第二期 第4話:奪還せよ!バザーで燃えるパン争奪戦ッ!!
世界学園連盟で開催される最大級の交流イベント──《ワールドバザー》。
各学園の出展が並び、技術・芸術・食文化が交差する一日限りの大祭。
しかし、今年は様子が違っていた。
「パンが……出展品のパンだけが、異常な値で競り落とされている……?」
情報収集に出たアリシアの報告で、チーム《強運》に緊張が走る。
「まさか、盗まれた強運パンが闇取引に……?」
調査の結果、ユウトの《神酵母パン》と思しき逸品が、“幻のパン”として複数ブースで競売にかけられていることが判明。
出展者のひとりはこう語る。
「パンの仕入れ先? 秘密だよ。でもね、このパン……運命を変える味がするんだ」
しかも、ブースの裏で見かけた人物は、仮面を外した《秩序の眼》の一人だった。
「……つまり、俺たちのパンを奪った連中が、堂々と表で売ってるってわけか」
ユウトの拳が震える。
そして決まった。バザーの名を借りた、パン奪還戦。
手段は一つ──“パン品評会”にて、ユウト自らパンを出品し、
《神酵母》本来の味と価値を、堂々と証明するしかない!
「幸い、ナナのジャムがある。あれと合わせて焼けば……“真作”と“偽作”の違いを味で証明できる!」
だが問題は──焼くための設備も、材料も、もうない。
そのとき、どこからか転がってきたパンのかけら。
ユウトがそれを踏み、見事に転倒。
その勢いでぶつかったのが、バザー本部のテント裏にいた少女だった。
「ちょっと! 何してるのよ、危ないじゃない!……って、そのパンの匂い……」
思わず飛び起きた彼女の瞳が、一瞬で輝きを増す。
「……その酵母、うちの父さんが研究してた“幻の発酵式”に近い! あんた、ただの料理人じゃないね?」
偶然の転倒。偶然の出会い。そして偶然のパン。
こうしてユウトは、運命的に《テレナ=ミルフィ》と出会ったのだった。
彼女はバザー運営委員の少女で、天才機構技術者にして、元パン職人の娘だった。
天才機構技術者であり、元パン職人の娘だった。
「焼く場所がないなら、作ればいいじゃない! さあ、移動式魔導パン焼窯《オーブンカートMkII》、出撃よっ!!」
バザー中央に設けられた即席ブース。
ユウトのパンづくりが始まる──
ナナのジャム、偶然手に入れた塩、なぜか風で飛んできたバター、
“すべてがたまたま揃ってしまう”運の連鎖。
焼き上がる黄金色のパン。
香りは空を舞い、会場中が足を止める。
「なんだこの匂い……」
「これが……“本物”だ!!」
瞬く間に集まる観客と、動揺する偽パン出品者たち。
そして、秩序の眼のメンバーが動き出す──!




