強さの定義
森羅万象はありとあらゆる強さで成り立っている。
膂力、思考力、精神力、行動力、洞察力、発想力……。
誰しもが特有の強さを持ち、絶対的な強者も弱者も推し量りようがない。
ほら、そこいらの子供だってそうさ。知力体力ともに取るに足らなくとも、その無垢さ、将来性と庇護欲をそそらせる容姿において感情を刺激し、比類なき魅力を演出している。それもまた強さなのだ。
そう、そこにあるのは純然たる強さのせめぎ合いに他ならない。
あなたのように、子供の庇護を大人としての義務だと認識を複雑化させることは強さの所在を曖昧にし、その神聖視の強度を上げればこそ、やがてはその義務感の本質をも見失わせることだろう。
とはいえ感情とはよいものだ。
生命の進化はやがて感情という発現を迎えた。
感情はやがて心に至り、心は表現を生んだ。
表現には魂が宿るという。
そしていつか魂が生命へと還るのだとしたら、それは素敵なことに違いない。
◇
ソルスファーは身構えている……どう動く? 先読みができるとはいえ、確実に対応できるとは限らない。
だがそもそも、彼と戦うことは得策か? 価値観の違いはさておき、どうにも悪人とは思えないし、それになによりセルフィンだ、あるいはということになった場合、アリャを始め、彼らと遺恨を残すことにならないだろうか?
事態は火急だが、慎重さを欠いていい理由にはならない……って、またゼラテアだ? 俺たちの間に割って入ってくる……。
『充電、充電』
充電……?
『電池切れを起こしたら大変だろう? 私と話せなくなる』
いや……まあ、うん、そうだな! 忠告は痛み入る。たしかにこの状態には時間制限があることは事実だ、以前よりだいぶ長くなっているとは思うが、さすがにそろそろ時間切れしてもおかしくはない。
とはいえ、ここで二度掛けをするのも最善とは思い難い。三度目がヤバいってのは体感済みだし、二度目はヴァッジスカルと戦闘をする直前までとっておきたいところだ……というかさ、
「……お前、そこに突っ立ってたら邪魔だろう、いまは戦闘中なんだ」
『そうかな? 彼は何者かと話している君に興味を抱いているようだよ』
……たしかに、依然としてソルスファーは動かない。そもそも敵意もあまり感じないな、どうにも向こうから攻めてくる様子はないようだ……?
……もしや、目的は時間稼ぎなのでは? ヴァッジスカルはまだダイモニカスを完全には掌握していないらしい。俺が邪魔ならさっさと防衛システムで攻撃を仕掛ければいいものを、それをしないのは任意では上手く動かせないからだろう。実際、奴が放ったであろう光線はジュライールをかすめたしな。
つまり誤射をして味方を殺す危険性があるので、おいそれと防衛システムを動かせないんだ。しかしそこに疑問がある。仲間を巻き込まないようにするなどまったく普通のことだが、奴が友情とか仲間意識のような感情で他者を案じるわけもない……。
……あるいは、いま奴は無防備な状態にあるのかもしれない?
奴がどこにいるのか不明だが、おそらくダイモニカスの内部だろう。それでいて我が身を案じるということは、内部への侵入が可能であり、そうされてしまうと無防備に近い状態に陥ってしまうということ、では……?
どうやらニューのハッタリが思いのほか効いたらしい。制御不安定な防衛システムをわざわざ稼働させたんだ、奴にとってもニューは極めて脅威なのだと見るべきだろう。おそらく大佐が現れた時点で警戒はしていたんだろうな。お陰で奴の状況が推測できた、彼女には感謝しきりだ。
ソルスファーは相変わらず動かない。ジュライールへの警戒も怠ってはいないが、レキサルの様子を見るに、奴もまた積極的には攻撃を仕掛けてはいないようだ。時間稼ぎの線は濃厚だな。
……などと考える余裕はあるが、実際問題、時間はないな。どうする……?
