第五十九話 せっかく異世界に来たんだから、あの人に会いたい。
誤字が多くてすみません。
修正ありがとうございます。
よろしくお願いします。
「これで、終わったの?」
シラユリはドラゴンの亡骸を見ながら呟いた。
一時は死ぬかもしれないと思った戦いは思ったよりもあっさりと終わった。
「被害状況を確認しろ!」
兵士のお兄さんも事後処理を行っていた。
見た感じではけが人はいるが、死人はいないようだ。
怪我人の治療を行おうと兵士たちの方へ向かった時だった。
グルルルル
大きな唸り声が聞こえてきた。
恐るおそる振り向くと、ドラゴンの身体が急に燃え始めたのだった。
そして、一点に炎が収束しそこから赤い竜が現れたのだった。
「構えろ!」
兵士のお兄さんの声に全員が武器を構える。
だが、満身創痍な表情から今の状況がかなり不利なのは明らかだった。
俺も杖をドラゴンに向けて戦闘開始の合図を待っていた時だった。
アンミリがドラゴンの方へ歩を進める。
「危ない!」
俺の声などお構いなしに近づくアンミリにドラゴンが大きな口を開けて噛もうとする。
「古き友よ。ここにいたのか」
アンミリがそう言うとドラゴンは動きを止める。
『あん、みり、か?』
「大丈夫か?」
そう言ってアンミリはドラゴンを撫でる。
それを、抵抗なくドラゴンは受けると嬉しそうにのどを鳴らした。
『我は、どれほどの間』
「君と最後にあったのは六百年も前さ」
『なるほど、そうなると、少なくとも五百年も』
「無事でよかったよ」
「お話の所ちょっといいか?」
俺は話が見えないが、さすがにこのままではいけないと思い思い切って声をかけてみる。
すると、ドラゴンは歯をむき出しにして俺を睨む。
俺は思わず驚いてしまう。
それをアンミリは殴って止めさせるのだった。
「こいつはあたいに体をくれた恩人だ。あんまりなことをしてると、許さないよ」
『ご、ごめんなさい』
「それにこんな巨体では邪魔だ。前みたいに小さくなれないのか?」
『やってみます』
そう言ってドラゴンは炎を纏うとどんどん小さくなり、アンミリと同じくらいの大きさになったところで炎が消える。
そこには赤い目に紅い髪の女性が立っていた。
だが、その俺を鋭く睨む目ですぐに誰か分かった。
「さすがファンタジー」
「そうだな」
もう、ドラゴンがなぜ、どうやって人間に変身するかなどマンガやアニメを見てた頃は気にも留めなかったが、実際に目のあたりにすると圧巻である。
いうなれば、大掛かりなマジックを見てスゲーと、思うような。
「それで、アンミリは「アンミリ様、だろ!?」
「やめろ」
元ドラゴンの女性に鉄拳を下ろす。
「こいつはレッド。原初のドラゴンの一人で、あたいの番だ」
「「…………つがい?」」
「おう」
「アンミリって結婚してたの?」
「つか、女性同士?」
俺とシラユリは驚きのあまり色々と質問をしてしまう。
「元々妖精には性別は無いって前に言っただろ。それに、何百年て生きてんだ。番がいてもおかしくないだろ?」
アンミリが呆れたように俺に言った。
そう言えば言われたような。
それに、何百年も生きていれば結婚ぐらいできて当たり前。
結婚できるよな。
「俺、何百年も生きれないんだけど。結婚できるかな?」
「十歳が考える事じゃないね」
仕方ないだろ。
童貞拗らせて、少し前まで〈まほうつかい〉だったんだから。
「それより、結婚てどうすればできますか? アンミリ様!」
「気になるところはそこじゃないだろ。それと、様は止めろ」
人生の先輩で成功者であるアンミリを思わず敬ってしまったが、確かに自分で言っていておかしいと思った。
「結婚てどうすればできる、アンミリ!」
「話を進めるけど、レッドさんはどうしてリヴォルバードラゴンに?」
シラユリが勝手に話を進めてしまう。
おい、俺は聞きたいことが!
「っち!」
「っひ」
シラユリに睨まれてしまい、俺はそれ以上は話すことは止めた。
「それがよく思い出せないんだ。誰かに力が欲しいかと聞かれて、無いよりはいいだろうと思って、欲しいと言って……。そこからは」
「そうか、つらかったんだな」
「アンミリ様!」
二人は強く抱きしめるのだった。
ああ、ここは糖度が高い。
帰るとしよう。
「スピレイ、帰ろうか?」
「お腹すいた」
「兵士の宿舎でお肉でも焼いてもらおうか」
「お肉!!」
スピレイは両手を上げて喜んだ。
そして、色々なことを残して俺は手をつないで帰ったのだった。
俺が坑道を出る。
すると多くの兵士たちがそこにいたのだった。
しかも、ユリと小鳥が描かれた、ハーキスタ家の家紋が描かれている。
「子供がこんなところで何をしている?」
「ここにいては危険だ。とりあえず、こちらに来なさい」
兵士たちに連れられて後方へ連れていかれる。
途中で俺たちがいた教会のテントを通るが、強面の兵士たちが外を囲っていたのでとりあえず戻るのは後にした。
もう疲れたし、めんどくさいのは後回しだ。
「お兄ちゃん。お腹すいた」
「スピレイ、ちょっと待ってな」
そのやり取りを見た兵士たちは俺たちを見た後、考え込む。
「もしかして、迷ってここまで来たんじゃ」
「モンスターのせいでいくつかの集落が落ちたって話だ。その生き残りかもしれん」
「とりあえず飯を食わせてやろう。こいつらを見てたら家に残してきた子供たちを思い出しちまった」
「それもそうだな」
俺達は一際大きなテントに連れていかれると、沢山のご飯を出してもらったのだった。
「これ、美味しい」
「じゃあ、これも食べな」
「うん」
嬉しそうにスピレイはチーズを頬張った。
どうやら、チーズを気に入ったようだ。
「もっと食べていい?」
「どうぞ」
幸せそうに食べるスピレイを見ていると本当に終わったんだと肩を少し下ろすことができた。
そうこうしていると、テントの外が騒がしくなった。
「お嬢様が行くのはダメです!」
「なんでよ! もう待ってられない。いつになったら坑道に入るの!」
「先ほどの鉱山から光線の調査が終わるまでは」
「それじゃ遅いって言ってるの!」
何を叫んでいるのだろうか?
でも、この声は聞き覚えが。
「とりあえず、お茶をご用意いたしますので落ち着いてください」
「なんで、ちょっと、押さないで」
そして、俺達のテントに入ってきた。
「え? リリシアお嬢様?」
「ル、ヴァン」
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