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第六十話 せっかく異世界に来たんだから、答え合わせをしよう。

夜分に更新します。

よろしくお願いします。


「ルヴァン!」


リリシアお嬢様が抱き着いてくる。

それを俺は抱き返した。


「心配させないでよ」


「すみません」


「手紙も送っても返信が来ないし、突然会いに行ったら驚くと思って王都に来たらドラゴンと戦いに出てるっていうし、もう! 私がどれだけ心配したか!」


「すみません」


「バカ」


リリシアお嬢様は泣きながら更に強く俺を抱きしめた。

ただ、この時間がすごく大切に感じたのだのだった。


「そういえば、なぜここにお嬢様が?」


「何度手紙を送っても返信が帰ってこないから、お母様にお願いしたらこの時期に王都に行く予定があるからって同行を許してもらったの。でも、こんなことになって、王都の屋敷を守ってくれている兵士をかき集めて、ここまで来たの」


「では、奥様が?」


「うん。今は教会側のテントにいるはず」


「そうでしたか」


それで、先ほど教会のテントに兵士が多くいたのか。

面倒臭がらずに行けばよかったか?

でも、お嬢様に会えたから今は良しとしよう。


「ねえ、ごはん」


スピレイは空になった皿を俺に突き出した。

そんなスピレイを見たリリシアお嬢様の抱きしめる強さが更に強くなる。


「ルヴァン、この子誰?」


「え!? この子は妖精だよ」


「妖精みたいにかわいいものね」


どんどん力が強くなってい、く

そのまま伝えたのに信じてくれてない?

ど、どう説明するべきか?

もう一度、正直に!


「この子は、本当に、妖精」


「まだ、そんな、ことを」


「お兄ちゃん、大丈夫?」


「お兄ちゃん?」


まずい、こういう時は更に変な方へ誤解が!


「なんだ、あなたの妹分なのね?」


「へ?」


「なら、そういう関係にはならない、でしょ?」


「はい、その通りでございます! とてもおいしそうにご飯を食べるので、ついかわいがってしまい!」


「そう、なら許してあげる」


なんとかなった。

俺はほっと息をついた。


「それで、リアって子はどこ?」


ダメだ。

まだ逃げれそうに「ここにいたのね。ルヴァン」


俺は声の方を向くとリシャリア様がシューラン様と一緒にいた。

その表情から奥様が大変お怒りなのは火を見るよりも明らかだった。


「それでは」


「リリシア、こちらへ」


「はい」


なんとかお嬢様の締め付けから逃げられた俺の近くにシューラン猊下が近づいてきた。


「さっさとしなさい」


リシャリア様はそう言うと兵士たちを連れてテントから出ていき、俺とシューラン猊下だけになった。

やさしそうな顔をしているシューラン猊下は裾から何かを取り出した。


「猊下」


「もう、いいんだよ」


そう言って、タバコを吸い始めた。

更に酒を飲み干した。


「それで、この状況は何なのでしょうか?」


「ああ、もう君とは会うことが無いから最後に色々と話ておこうと思ってね。それと、前世ではあらし おさむって名前でね音読みしてシューランて名前にしたんだよ」


「それって」


「まあ、そう言う事だ。私も同じ転生者なんだよ」


そうだったのか。

でも、なんで。


「今ままで黙ってたかって? そりゃ、伝えたら未来が変わるからさ」


未来って?


「この金色の目さ。転生特典でもらった〈神々の盤上〉ってスキルでな。通常は相手のステータスを見るか、少し先の未来を見る程度のスキルなんだ。ルヴァンくんが喋らずに話ができるのもそのおかげだ」


なるほど。


「じゃあ、「俺が次しゃべる言葉は何ですか? だろ」


すごい、言い当てた。


「だが、このスキルはそれだけじゃなく、たまに二つの未来を見せられる。それが、最悪な結果と最善の結果だ。そして、最善の結果に導くことができると特典として好きなスキルをもらえるんだ」


「じゃあ、今回の事は」


「察しがよくて助かるよ」


そう言って二本目の煙草に火をつける。

シューラン猊下は遠くを見つめて煙を吐き出す。

なんでこのタイミングで二人きりで話しているのか?


「答え合わせをしてくれるのですか?」


「何でも教えるぞ」


やはりそうか。

なら。


「その二つの未来を見るスキルはいつ発動したのですか?」


「君が教会に来る少し前だね」


「それじゃあ、俺に甘かったのも」


「まあ、御しやすくなればという思惑もあった」


もっとやりようがあったと思うが、そう言う事にしておこう。


「最悪な未来とは何ですか?」


「それは」


数分躊躇うように考え込む。


「そうだな、簡単に言えばテルマリリ、ミドリを含めた教会関係者十数名と今回討伐に駆り出されたギーレン公爵とその軍の全滅だよ」


その言葉に息をのんだ。


「なんで、ミドリちゃんが?」


「私が見た未来ではルヴァンくんの回復魔法を見た彼女が、負けたくないとテルマリリ頼み込みんで実地訓練に来ていたようだよ。でも、坑道から出てきたドラゴンが逃げた兵士を追いかけて村にまで来て、それで」


確かに、ドラゴンが坑道から出てきたことはあったが。

では、なんで今回は?


「君が昼夜問わずに回復魔法をかけ続けてくれたおかげで、一人逃げても他の多くの兵士が戦ったのだろう」


「なるほど」


「ついでに、最良の結果は私がルヴァンとこうやって話をしていることだ」


「それじゃあ」


「そうだ、この戦いに君を送り込むのが今回の作戦の肝だった。だから、一緒に遠征するテルマリリと面識を持たせるために神明の湖に洗礼に行かせ、多くの観客を呼んで君の天職を認知させてアルマルデについていけないようにし、愚王が召集するように仕組ませた」


全てこの人の掌の上だったって言う事か。


「でも、安心するといい。ハーキスタ家が君を招集した書状をもって国王を弾圧するそうだ。まあ、普通に考えて子供を戦いに連れ出す王なんていちゃダメだろ。他にも色々とやらかしてたからな。これで、あいつは国王を辞めないといけなくなるだろう。それに、私にも聖国に戻ることになる」


「聖国?」


「中央聖国 フォルトニアだよ。今回の件では色々と無理をしたからな。もうすぐ帰ってくるよう命令が下る。だから、最後に。すまなかった、ありがとう」


そう言うとシューラン猊下はタバコの火を消し、立ち上がってテントを出ていこうとする。

俺も立ち上がり頭を下げる。


「ありがとうございました!」


そう言うとシューラン猊下は振り返らずに手を振ってテントを出て言ったのだった。











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