「……ニプリャ、奴らを蹴散らしてくれないか?」
ソルスファーがピクリと動いた。やはり彼女は脅威か。
「なんで?」
ニプリャは首をかしげる。そうか、奴らを敵とは認識していないか。一応、お前も銃撃されたんだがな……。
「奴らの仲間が足元のデカブツを我が物にしようとしているんだ。もしそうなったら世界中に多大な被害が出るんだよ」
「ふーん」
ふーんときたか……。
あんまりやりたくないが、彼女を引き合いに出すしかないか……。
「……そうしたらあれだ、レクテリオラも……哀しむんじゃないかな……?」
ニプリャはまた首をかしげ、
「レオラのこと知ってるの?」
まあ……やはりそうくるわな……。
「……まあな。お、おてんばなひとだったよ……」
ニプリャはくすくすと笑う。
「そうなんだよねー。一緒にいて楽しいんだ。早く会いたいなぁ……」
……やはり、なにか変だな? こいつまさか、レクテリオラが死んでいることに気づいていないのでは? もっといえば、自分が殺したことすらも……。
それとも死してなお、また会えると踏んでいる? ロアでのことを思い返せば不可能だとも断じれないが……。
「それで、手を貸してくれるか?」
「どうしようかなー、外界がなくなったらまたこっちに遊びにくるかもしれないしなー」
くっ、そういう考え方をするのか……。
こいつは厳しいな、外界などなくなった方が彼女にとって都合がいいんだ、説得は困難かもしれない。それに、これ以上深い話をするとヤバそうなんだよな、どうしたものか……。
『まだやってるのかい? まったくしつこい奴だねぇ!』
うおっ? なんだ、またヴァッジスカルの野郎かっ!
『お前はなんにもわかっちゃいない。生物としての強度は俺さまたちが遥かに上なんだよ。つまり人類のためを思えば生き残るべきは俺さまたちなのさ! それになによりだ、お前が守りたがっている者たちにとってはどちらも似たようなもんなんだよ。俺さまたちが残ろうが、お前たちが残ろうがね。まあ、お前たちの方がずっとマシってのはそうだろうが、そもそも奴らを慮ること自体が無価値なことなのさぁ! 奴らはいずれ絶滅する運命、守るだけ無駄なことなんだよ!』
「何の話だ? たわ言に付き合っている暇はない!」
『……ああそう、お前、奴らのことは知らないのか。すぐ側にいたのに』
……いた? 誰が……?
「……奴らとは?」
『それはもちろん……』
『強さの定義について』
ゼラテアが話に割って入ってきた……。
『優しく弱々しい、思わず庇護したくなる存在……例えば子供はみな可愛いものだ、少なくともあなたたちはみな口々にそういう』
なに、子供……?
「おい、いまは奴と話をしているんだ」
『しかし、それもまた生存戦略の一環、強さなんだよ。あなたたちは感情において、それに対する対抗力が極めて低い』
「いや、待て……」
『待てない。あれの印象を我々そのものと誤解されては困る』
「……困る? 同じブラッドワーカーだろう?」
『所属を同じくすれば同様の人間かな? 近似はイコールではなく、そもそも観点が側面的かもしれないだろう? 私がブラッドワーカーに入ったのは死体が欲しかったからに過ぎない』
「……死体を?」
『死と生命の研究が私の興味なんだ』
……そういや、よくわからんツギハギ男を使役していたなこいつ。あれが研究とやらにも関係しているんだろう……。
『つまり、我々は客観的に強さを把握できるという話をしているんだ。嗜虐的な趣向はまた別の話というわけさ』
「……お前はヴァッジスカルと違うって?」
『クルセリアとヴァッジスカルもまた違うだろう? 彼女もまた嗜虐的な趣向をもたない。ワルド・ホプボーンの強靭性と脆弱性を正確に分析し、ゴッディアを滅ぼすことで彼を支配するに至った。悲劇的じゃないか、そうしないとゴッディアという環境とポージェンヌ・プランタに勝てなかったんだ。必要なことだったのさ』
なにぃ……?
