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WRECKTHERION(仮題)  作者: montana
146/149

かの銅鑼は鳴り、この銅鑼は鳴らず

 なるほど、これだと銅鑼が鳴らされることはないでしょうか。

 変わった特性といえます。あなたもそう感じますか?

 ……ええ、セイントバードとの相性も特筆すべき事項でしょう。ホーさまのことも踏まえると、やはりあの仮説は正しいのかもしれない。

 ですが、例えば炎を与えられてしまった者たちが手にしたものとはいったい何だったのでしょう? いったい何の謂れがあってそうなったといえるのでしょうか。あれがわざわざ選別をしているとは思えません。ならばすべてはただの偶然なのでしょうか?

 ……ブラッド・シンは恐ろしいものでなくてはならない。そうですね、あの言い回しはまさにそのことを伝えたかったのかもしれません。

 そう、せめて恐ろしいものでなくてはならない。

 そうでなくば……私たちはこの不明を前に、何を寄る辺に立っていられるというのでしょう。



 いつの間にか……震えている。床だ、床が揺れている、ほんの微細な振動だが……確かに感じる、震源は競技場だろう、なにより気配が……この気配はいったい何だっ? 膨らんでいる、雷雲のように立ち籠めている、しかも巨大なエネルギーを溜め込んでいるような……いる? 上に、空に、何かがある……?

 ……案内人は入り口付近で直立不動か、この気配に気づいているのかいないのか、ぴくりとも動かずに俺の動向を窺っている……。

「……不明な存在感が座していますね」ルナが呟くようにいう「これから向かう場所は竜の口内といっても差し支えありません。これよりあなたは情報の渦に呑み込まれ混乱は必至の状況に陥るでしょうが……全身全霊で処理し、あなただけの答えを導き出してください」

 情報の、渦に……。

「……それを処理できないと、どうなる?」

「死ぬ危険性が飛躍的に高まることでしょう。あなたは実際、今夜をさして危険だと思っていないのでは?」

 なにぃ……?

「そんなわけあるかよ……! 俺はいつだって死にかけているんだぞ……!」

「ですがあまり切迫感はないようですよ」

 ……持ち前の共感能力で見抜けるって? だがそうだな……。

「……まあ、いろいろありすぎて少し感覚が麻痺しているかもしれないけれどな……」

 というか単純に眠いというのもあるが……。

「ですが今回は本当に正念場ですよ。先にもいいましたがコンポーネント・ゲームは様々な思惑が発露されている現場です。何者かが明白に、あなたに対して仕掛けてきているのですよ」

「俺に、ねぇ……」

 そういわれても、いまいち実感とかないんだよな……。俺なんぞのために……ずいぶんと無駄な労力を費やすもんだと同情したいくらいだぜ……。

「だからこそですよ。たかが外来の冒険者ごときに巨大な勢力が興味を向けているその異常性に対し、もっと想像力を働かせるべきではありませんか?」

 それはそうかもしれないが……こいつマジで俺の思考を読んでいるな……。

「……まあ、世の中もときに壮大な勘違いをするんだなと思っているところだよ」

「これまでの傾向と最近の動向から察するに、今夜はそういった勘違いをさせた面々が相手かもしれません。だとするなら、どの人物もあなたと同じく異常なほどにしぶとい者たち、そしてもっとも勘違いとは程遠い者だけが生き残ることでしょう。ならばこそ、他でもない自分をこそ信じるべきなのでは?」

「まあ、な……」

 理屈ではそうなんだろうが、どうにも俺はそういった考え方に馴染めない……実感を得ることができないんだよな……。

「ともかく行きましょうか」ルナは立ち上がる「あまり待たせすぎて心象が悪くなっても困りますし」

「ああ……」

 しかし何が悲しくて眠れもしないまま命懸けのゲームなんぞに参加しないとならないんだ……。ここにいるのが俺一人だけなら隙を見て逃げ出しているところだぞ……。

「こちらです」

 案内人……あいつの名前なんだっけ? フランクだかフランツだか……が歩き出すが、速くも遅くもない歩速でまったく体を揺らすことなく通路を進んでいく様は……なんだかあいつこそ機械みたいだな……。

「頑張ってくださいね!」

 うおっ、特派員が急に横から顔を出してきた……。

「彼らをただの機械だと考えてはいけません! ですが人間でもありません、決して人ではないのが彼らなのです、そこがとても大切なことですよ!」

「あ、ああ……」

 そりゃ機械なんだから人ではないんだろうが……。

「……父は強い」

 中尉は苦虫を噛み潰したような表情だ。パムと違ってウォルは表情がわかりやすいな。

「あのひとは決して手を抜きません、例え相手が赤子であろうとも……。大総統ですら一目置くほどですから」

「そう、か……」

 大総統……ウォルのトップあたりか? 軍の元帥ならまあそういうこともあるだろう、しかしそんな大人物がどうしてこんなところにまで……?

