事で本来は魔素とかいうだそうだ。すべての生き物がこれを持っていて、MPってのがその力の量。魔力が世界に干渉する力って書いてあった」
車で例えるとMPがガソリンで魔力がエンジンという事になる。
MPが足りなければ途中でガス欠をおこすし、魔力が足らなければ動かない。
「でも、見えるものでもないから実際にそういったものがあるのか分からん」
「そうなんすね」
猫田は自分が作った草の汁を見て肩を落とす。
「なに、何回も繰り返してれば〈調合〉のスキルが手に入る。そうすれば、体が勝手に覚えてくれる」
「分かったっす。やってみるっす」
そして、俺の余った薬草で猫田はポーションづくりを始めるのだった。
さて、今日の調合は終わったので、休憩するとしよう。
ポーションはこの村を通った冒険者たちが買っていったりするので、そこそこ調合が必要なのだ。
なら、棚卸でもするか。
「痛み止めもまだ在庫はあるな。解熱剤に下剤も大丈夫。……」
俺は薬の在庫と、売り上げ帳簿があっているか確認していく。
今日のような暇な時しかこういったことができないので、きちんと確実に行っていこう。
そして、薬の八割ほどの確認が終わった時だった。
「すんません」
猫田が俺に話しかける。
その手にはビンが持たれていた。
「なんだ?」
「この量の薬を管理してるんすか?」
「これだけじゃないぞ。他にも足が早い薬は調合せずに乾燥させてあったりするからな」
薬によっては逆にすぐに調合してしまわないといけないものもある。
そこは知識や勘で調節していかなくてはいけない。
「すごいな」
「まあ、前世でもこれに似たことはしてたしな。前世の年も合わせればもう四十だ。これぐらいはな」
「俺は高校生で死んだんで、そういうの羨ましいっす」
「そうか。でも、これから色々経験していけばいいさ」
「小さな子供に言われると違和感しかないっす」
そうだな。
早く体の成長が精神に近づいてくれると助かるのだが。
「そう言えば、どうかしたか?」
「そうっすそうっす、これ」
そう言って猫田が差し出したビンにはどう見てもポーションが入っていた。
「すごいじゃないか、よくこんな短時間で」
「ありがとうございます」
「でも、中に草の屑が少し入ってるだろ? これだと値段が下がるんだ。もっと頑張ろうな」
「一日中、頑張って調合してたのに。難しいっす」
「え?」
一日中?
店の窓から外を見ると既に太陽が傾きかけていた。
もうそんなに時間が立っていたか。
「帰るか」
俺は猫田に作業室の掃除を支持して戸締り確認をして回ろうとした時だった。
「ルヴァン! いるか!?」
ガンツが息を切らしながら教会に入ってきたのだ。
こんなに焦ってどうしたのだろうか?
「どこかの貴族が兵士を連れて乗り込んできやがった! やばい、逃げるぞ!」
「あ、あ~」
なんとなく誰が来たのか察せた。
「そこまで焦んなくてもいいぞ」
「は!? なんで、ルヴァンはそんなに落ち着いてんだよ」
「なんでって言われても。とりあえず、俺は行くから」
仕方ないので俺は村の門前に行く。
そこには案の定よく見覚えのある家紋の馬車とそれを守る数人の騎士が止められているのだった。
「すみません」
「ん!? 少女、近づくのではない。この馬車には高貴な方が乗られているのだぞ」
騎士が俺と馬車の間に入って牽制してくる。
面倒臭いなあ。
それに、こいつ俺の性別間違えてるし。
「ルヴァンが来たと中の人に伝えてもらってもいいですか?」
「そんなことができるか「ほい」
俺は騎士の人の言葉を遮って、普段は服の中にいれている黒の翼に抱かれている十字架と、この馬車にも描かれているハーキスタ家の家紋付きの指輪を見せる。
「え、え? まさか〈聖帝〉様」
「それで呼ばれるの好きじゃないんだけど」
「ルヴァン!」
突如馬車の扉が開かれ、その中から女の子が飛び出してきた。
「リリシア」
大分、大きくなられたが見間違えるはずない。
リリシア・ハーキスタだった。
「急に「どうしようルヴァン」
リリシアは今にも泣きだしそうな表情で俺を見つめてくる。
「王子様と、婚約させられちゃう!」
次回予告!
ルヴァンと婚約しているはずのリリシアが、王子様と婚約!?
しかも、シラユキが!
ノンノは兄離れができるのか!?
次回 祝七十話ちょっと長めに頑張ります。
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