「それでどうなった? けっきょくワルドの憎悪を受け、戦うハメになっている!」
『最後は自身の死で幕を閉じる。むしろ被虐的といえるかな』
「同情するには難しい」
『いいや、君はすでに同情している。そのような同情心の誘引また強さだ。そしてその同情心に振り回されないこともまた強さだ。あの竜や兵隊たちも各々異なった強さの形をとっている』
強靭な個体に組織的な強さ、あの癒しの鳥? もまたある意味強者なんだろう。……ふん、各々違うタイプの強さってやつを集めたってのか。
『美女と筋骨隆々の男、それに商売の達人はそれぞれ別のベクトルだが、どれも同じく強者だ。そして先にも述べた通り、子供もまたそういった強さを生まれながらにして備えている』
「……大人に自らを守らせる力があるって?」
『そう、庇護欲の誘引だね』
「だからどうした、子供を守ることはすべての大人の義務だ。そこに疑問が介在する余地などないだろう」
『我々には、そこにあるのは強かさのせめぎ合いだと認識されている』
「わからないな、赤ん坊が無類の強さをもつことに何の疑問がある? それでいい! 俺はそのことをすっかり肯定する! だからこそっ……!」
『平然と手にかける輩が憎い? 絶対に赦せない?』
ふとゼラテアは微笑む……。
『生命は進化を経て感情を発現させた。はてさてひとつ質問したい。君にとってはとても残酷に感じるであろう質問だ』
なんだよ、いったい……。
「というか、お喋りしている状況じゃ……」
ソルスファーは観察をするかのようにこちらを凝視し、ゼラテアは構わず話を続ける……。
『痴呆を発症し、日々奇行を繰り返し、夜な夜な自身の糞尿を食らう老人と、極めて理知的で情深い人格を有する石ころ。君はどちらを人間と認識する?』
「なにぃ……?」
こっちはこっちで訳の分からん話になってきたなおい……!
『日々、社会に必要な業務をこなし、時々冗談を口にするコンピュータと、社会に関わろうとせず、日々、悶々と悩み続ける哲学者、さてどちらがより人間らしいだろうか?』
そんなの断じれるわけが……。
『私は後者をより人間と認識する。君のように怒り足掻き悩む者など特に素晴らしい』
「……そしてそうやって俺をからかっているってか?」
『いいや、あなたに興味があるだけだよ』ゼラテアは頬ずりをしてくる……!『さて、そろそろ機も熟す頃合いだ。ほら増援がやってきた』
なに? 見ると遠くからまたあの兵隊たちを連れた航空機がやってくる……! これで合計三十体近い数になるが……!
そして増援の降下と同時にドラゴンと戦っていた兵隊たちが移動を始めた、その半数が戦いでボロボロになっている。
退却するのか……と思えば、どうにも目的を持って移動しているようだ? しかもこっちの方にやってくる? どこに行く……そうか!
奴らは自分たちで修理するらしい、ということは部品を探しに行くんだ、そして部品はどこにある? この足元の全部がそうだ!
しかし、装甲を剥がして加工するのはいかにも困難、ならば当然、内部に侵入しようと試みるはずだ、つまり兵隊たちに付いて行けば……!
……急ぐか! ソルスファーと距離を取り、身構えているレキサルと背中を合わせる!
「レキサル、あの兵士たちを追うぞ……!」
「……なんだって?」
「こいつらの目的は時間稼ぎ、構うだけ無駄だ、ヴァジスカルを最優先で行こう」
「そうだね……そうしよう」
「いいか、警告や威嚇をされない限り兵士たちと密着し行動を共にする。絶対に攻撃はするなよ」
「そこは賭けというわけか」
「ああ、だが分はある……!」兵士たちが近くを通っていく「よし、行くぞっ!」
兵士たちの元へ走る、ソルスファーはまだ動いていない、
『ぬうう、どこに行く、虫ケラどもがァアアアアッ!』
おおっとドラゴンまでついてくるか! だがやむを得まい!