 ……そう、何か変だ、軍の元帥たる立場を踏まえたら……どこか軽率じゃないか? こんなところへふらふらやってきていい立場とも思えない……。

「またの名をザ・グレードウォール。ウォルの冷徹ともいわれる階級制度は今、父を象徴としその堅牢さを増しています」

 ……ああ、この巨大なうねりの渦中にあっても感じられる特異な気配がいくつかあるしな……。あるいはその一つがそうなのかもしれない。

「この事態は当然、世界中に影響を与えます……。情勢が変わる、加速し始める……。でもいったいどうして今こんなことを……? 野蛮超人が予告した日も近いというのに……」

 あいつらは本当にウォルへと侵攻するつもりなのか? あるいはその身ひとつで?

「しかし、たった三人で何ができる?」

「いえ、少なくとも十数人はいるはずです」

 他にもいるのか……! そいつらはみんなじいさんの弟子なのか……いや、だとしてもやはり十数人程度で何ができる……っと、さざ波のような音が大きくなっていく、これは歓声か……?

「コンポーネント・ゲームは歴史ある競技です!」

 うおい、この特派員はほんと急に顔を出してくるな……!

「つまりは異種族間における大会議ですから! オートワーカーの動向はこの結果いかんによって定められるのです! 頑張ってくださいね!」

 応援はありがたいが、機械人間たちが何を考えているのかわからないんだろう? いったい何をどう頑張ればいいのやら……。

「……この任務はこの時のためのもの。なにもかもが父の掌の上だった……」

 今度はしょげているし……。さっきから中尉は表情をころころ変えるなぁ……。

「それはまあ、あんたを信用していたからなのかもしれんし……」

 というか、いよいよ歓声が大きくなってきたな……! すでに大いなる気配の渦中にある、この全身が痺れるような感覚はどうだ……!

「ようやく実感してきましたか。先にもいいましたが今夜はより切迫して命懸けです」

「うっ?」

 どうした? ルナの手が、胸元に当てられる。

「今のままではとても乗り切れないでしょう。すぐに進化をする必要がある。またエリちゃんたちに会いたいでしょう? 勝たねばここで終わりですよ、なにもかも」

 エリに、黒エリに……会えない。

 勝たないと……。

 それはそうだ、最悪、死ぬんだからな……。

「哀しみますよ、とても、とても……」

 俺がここで死んだら……そこまで哀しんでもらえるだろうか?

 そうならいいがな……。

「あなたはご自身のことをさして評価していないのでしょうが私にはわかる、あなたの愛の深さが……。だからこそあなたたちの背を押したい」

 俺の……俺たちの?

 俺たちって……。

「風変わりな蟻である私に対し、あれが与えた力はこれです」

「うっ……!」

 こっ、これは……!

 何だこれはっ? 周囲に数多の……ガラス板? が浮かんでいるっ……?

「これはっ? 魔術の、盾か何かか……?」

「いいえ、そういうものではありません。名づけてハルメリアの裏窓。あらゆる情報にアクセスできる可能性のあるスペシャルです。ですがアクセスの仕方はあなた次第となります」

「俺……次第とは?」

「ナビゲートシステムはあなたに合わせて急速に成長します。それと情報を交換し、攻略の一助としてください」

「俺に合わせて……?」

「ええ、あくまであなたに合わせての成長なので使用法について私からアドバイスできることはありません」

 なにぃ……?

 ルナのスペシャルだ、おそらく有効なものなんだろうが……それより他者にも使用できるとは? いや、エリの鳥だって貸し出しのようなことができるようだったか……?

「表示されている情報や発せられる音声はあなたにしか見聞きできませんが例外もあります。情報はすべてアーカイブ化され、私にも閲覧する権限が付与されるのです」

 なんだと?

「覗き見できるっていうのか?」

「はい。ですがそれは相互的にです。あなたにも私の情報を閲覧する権限が付与されます。ですが決して簡単ではないといっておきましょう。なんせ、あなたが私の情報を閲覧する方法は私にもわからないほどですから。そして逆もまた然り」

 あくまで可能性に留まるって話か、しかし……。

「……それを信じろと?」

「この命懸けの状況に必要な疑念ですか?」

 それは……まあそうか。そもそも俺が見聞きした情報にはさして価値もないだろうし……。

「……いやいい、有り難く使わせてもらうよ」

「そうした方がよいで……」

 うっ! 通路の突き当たり、丁字路のところで人影が飛ぶように横切っていった……! 次いでじいさんの姿が現れる……!

