41/44
第二期 第14話:最終審判《余白の未来へ》・前編
《セレスティア・ホール》に響いた判定の鐘は、全世界に響き渡った。
神々の再定義により、《偶然》と《選び直し》は、新たなる“運命の基本権利”とされた。
だがそれと同時に、神々の間に立つ“理路神ケイネス”が口を開く。
「再構築には代償が必要だ。この世界はあまりにも歪みすぎた。
秩序を保つためには、一度《全記録》を白紙に戻すしかない」
「な……!」 アリシアが絶句する。
「それじゃ、トーナメントも、シェード・キャンパスも、あの戦いも……」
セリーヌが歯を食いしばる。
ミラ姉さんが静かに呟いた。
「私たちが歩いてきた道が、消えちまうってのか……」
だが、その時だった。
パンの香りが、ホールに漂った。
ユウトの足元から、転がった“ひと欠けらのパン屑”。
それが、神々の《再構築装置》に干渉した。
《運命の余白干渉確認》
《強運因子により、記憶保全領域を確保》
「……ああ、なるほどな」
ユウトは静かに笑った。
「俺だけが、“余白”にいたんだ」
光に包まれ、すべての記憶は書き換えられていく。
だがユウトだけは、その中心で、パンを握りしめたまま、
“世界のリセット”を見届けていた。
──次回、最終話《余白の未来へ》・中編:忘れられた日々、焼き残った奇跡




