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観客席では一部から悲鳴や怒声が上がり、かなり大きなどよめきがあった。
「きゃー!フォルテ様が!」
「おいおい!エドワード様の斬撃を食らってなんで生きてるんだよ!」
「マルコス今のどうなってんだ!!」
第1試合でヴィランと対戦したケビンはマルコスの胸ぐらを掴みながらマルコスを振りまくる。
「ケビン苦しい、苦しい」
「おい!どうなってんだよ!」
「たぶんだけど、一瞬だけ【黒鞭】が見えたから、その【黒鞭】で直撃する状態から体勢を変えたんだと思う。」
「あの一瞬で!?」
「うん。たぶんね。【黒鞭】だけじゃ一瞬では無理だと思うから【突風】も使ってるのかもしれない。」
「まじかよ、どんだけ魔力操作力が高いんだよ。」
「彼の実力は間違いなくプロレベルだね。」
ケビンが掴んでいたマルコスの胸ぐらを離す。
マルコスのように気づいている生徒は他に居ないようで映像を観ていた観客からは様々な反応があった。
「運良く助かったのか?」
「けど、あいつ片腕が無いから、さすがにこれはエドワード様の勝ちだな」
「エドワード様とフォルテ様の2人を相手に良くやった方だよね。フォルテ様を倒してしまったんだもん。」
「たしかに、奇襲でもフォルテ様を倒したのは大したもんだな。」
観客の生徒たちはヴィランの状態を見てエドワードの勝利を確信していた。
一方、試合の中。
「俺を油断させるためにわざと攻撃を受けたのか?」
「いいや、そこに転がってる奴の【突風】には対応できなかったさ。それにお前の斬撃も相殺したつもりだったんだが、態勢が悪くて全力の斬撃が出せてなかったみたいだな。」
「お前の魔力はもう限界に近いはずだ。そんな状態では俺には勝てない。」
「そうか?俺はまだまだやれるぜ?」
「見栄を張るな。この俺の斬撃を受けて生きていた奴なんて初めてだ。それに俺とフォルテを相手にしてここまでやれる奴はいなかった。それだけでも十分だろう。」
「褒めているのか?」
「あぁ、そうだ。お前のような相手は同年代では居なかった。」
「褒めてもらわなくて結構だ。」
「そうか。」
「俺よりも弱い相手に褒められた所で嬉しくないからな!【黒鞭】」
「なんだと?潔くリタイアしておけば、惨めな姿を見せずに済んだものを!【火剣】」
ヴィランはエドワードに向けて第三位階闇魔法の【黒鞭】を発動する。いきなり上限の10本を出現させ、エドワードを襲う。
だが、エドワードは第四位階火魔法の【火剣】で【黒鞭】を次から次へと斬り伏せていく。
「お前は最高だよ!俺の【黒鞭】をこんなにも簡単に凌ぐなんてな!」
「これぐらいできて当然だ。お前の最後の悪足掻きはこの程度か?」
「いいや、まだまだこれからだ【土魔法】【風刃】【突風】」
ヴィランは【土魔法】でエドワードの周囲に壁を作り、逃げ道を塞いでいく。
そして【風刃】を放つが、それに加えて【突風】を発動して【風刃】の速度を上げる。
高速の【風刃】が逃げ場のないエドワードに襲いかかる。
エドワードは手に持っていた【火剣】に魔力を溜め、炎の斬撃を放ち、ヴィランの【風刃】を掻き消しながら、ヴィランに斬撃を届かせる。
ヴィランは【光剣】で炎の斬撃を防ぐが、威力が高いため地に足をつけたまま後ろへと押されていく。
何層もの土壁を背中に作り、押される勢いを止める。
そして握っている【光剣】へ力を込め、炎の斬撃を上空へと押し上げた。
視界が良好になったヴィランだったが、すぐさま2発目の炎の斬撃が襲いかかる。
ヴィランは【光剣】に魔力を溜め、白い光の斬撃を放つ。
互いの斬撃は衝突して霧散する。
エドワードは【火球】を放ちながら距離を詰める。
ヴィランは飛んでくる【火球】を土壁で防御しつつも【黒鞭】を伸ばし反撃をする。
だが、エドワードは自身に襲いかかる【黒鞭】を簡単に払い除け、ヴィランの下へと距離を詰めて【火剣】を振りかざす。
ヴィランはその振るわれた【火剣】を躱し、【光剣】で反撃をする。【火剣】は燃え盛る炎を揺らしながら、ヴィランの肌を焼く。
ヴィランとエドワードの剣撃は幾重にも交わされ、どちらも譲らない勝負になっていた。
その均衡を破ったのはヴィランの【光剣】の効果だった。その【光剣】の攻撃は微々たるものだったが、エドワードは【光剣】を躱しきれずに少し胴を掠めた程度の攻撃を受けて徐々に動きが鈍くなっていく。
【光剣】は本来ダメージを受けると、数秒間動けなくなるという効果があるのだが、かすり傷程度であれば動くことができる。
しかし、かすり傷でも【光剣】の効果は存在しており、ダメージの割合により動きを鈍くさせられてしまう。
「ちっ厄介な剣だ。【火柱】」
エドワードはこのままでは分が悪くなると判断し、ヴィランの足元に【火柱】を発動する。
そしてヴィランが回避した瞬間に後ろへと下がり体勢を立て直そうとする。
しかし、それを分かっていたヴィランは、あえて【火柱】を受けながら前に突っ込みエドワードに追い討ちをかける。
「なにっ!?」
エドワードは、まさか回避せずに追ってくるとは思っておらず、対応が遅れ、【光剣】の攻撃を肩に受けてしまう。
「この攻撃は読めなかったか?」
「くっ、、、、【火球】!」
ヴィランは【光剣】をエドワードの肩に刺しながら、目の前で【風刃】を発動させる。
【光剣】により動けなくなったエドワードは至近距離で【火球】を連発する。
【風刃】と【火球】がぶつかり合い爆発が起きる。
2人を覆う煙が晴れた時に立っていたのはヴィランだった。
そしてエドワードの身体は真っ二つになっていた。