「おうおう、吟味は命とりじゃのう。次いでのぬかりは何じゃ?」

「銃を手放さなかったことでござる!」

 ミズハ? 天井を、逆さになって歩いている……。

「うむ、即座に受けに回るべきじゃったな。格闘圏内においてライフルは取り回しが悪く」

 じいさんの姿が一瞬で消えたっ?

「あらゆる動作を遅延させるのじゃ」

 そしてまた、丁字路の先から姿を現した……左手にウォルの軍人を掴んでいる……。

「見事! 銃を手放すことに抵抗感があるのでござろうなぁ」

「軍人の主な敵は軍人じゃからな。鹵獲を避けるがゆえにハナから手放す発想を持たんのよ。しかし相手次第で保持は致命的な選択となる場合がある」

 なにやら講釈しているようだが……。

「うっ!」

 岐路に達するとその両先に数人、軍服姿のウォルが倒れ伏しているのが見える……! 中尉を裏切った隊員たちだろう……!

「おう、出陣のようじゃな」

 部屋から出て行ってさほど経っていないぞっ? じいさんに外傷などはまるでないようだ……。

「これ、じいさんが……」

 いや、もちろんそうだろう、中尉は倒れている隊員たちの首元を触っているが……表情が変わらないところを見るに脈はちゃんとあるようだな。

「……というかカヴァサンは?」

「おそらく会場じゃろうが入るなといわれてのう」

「ご遠慮ねがいますぅと苦笑いされては入るわけにはいかんでござる」

「ワッシーといえども痴れ者扱いは堪えられんからのう」

「拙者も苦手でござるぅ」

 それはそうかもしれないが、じいさんにそんな感情とか……いや、いうまいか……。

「……会場ができているの?」

「うむ、向こうは随分と派手な装いになっておるようじゃぞ」

「ぱーてぃというやつでござるかなぁ」

 そんな呑気なもんじゃないだろうがな……。

「ウルン曹長、ガバハゥ軍曹まで……」中尉だ「彼らを無傷で退けるとは……」

「まあまあじゃったが弟子とするには及ばんのう。つーか異能に頼りすぎじゃわい。強力なスペシャルほど弱点も大きいものじゃのに」

「そうなのでござるか?」

 つーかミズハ、それどうなっているんだ? 足の裏が天井に吸着している?

「暴発防止のため厳しい条件が必要じゃからの、手練れは即応させるために文句、形象などを利用するが、そのどれもが格闘術とは相性が悪い。なんせ目的が暴発防止じゃからな、訓練時を含む日常において意味のある言動であってはならず、だからこそ一瞬で決着がつきかねん近接においてこそ足枷になるのじゃ。存外デッシーのようにちんまりとした異能の方が厄介じゃったりするもんじゃ」

 ちんまり……。

 いやまあ確かに、格闘術においてちょっと電撃を出すって魔術はわりと有効かもしれないな。組み合い状態になったときとか……。

「なるほどでござるが、遠距離の場合はどうするのでござるか?」

「経験上、石などを投げるのがもっとも手っ取り早いのう。先んじて全力でブン投げるんじゃ。相手は回避か防御かともかく発動までの動作が遅れるのでその隙に接近するとよい」

 投石はいつの時代も有効と聞くが、それはそれで当てるのに技術が必要そうだなぁ。

「それでも相手の方が早そうな場合はどうするのでござるか?」

「接近できん場合はいっそ大きく距離を取って隠れるとよい。遠いほどに目測を見誤りがちじゃし、追尾するようなものも索敵限界があるものじゃ」

「なるほどでござる!」

「あとはそうじゃな、嘘くさいものほど気合でなんとかなるもんじゃ。例えば掌から火球が飛び出す。嘘くさいじゃろう? こういうものは効かんと思えば効かん」

 そんな馬鹿な……といいたいところだが、実際、野蛮超人に魔術とかは通じないんだよな。おそらくあのぐちゃぐちゃの気配……カオスパワー? か何かが魔術を打ち消しているんだろうが……。

「じいさんの弟子たちには魔術が通じていなかったけれど、あれを教えたのはやっぱりじいさんなんだよな?」

「さよう。嘘臭いもんほど効かんし、本物だと思えば何でもヤバいと骨の髄まで叩き込んでおるからのう」

 信じればこそ効果がある……か。

 それはつまり、信仰すれば実現するということにもつながる……。

 ……なるほど、例の神と魔術などの異能力を関連づけることはそう難しくないか……って、いや、おかしくないか? だとしたらルナのこれはどう解釈できる? 例のあれに対し不信感を抱いているっていうのに、あらゆる情報を閲覧できる? だかの……これまでの魔術とは明らかに一線を画すよな? 火球を放つとかよりよほど高度に思える能力だ、そんなものをどうして発現させることができるんだ……?

