7話 強者
僕らは全速力で走っていると,森林を抜けた。
「見えた!あれ!」
前を見ると,遺跡のような大きい建物が姿を現した。
「一度、仲間と合流ですか?」
「いや,見た感じみんなは外にはいない。このまま中に突っ込む。」
「わかりました。」
・・変わったな、、、
さっきまでとは違う目をしているユウを見て、私はそう思う。
たぶん自分のなかで決意が固まったのかな。
「しっかり私の後ろについて来てね。」
「はい!」
武具錬成【クリエイト】、、、 暗殺者
イルは、黒いマフラーを首に巻いた。
それを見て、以前、クリスと実戦が終わった後にした会話を思い出す。
「クリスはイルと戦ったことあるの?」
クリスに負けたあと,僕はクリスに聞いた。
「あぁ、あるぜ。通算成績は,俺の13戦 1勝 12敗だ。」
「え?マジで?」
「あぁ。大マジさ。」
「イルって強いんだなぁ。」
「強いなんてもんじゃねぇよ。あいつはこのチーム(next)最強だからな。」
「一番強いの!?」
「そうさ。1番だ。強さの理由。知りたいだろ。」
「もちろん!」
僕がそう答えると,クリスは嬉しそうに話し始めた。
「まず,あいつは武具錬成【クリエイト】がとにかく早い。
俺は6秒は掛かるのに、あいつは1秒くらいだ。
次に、天賦の才能【ギフト】が強い。あいつの天賦の才能【ギフト】、暗黒粒子は,攻防共に優れてる。使い勝手がいい。
あとは,魔力量が多いとか,そもそも体術が強いとか,色々あるけど,1番は、、、、」
「1番は、、、?」
「内緒だ。」
「えぇ〜〜。なんだよそれ。気になるじゃん!」
「こう言うのは,本人に聞くべきだろ。」
「ゔ、確かに。」
クリスが言ってた、イルは強いと。
・・僕も役に立つんだ。
「行くよ。」
「はい!」
遺跡の中に入ると、視界が途端に悪くなった。
・・暗い、、、見えにくい。
「やっぱり。みんなはこの中にいる。」
イルが目をやったところに僕も目を向けると,銃を持った黒い服の奴らが何人も倒れていた。
「こいつらは、教団の下っ端だろう。この戦いの痕は,ソウのものだ。」
「他のメンバーの人ですか。」
「うん。先を急ごう。」
この遺跡に入ってから、結構進んだけど、まだ特に何もない。
ところどころに教団のやつが倒れてるだけだ。
「もう少しで奥に入る。気を引き締めて。」
もう既に開いている大きな扉を抜けると,今度は,光がさしてきた。
・・眩しい、、、
パアッッン! シュルルル!
扉を通った途端に、そんな音がした。
「あれ?防がれちゃた?」
銃をこっちに向けた男が困ったように言った。
イルを見ると,周りに黒いオーラを纏っている。
銃の弾を防いでくれたようだ。
「誰?」
イルは、僕を守るようにして聞いた。
「いや,あんたこそ誰よ?」
そう言いながら、男は,銃を捨てて頭を掻く。
「ハァ。喋るのが面倒臭い。やっぱ、こんなものじゃダメか。」
男は,右手を少し上げる。
・・なんだ、、、 武具錬成【クリエイト】か?
いや,違う。
解放【リリース】、、、、 水神【ヤマタノオロチ】
男は、魔力の箱を作らずに、水色の剣を出した。
「な!」
イルは急に驚いて,僕を後ろに突き飛ばして、
「捕まってる人達を探して、解放して。ここは,私がやる!」
そう叫んだ。
「任せてください!」
僕は、急いで来た道を引き返した。イルのことが心配だけど,イルは、僕がいない方が戦えると判断した。なら僕は他にやれることをやるだけだ。
・・そうだ,,,僕は足手まといをしに来たわけじゃない!
考えろ! 集中だ、集中!
さっきの部屋でこの遺跡は行き止まりだった。
でも誰とも出会わなかった。
つまり,来た道のどこかで何かを見落としてるはず。
探せ!早く!
僕は、走りながら辺りを見回す。
・・もう暗さには目が慣れた。さっきよりも見える。
すると,不自然に人が誰も倒れていない場所を見つけた。
・・周りは大体人が倒れているのに。ここだけ人がいない。ってことは、ここに何かがある。
壁を叩いてみる、、、
反応なし。
なら,地面は?
地面を何回か踏んでみる、、、
これも反応なし。
これならどうだ?
壁と地面に同時に衝撃を与える。
ガゴン
すると,立っていた地面が回転した。
そして。体が下に落ちる。
よし。ここからだ。
僕は落ちながら気を引き締めた。
・・捕まった人達を助ける。それが僕のやるべきこと。やりたいこと。
下から光が見えた。もう少しで着く。
よし。やるぞ。