「竜がやってくる……!」
「奴の足止めは増援がやるはずだ!」
ソルスファーはようやく動き出すが、歩いて追ってくるようだ、どうやら何が何でも阻止する腹づもりではないらしい……が、ジュライールの方から銃撃がくるっ!
「レキサル、屈めっ!」
俺たちは同時に姿勢を低く、その直後に銃撃音! ガキンと音がした……!
兵士たちが……一斉に同じ方向を向く……!
……うおお、やったなジュライール……。
お前は終わりだ……。
ソルスファーは肩をすくめている。やはり兵隊たちのことを知っていたか。
攻撃を受けたものの、兵隊たちは足を止めない。修理を優先するつもりらしい。
しかし……顔は依然として一方を向いている。敵であるジュライールに向けられているものとはいえ、無機質な殺意に背筋が凍るぜ……。
『チッ……涌いてきたか!』
ドラゴンは新手の兵士たちと交戦を始めた、そして移動する兵士たちの目的地だが、どうにも展開している装甲部位、破壊された砲台の方へと進んでいくようだ? ジュライールの追撃はない、追っても来ていない……。当然だ、兵隊たちのことを知らなくとも、あんな反応を見せられては近づけまい……。
案の定、兵士たちは砲台の元に集った。そして二体が屈み、残りは警備の体勢をとる。どうにも砲台の付け根部分にハッチがあるようだな? あそこを開けるつもりか。
さて、ジュライールの方に得物を向けておこう。警戒はもちろんだが、敵の敵は味方的な理屈で兵士たちに敵ではないアピールをしておきたい。通じているのかいまいち不明だが……。
「あれは?」レキサルだ「また何か……」
確かに、遠くからまた航空機、さらなる増援か……? とも思ったが、兵士たちのそれとは異なる雰囲気……って、違う! あれは奴らの増援だ、このビジョン、まさか!
「……攻撃だっ! ミサイルがくるぞっ!」
いち早くその場を離れる、猛烈な速度の何かが飛来してくる、しかし中空で爆発したっ? ……兵士たちが迎撃したのか! ミサイルは幾度も発射されるがすべて迎撃、しかし……!
「次は銃撃だっ! 物陰に隠れろ!」
俺たちは砲台の陰に隠れる、しかし兵士たちは光の壁を展開、銃弾を防御している!
通用しないと判断したのか攻撃は止み航空機は遠目に着地、そしてジュライールの気配が航空機に接近していった。
しっかしあのアホども、自分らが何に攻撃しているのはわかっていないんだろうな……!
そして複数人の人影が降りた、まあ間違いなくブラッドワーカーだな……って、奴らは……! それに悠然と歩いてくるあいつ……!
「オイオイオイオイ……マジかよ、こんなところで会えるとはなぁ……!」
あいつは……! 宿の地下で戦った野郎、生きていたのか……! 以前のとは異なる機械の腕を付けている……!
「おやおや、雪辱を晴らすときだな」
そしてあのシューと戦ったコートの男もっ!
「……ドラゴンだと? それにあれはアテマタか? なんだこの状況は……?」
さらに青い服の……あれ? あいつ、フェリクスが以前に着ていた軍服と同じものを身につけている、ということはエシュタリオンの軍人……? というか、どっかで見たような……?
「はん、それよりこれの奪取が最優先よ! アンタたち気張りなさい!」
そしてピンク色の軍服を着た……大男……。
いや、というかまだ何かくるぞっ……? 航空機、一人飛び降りたっ……?
「うぉおおおおおおおおっ?」
絶叫を上げて降りてきた奴が近くに着地したっ?
「くそっ、なんてことを……!」
あれは、あいつの格好は……! それにこの気配……!