 そしてルナ、さっきからひとの考えていることを読み取っているお前がこういう疑念を抱いている俺に対し、何の説明も加えないのはなぜだ? お前はいったい……。

 ……いや、やめておこう、あまり疑念が増えると思考が妨げられる。ただでさえ考えることが多いんだしな……。

 しかし疑念、か……。

「……じゃあ、あのカオスパワーって……いわば信じない、疑念の力ってことだったりするのかな?」

「そうかもしれんのう。キワマラズへ至る修行はまず、ありとあらゆるものを疑い、否定することから始まるからのう」

「そうして、その先に別の境地があるって?」

「うむ」

 否定から始める……なんかそういう哲学じみたことに熱心な宗教があるとか文献で読んだことがあるような……?

「ええと、いわば……そう、悟りのような……?」

「それは知らん。しかしキワマラズは決して特別な経験ではない。簡単ではないが誰しもその門前に立つことはできるものじゃ」

「瞑想もその一助となるでござる!」

 瞑想……そうだ、修行僧がどうだとか、東方の宗教哲学だ。

「そういう意味ではカヅチはなかなかのものじゃった。普通、その境地には至れども維持が難しいのじゃがな」

「カヅチ?」もしかして「あの巨漢のこと?」

「うむ。カヅチ、ボの字、ダーシヴの三人組は死ぬほどアホじゃったが飲み込みは早かったのう」

 へえ、奴らはそういう名前だったのか……ボの字というのは渾名みたいなものだろうが……というか?

「……あれ? そういやじいさんの名前って……何だっけ?」

 思えば聞いていないような? まあ師弟関係の押しつけが厄介で当初はあんまり関わり合いになりたくなかったからなぁ……。

「ワッシーはクゼツじゃよ。九代目クゼツじゃ。元の名は忘れたわい。無駄に長くてのう」

 襲名なのか……というか元の名前を忘れることなんてあるのか?

「それで何の騒ぎなんじゃ? 武道大会でも始めるのか?」

「コンポーネント・ゲームです!」おっと特派員だ「オートワーカー協賛の大会議なのです!」

「なんじゃそれは?」

「オートワーカーと呼ばれる種族がなぜか人を攻撃する場合がありまして、どうして攻撃するのですか? と尋ねても返答が得られないのですが、それはそれとして人間との話し合いや共同作業を忌避しているわけでもなさそうですので、折を見て危険を顧みずコミュニケーションをとっている次第です!」

 それはそれとして……?

「ほう、それで何か判明したことはあるのか?」

「いいえ、なので主旨が変わってきているのが昨今でして、恣意的な目的に利用しているといった批判が増えてきていますね!」

「なんじゃそれは? おぬしはそんなもんに加担しておるのか?」

「加担というか、私は小役人ですので……」特派員は苦笑いだ「しばしば所長に直談判もしていますが、大抵はレアなお菓子でうやむやにされてしまいます……」

 いや、されるなよ……!

「まさかまさか」

 というかぞろぞろと現れたな、少佐と残りの隊員たちだ……!

「予想以上の手練れですな」

「おぬしら本当に軍人か? 隙だらけじゃし弱すぎるわい」

「驚異的な格闘家は専門外であると言い訳しておきましょうか」

「まあよい、やろうかの」

「お待ちください」少佐は手のひらを見せる「不躾でした、その実力を安易に見極めようとしたことは。ですがそれはそれとして」

 それはそれとして……。

「もし戦闘を続けるにしても、ゲーム開始後にすべきでしょうね」

「なぬう?」

「ゲームは短時間では終わりませんから。いずれにせよ始まってから判断した方がよいことも多い」

「何を悠長な……!」

 おっと中尉だ、当然というか怒り心頭だな……!

「顧問といえども命令不服従、造反先導などの罪により……」

「それも後に。どうか今は抑えて、もっと広い視野で物事を判断した方がよいと進言させていただきます、お嬢さま」

 じいさんと中尉は怪訝そうな様子だが……少佐の視線に誘導された先の俺を見やると、なにやら矛を収める気になったようだ……?

 なんだよ、俺の動き次第だとでもいうのか……?

「そろそろよろしいですか」ルナだ「これ以上、遅れると不確定要素が増えかねません、ゆきましょう」

 ああ……そうだが……。

「いいでしょう」中尉だ「それでは処分は後ほどに……!」

 それでもめちゃくちゃ怒っているなぁ……。だがそれより今は自分のことを優先せねば、進むごとに振動が大きくなる、徐々に歓声が明瞭になっていく……!

「あの先か……」

 部分的に暗がりになっている通路、その先がギラギラと輝いている、真昼間のように……!

