第2話 まさか死に戻りだと?
暗い。 目が開けられない。 ここはどこだ? そうだ、俺は死んだはず。 死後の世界は、こんな世界なのかーー
「まあ! うちの赤ちゃんは宝石見たいね!」
「当然だとも! さすが、俺たちの子供だ!」
子供? と、言うことは新たに生まれたのか、俺は。
ーーそれにしては、俺の意識がちゃんとある。 今は来世なんだから、前世の俺の記憶があるのは奇妙な話しだ。
いや、待てよ。 どこかで聴いたことがあるぞ。 年少の頃に一部の人間が前世を覚えている、と言う伝奇を部下の兵士が言ってたな。 これがその現象か。
だとすればいずれ、俺の意識も無くなって行くことだろうよーー
あれから少し経ち、俺は周りの景色を見ることが出来るようになった。 しかし、記憶は消えることはなかった。 ーーそれどころか前世よりも鮮明だ。
それにしても、この体は不便だ。 声も碌に発音も出来なければ、立って歩くことも出来ない。
話す、歩くの偉大さを来世で気付くとは。
今更、前世の親に感謝だな。
前世の親、師匠が言っていたな。 たしかーー
「う~ん~。 さすが私だわ! 今日もべっぴんさん。 これでアルコスもメロメロなんだから」
「ロマーニャ。 君はいつも綺麗さ。 ホラ! 空をごらんよ、太陽が瞬いてる」
そうそう。 アルコスとロマーニャだったな。 それにしてもびっくりだなぁ、前世の親と同じ名前とか。
「うふふ。 アルコスったら、もう。 空を見なくてもここに私たちの太陽があるでしょう?」
「おっと! その通りだなぁ愛しの⋯⋯」
「邪魔するぞ!」
その時、突然女性の声が聞こえて来た。 俺は彼女から目を離せない。
ーーあり得ない。 この女性は。 今も俺が前世でうなされながら見ている、夢の中でいつも辛そうな顔をしている人物。
しかし、俺は数十年ぶりに、師匠の笑顔を目撃したのだった。
「おお! これが勇者か! 素晴らしいの〜」
トドメの師匠の発言に、俺は悟った。
ーーどうやら、俺は死に戻りをしたらしい。 ショックで俺は気を失った。
「ふふん。 素晴らしいでしょ? 私たちの太陽は! ⋯⋯楽しみだわ。 この子が育つのを見守ることが」
「どれどれ。 儂がコヤツを鍛えてやるかの」
「なに言ってるのよ! この子はここで平凡に暮らすの。 どこにも行かせないわよ」
「じゃが、勇者と言えば、魔王と戦う宿命じゃろ?」
「魔王? あんな腑抜けほっとけばいいのよ。 ねえ? 愛しい太陽⋯⋯」