「あら? コマンドメンツですって?」大男だ「誰か聞いてるぅ?」
「知らね! さっさとおっ始めようぜ!」
「お待ち! ジュライールさまぁ!」
ジュライールは肩をすくめた。奴はいつの間にか航空機に乗り込まんとしているが、まあ、いまは逃がしてやる。いずれあの兵隊たちが倒してくれるだろうからな……。
「ちょっとアンタ、なんの用なのっ?」
コマンドメンツは大男を無視し、こっちにやってくる……。
「お前はいつぞやの……」
この声、やはりあの強酸男……! これはヤバい、かなりヤバい! 奴の能力は洒落にならん、広範囲に影響を及ぼすあの霧は予知したからといってどうにかできるものじゃない!
黒エリなら相性の問題で戦えるが、いまはニプリャだし、力を貸してくれるかはわからない……というか彼女、いつの間にか砲台の上に座って足をぶらぶらさせている……。
ええい、口先でなんとかするしかないか!
「待て! ここにいるのは軍隊蟻とか呼ばれている奴らだぞ! 下手に強酸をぶちまけてみろ、破滅するのはお前の方だからな!」
強酸男は腕を組み、こちらを見回す……。
「そのようだな」
しかし、どうにも敵意が薄い……? 以前と比べてかなりの薄さだ……。
これはおかしい。軍隊蟻がいるのでやる気をなくしたのか、あるいは最初から俺たちを狙ってきたわけではない……?
……と、そこで背後から物音、ハッチを開けることに成功したようだ! 兵士たちが次々と侵入していく!
「レキサル、いくぞ! 奴らから離れるな!」
「あっ、ああ……!」
レキサルが先にハッチに飛び込む、だがその前に来るっ!
「オオラァアアッ!」
あの電撃バカ、すごい速さでかっ飛んできやがった!
「今度はさらに高電圧だぜぇ……!」
バチバチと腕から放電が……! おいおい何にも学んでねぇなこいつ!
「今度こそイッちまいなっ!」
「バカがっ!」
予知者相手に真っ直ぐ突っ込んでくるなっ! 右手を掻い潜り、カウンターで奴の顔面をブチ抜くっ!
「がぁああっ?」
「構っている暇はない!」
俺もハッチに飛び込む!
「あっ、おおおいいいいいっ? 待てコラァアアアアッ!」
着地、内部は……狭い。前傾姿勢じゃないと進めない。無数のパイプが通っており、それがかろうじて通路状を保っている……。
「こっちだ」
レキサルだ、先導するように通路を進んでいく……と、奴が入ってきた!
「おいコラてめえ! 俺と……ッテ!」
直後に奴は立ち上がり、天井に頭をぶつける!
「……ッテーなコラァアアッ!」
奴は天井を幾度も殴る……。あれ、こいつこんなアホだっけ? 俺がバスターを構えると、奴は硬直する……!
「バカかお前は、後先考えずに入ってきやがって……!」
「チッ……! 誘い込みやがったな……!」
いや、勝手にお前が窮地に陥っただけだ……。
「ケッ、お前のそれとオレの電撃、どっちが速いか勝負でもするかよ?」
「いや、俺、電撃効かないんだけど……」
「やってみなきゃ分からねぇだろうがっ!」
くるっ……が?
「このおバカっ!」
おっと一瞬で奴が消えた、大男に引き上げられたな!
まあいい、構っていられん!
「よし、急ごう!」
俺たちは先に進む、なんか後ろから「テメェエエエエー!」と怒号が聞こえるがどうでもいい。
さて兵士たちはどこに行った? 奴らはある意味最高の盾だ、逃す手はない。
ややして背後より気配が四つ、動き始めた。ということは強酸男は来ていない? それともジュライールの元に一人残ったか?
道は多岐に渡って分岐していく。遠くから電撃バカの怒号が響いてくる。しかし距離は離れていく、こちらを見失ったな。
……さて、残る問題はどうやってヴァッジスカルを見つけるかだな、どうしたものか……。