「いよいよです」

「ああ」

「最初にルールの説明があるはず、よく聞いておいてください」

「ああ……!」

 暗がりを抜けて、通路が開ける……!

「こっ……これはっ……!」

 輝くフィールド、観客席が……満席、いやそれ以上の密度だ! 歓声が全身を叩く! 中空が瞬いている、飛び交っているのは何だっ? 大量の紙吹雪っ? それに色のついた、カラフルな煙があちこちから立ち上がっている、観客たちはやはり普通の人間のようには見えない、どれもが機械人間だろう……!

 そして、

 あいつは……!

 会場の真ん中にいるあいつはっ……!

『いよいよ五人目の登場です! 外界よりの冒険者、レクテリオル・ローミューンッ!』

 エジーネッ……!

『さあ今宵も行われますコンポーネント・ゲーム! 毎回、様々な趣向のゲームが行われ最後に観客の皆様がジャッジ! そして生き残るのは誰なのか! 今宵も目が離せません!』

 だがもはや、驚く気にもならん……!

 あいつがどうしてここにいるのか、なぜあんな役割を担っているのか、そもそもいったい何者なのかなど……!

 だがわかることもある、あの高価そうな青いドレス、すでに相応の権威者を味方にしていると考えて間違いない、この地でも通じるのか、あいつの力が……!

『今宵のテーマは……! おなじみロードゲイザー決定戦です! 古来よりたびたび現れるとされる星の語り部は運命の案内人として人々から敬意を集め、また逆に疎まれてもきました! そんなもの存在しない、大いなる勘違いだという方もいらっしゃいます! だったら確かめてみようじゃないか、死線は誰にしも平等なのだから!』

 おなじみ……? それほどまでに繰り返しているって……?

『ロードゲイザーは異様にしぶといとされています! なぜか死なない、どうして死なない? 女神に守られているから? 機先を読み切っているから? 運がすごくいいから? わかりません! ですが何かがあります、何かが起こります、己こそ真実だと言い切るならば生き残ってみせてください!』

 おいっ……俺は欠片も自称していないんだがっ……? お前らはみんな俺の話を聞かない条約でも結んでいるのかっ……?

『あっ、レクテリオルさん! さっさと席に着いてくださいね!』

 はっ? えっ、あれか、なにやら派手な色彩の教壇のような机と椅子がある……し、ここに収まれって……?

 ……同様のものが他にも四つ、等間隔に円形を成して並んでいる、それぞれに人影があるが……彼らもまたこのゲームの参加者なんだろうが……あいつらは自身をロードゲイザーだと思っているのか? だったらそれでいいよ、お前らだけでやっていろよ……!

『今回は観客参加型となっております! ルールは単純、選手の皆さまはその場で演説を行い味方を増やしてください! 味方はそのまま戦力に繋がります! つまりみなさんの軍隊となります! そうして敵対する勢力を殲滅すれば勝利となります! ただし選手は必ずしも殺害する必要はありません! ですが生かしておくことは決定戦の趣旨に反するといえるでしょう! その点は考慮してくださいね!』

 味方、軍隊っ?

 この、観客たちが……?

 おい味方にするって、まさかこの……周囲の機械人間たちをかっ?

 ちょっと触るだけでもヤバいような奴らを味方に? おいおい話が違うっていうか想像の埒外すぎるんだがっ?

『観客の皆さまがどこへと組み入るかはもちろん自由です! 配布されたステッカーで自身の所属を表明してください! なおステッカーの張り替え、つまり寝返りもまた自由ですが張った状態では選手同様、いつ標的になるかはわかりません! 後悔のないようご参加ください! ちなみに同時に貼って効果を発揮するステッカーの数は四枚までです! 五枚だと中立状態となります!』

 ステッカー……あるわ、なんか俺の机の上に束になって置かれているわ……。俺の名前とともに、俺を模した簡易なキャラクターが描かれている……。

『それと所属はあくまでステッカーでもって表明されます! 貼ってないけれど実はあの選手を応援していましたは通じません! ですがそれを踏まえてなお実行するならば止めません、止めようがありません! それを踏まえてみなさん、周囲の動向にも気を配りましょう! スパイはあなたの隣にいるかもしれない!』

 ステッカーなんかで所属を表明……?

『何もつけていない場合も中立です! 中立状態での攻撃は……もちろん自由ですが、同時にかなりのマナー違反だとみなさんおわかりですよねっ? やめておいた方が無難です!』

 機械人間たちは拍手をする……が、お前たちはそれでいいのか? 機械とはいえなんか種族のような感じなんだろう? 戦い……死、破壊、いずれにせよ怖くないのかよっ……?

『武装も自由です! ですが用途用法をお守りになってご使用ください! 自らが推す選手を殺害してしまっては元も子もありませんからね! 広域破壊兵器のご使用は推奨いたしません!』

 広域、破壊……って、いや待て! そもそもだ、この機械人間たちが俺たちを皆殺しにしないとどうしてわかるっ? 大型爆弾で一網打尽にされたらどうするんだ! あいつらがそうしないって確証があるのかよっ……?

『選手と司会であるこの私を除き、人間、動物などの生命体が本ステージ内へと侵入する行為を固く禁止します! ステージとはこの競技フィールドのことです! 侵入の定義は放った異物にも拡大されます! 例えばフィールド外の人物が唾を吐いたとき、その唾がフィールド内に入った場合でも侵入とみなします! もし割入ったと確認された場合、Aランクの標的と確定されます! しかも期間は無期限です! つまり確実に抹殺されまーす! これに例外は一切ありません! そうです、エンパシアであろうともです!』

 エンパシアであろうとも……!

『なお翻訳機、検索機、通信機などの使用はすべて許可されます! 妨害工作も存分に行ってください! 敵対勢力を封殺し、確実に抹殺しましょー!』

 エジーネ……!

 お前は……!

『加えて選手の皆さまには終了まで範囲外へと出ないよう進言いたします! 範囲とはこの建物全体を指します! つまりおトイレやお食事、ご就寝などでの一時退席は自由です! ですがその間はゲーム中断となりません! 発言の機会が少ないほど不利になる傾向がありますので、リスクをご承知の上、存分にご利用ください! なおその身の安全を守る手段はご自分でご用意なさってください! ちなみに範囲外へと出た場合には強制的に失格となり、やはりAランクの標的となります! お気をつけくださいね!』

 なるほど! そういうことか……! あの少佐、まったくの敵ってわけでもなさそうだぞ!

 おそらくだが、これは機械人間を仲間にするゲーム……というだけではない! 正確にはすべての戦力を仲間にするゲームだ、それにはきっとあの少佐たちも含まれる……!

 つまり先の言動は味方になる可能性のある対象をいたずらに損耗させるなというアドバイスだった! もちろん説得できればの話だろうが……!

 そしてエジーネ……!

『さあ、選手のご紹介です!』

 わかるぞ、司会であるお前もだ、仲間にしてみろと、助けて欲しいとお願いしてみろと、そういいたいんだろう……!

『始まりますよ!』ルナからの通信だ!『集中して!』

『ホワイトサム司祭! バスカスター・ロイメル!』

 中央の馬鹿でかい画面に大きく映る! 金髪の壮年、俺と同じフィンだ! 白を基調とした祭服、ホワイトサムのお偉いさんがこんなゲームに参加をっ……?

『いつもお世話さまで恐縮です、バスカスターでございます! 今宵は稀有なる機会を与えてくださいまして……』

 声が会場内に響くな、というかなに、自己紹介とかあんのかよっ?

『バスカスター・ロイメル。ホワイトサムにて異例の出世を果たした男です』ルナだ!『あのようにフランクな口調が特徴で、人心掌握が得意な反面、批判者も多いようですね。ホワイトサム内部からもたびたび糾弾されているほどです。至る所に出没し民衆に向けて直に演説、説法を行うことで有名ですが、命を狙われるケースもありました。そのたびに界隈では大きな話題となっています』

「狙われるって、どうして?」

『歯に衣着せぬものいいが騒乱を呼ぶからでしょうか。それに人種的な問題もあります。ハイ・ロードはフィンだと断じているピュア・ブラッド派閥と親交があり、当人は選民的思想を否定していますが、そうは思っていない者も相応にいるというわけです』

「あれっ、ハイ・ロードって人種不明なの?」

『はい。どこも自分と同じ人種だと信じていますね』

 へえ……? なんか……白髪に褐色肌だとは聞いたことがあるがな……。

「なるほど……」

『……いずれにせよ私の言い分はシンプルです!』しかし饒舌だな、緊張とかないのか?『要たる主に敬愛と服従の念を! ご静聴ありがとうございました!』

 会場内から拍手が響いているが、あいつらみんなホワイトサムなんてことはないよな……?

『そして次は無差別テロリストグループ真紅の鷲、その代表たるイザベラ・プリメーラ!』

 ……なに、テロリストだと? ウォルの女だ、灰色の体毛、髪は短めだが顔を下から覆うように伸びている、そしてなにより目つきが……目が完全に据わっている……。

 雰囲気でわかる、あいつはまともじゃない……!

「……またウォルのテロリストか」

 野蛮超人もつまりはそうだろうしな。

『実際、テロリストは割合的にウォルが多いのです。厳しい階級社会ゆえの暗部でしょうね』

『心外ですね、そのような統計データは確認されていません』おっと中尉だ?『イザベラ・プリメーラは偽名であり、本名はウェーヴ・アーヴル、有名ギャロップメーカーであるヴォース・ヴィの最高経営者であるワウル・アーヴルの孫娘です。とあるモーターショーにてワガースという新型ギャロップに搭乗し、その場で殺戮の限りを尽くした過去をもちます』

 なにぃい……?

『犯行理由が特異で、彼女いわく目を瞑ると地獄が見えるから、とのことです。そして逮捕、拘留され公判を待つ身となりましたが、拘置所が何者かに襲撃され脱走、以後、無差別テロリストとして悪名を馳せることになります』

 なにか……いろいろと意味不明だし不気味だな……。

『各国の心療界隈では地獄が見える、感じる、呼んでいるなど、奇妙な症例の報告が時折みられます』ルナだ『これらは総じてヘルセンシズと呼ばれ、なかには彼女のように凶行に走る者もいるようです』

 つーか、あの女、うんともすんともいわないな……。

 会場が徐々に……静かになっていく……。

 あの女は……ただひたすら目が据わっている……って、その近くが破砕したぞっ?

『攻撃ですね』ルナだ『発言をしていないからでしょう。ですが威嚇射撃に留まったようです』

 しかしテロリストの女はまったく微動だにしない……。

『ミサイルからおむつまで! 世界を股にかけるスーパー商人! ヨ・ズハー!』

 ぼさぼさ髪、ラフな雰囲気のギマの男だ。今度は商人か……。

「よう! 暇だから来てやったぜ! 欲しいパーツがあるならすぐさま注文してくれよな! 今夜は派手に99パーセントオフだ!」

 うっお……! 一転してものすげぇ歓声だ……!

 機械人間もショッピングには興味あるってかっ……?

『顔の広さでは世界十指に入るであろう商人です。先ほどの紹介はまったく誇張ではなく、盗まれた有名絵画から中古の便座カバーまでなんでも取り扱います』

「しかしどうしてそんな男が……」

『商売柄、敵も多いのでしょう。彼は同じ商品を都度、違う値段で売りつけます。ものによっては百万倍以上も値段が違うこともあります。例えば飴玉を買う値段で兵器を売りつけるとしたら?』

「なるほど、ヤバいな……」

『彼は平然とそういったことをしてきました。情勢が歪み、彼のせいで紛争が起こったことすらあるほどです。ある意味、彼もテロリストといえるのかもしれません』

『我々も常に彼の動向を見張っています』中尉だ『暗殺命令が幾度となく下ったという噂も聞きます。しかし誰も殺せなかった。身につけている機器や小物のどれかがスーパーレリックなのではないかと噂されています』

 経済を好き放題に転がす手出しできない商人……か。

『さらにさらに! 国間連合体、国家近傍調停理事会、和平推進委員会書記官、ヴァルザック・ベィードゥ!』

 国間……何だって? 黒髪を固めた……またもフィンの男だ。高価そうなジャケット姿、デヌメクの奴に似た雰囲気だな。

『また出てきましたね、アメーバトルーパーです』

「……なにそれ?」

『行動意図が不明の武装勢力です。以前、交戦したことがあるでしょう、あれの管理部門の人材です』

 ……ええ?

「知らないが……?」

『私と初めて会ったときですよ、所属不明の部隊と交戦したでしょう? あれらがアメーバトルーパーです。彼らは無自覚なまま傭兵として使い潰されていますが、実際的には行動が厳密に管理されているマリオネットなのです』

 なにぃ?

 ええっと……ああそうだ、ヨデル・アンチャールだ、元老の配下だが見限って裏切った男が雇った傭兵たち……。

 しかし実情は……?

「……で、あいつが人形遣いってか」

『そうです。アメーバトルーパーはいずれにせよ無自覚なのが特徴で、人間ではないものも多数、紛れているとされています』

「人間ではない?」

『肉体はそうですが、脳髄が機械なのです。操り人間、もしくはマニュピレートマンと呼ばれます』

 なにぃいい……?

「そんな、残酷なことを……」

『セルフィンやオルフィンなど原住民を除き、この地のフィンは大抵が怪しいといっていいでしょう。確定的に違うと断じれる人物は思いのほか少ないと噂されています』

 はああ……?

「おっ前、急に怖い話をぶっ込んでくるなよ……!」

『こんなものは序の口です、いちいち驚いていたら身が保ちませんよ。ちなみにあなたは違うのでご安心を』

 俺……は、違うって……。

「……どっちの意味で?」

『落ち着いて、ちゃんと人間だということです』

「それで……違わないのもいるって……?」

『いうまでもなくエリちゃんたちも違います』

 そりゃあ……そうだろうが……。

『ワルド・ホプボーンも違います。彼は四六時中クルセリアの監視下にありましたから、彼女が手出しなどさせないでしょうし』

 まあ……それもそうだろうが……。

『あとはなんともいえません。対エンパシアの措置がなされているのか、精査するには労力がかかるので』

 はあああっ……?

「おいおいおい、他の奴らもやってくれよ!」

『いったでしょう、精査には労力がかかるのです。それに時間も。私はそこまで暇ではありません』

 おいおいおいっ!

「ア、アリャはっ?」

『慌てないで、セルフィンも例外だといったでしょう。彼らはなにかと保護されているのですよ。ゆえに戦艦墓場の一件はなかなかに際どかったといえますし、ニワトコないしホーリーンの凶行も実際かなりの大問題で……いえ、今はいいでしょう、とにかく怪しいのは外来出身者のみです』

 えええ……?

「なんで外来……」

『だからですよ。あなたたちを下等な人種とみなしている勢力があるということです』

「下等……って」

『もちろんそう見なしていない人々もいます。中尉さんなんてウォルでは珍しい方ですよ。あそこはとくに上下にうるさいですから』

『同じ人間なのですから当然のこと、とはいいません』中尉だ『個人的な信念はありますが、それも半分だけのことです。残り半分はそう、レクさんとは……良き隣人になれると思えたからこそ、協力関係を継続しようと判断できたのです』

 良き、隣人……。

「それはありがたいが……いったいどういうところが?」

『……あなたの視線、仕草、声音……一挙一動が私を案じているのだと思えたからです。こちら側の高慢な物言いから始まった関係なのにです』

 いやまあ、だってお腹痛そうなんだもの……。

『ここでルナクイズです』いきなりなんだよ!『あなたに対し優しくしてくれる人がいたとします。その人物が望んでいるものはなんでしょう?』

 はあ……?

 ええ……?

 なにって……。

「自分との交友……ってのは早計だわな。単なる平穏、平和かもしれない。あるいは見返りかも。つーかこんな話をしている場合か?」

 ベィードゥとかいう奴がなんか演説しているが……。

『さすがはレクさん』何やら満足げだが『その通り、相手が自分のことを好んでいると考えるのは早計です。むしろ苦手だからこそ悶着を起こしたくないと考え、だから穏便に接しようとする。そしてその方法がわかりやすい優しさであった、という可能性は充分にありますよね』

「……そこを見誤ると争いに発展するとでも? 極端だな」

『いいえ、ことの本質です。敬意や配慮、優しさが望まぬ結果をもたらしたときの憤懣は恐ろしく根源的なものです。そのとき人は決別の銅羅が鳴ったと理解する。そうすればことはスムーズです。なぜならもう相手は自分と同じ人間ではないのだから』

 ……恐ろしいことを言い出しやがったな。

『外来人はそれを理解していない。だから狩られるのです。あなたたちもまた獣なのだから』

 ……俺たちが、俺たちも獣、か……。

 ……ここで反発はできる、俺たちも同じ人間なのだと。

 しかし必要なのは相手の了承だ、独りよがりな感情ではない。

「……じゃあなんだ、冒険者が歩くハイロードは……あれは外来人に赦された、ただ一つの道でしかないと?」

 うぇーあ……と、うなるような声だ……。

『ああ、素晴らしい。あなたはときどき本当に賢いですね。そうです、その通り』

『いいえ……!』

「それ以外の場所には行くな?」

『その通りです』

『いいえレクさん、違いますよ……!』

「ではどうして……」

『あなたたちは死んでいないか? それがわからないからこそ、あなたはここにいるのです』

 そういう……ことか。

『礼節をわきまえない野蛮人が我が物顔でデリケートな緩衝地帯を練り歩いてよいはずがないでしょう。ですがあなたたちは赦されてきた。ええ、スーパーコンサルタントの助力は大きかったでしょうが、それでも赦されてきた事実もまた大きい。ご自身の特別さが理解できましたか?』

「ああ……」

『あなたの物言いは……!』

「いや、いいんだ……」

 こうはっきりいってもらった方が助かる。

 それに俺が部外者であるという意識は確かにあった。

 なにより、いずれにせよ俺を認めてくれているんだ、この地にとって興味深い存在であると、それが本当でも勘違いでも嬉しいと思うべきではないだろうか。

『ですがそう、レクテリオル・ローミューン一行は違った。誰もが賢く豊かな人格を備えていたし、なによりしぶとかった。私たちはあなたたちに心より敬意を抱いています』

「……ありがとう。それで……」

『そして最後は冒険者レクテリオル・ローミューンです! さあ自己紹介をお願いいたします!』

 おっと俺の出番かよ、あれこれあってなんにも考えていないぞ……!

 でもまあ、自己紹介か……。

 ……まあ、気負っても仕方ないしな……。

「俺は……」

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