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吐出口  作者: 鈴木
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いじめ?

 高校時代、多分、私はいじめられていたのだと思う。のけものにされていた状況がいじめだというのなら、そうなのだろう。

 何故、他人事のような言い種なのかといえば、当時はまるで気にしていなかったからだ。後になって思い出してそうだったのかも、という無関心ぶりだ。正直、どうでもよかった。

 思い当たることは色々あったが、ぱっと思いつくのは、昼休みに自分の席を勝手に奪われていたことだろう。手洗いか売店か、その他の理由でか、ほんの僅か教室を離れた隙に、私の席はいつの間にか移動され、特定グループに占拠されてしまっているのである。当然、机の中の弁当は取りに行けない。何しろ、持ち主でない人間が既に堂々と座っており、他からも勝手に移動させてきた机を幾つもくっつけて、そこに座る者達と共に昼食を始めているからだ。実に和気藹藹と歓談し、その輪の中へ「そこ、私の席」だの「ちょっと弁当取らせて」だの言って入ろうものなら、完全にこっちが楽しい雰囲気に水を注す慮外者である。

 毎日毎日、その状態を見る度に、「あー、またか」とすっぱり諦めて図書館で時間を潰していた。勿論、昼食は抜き。空いている席もあるにはあったが(ご丁寧に部屋の壁際へ邪魔物のように寄せられていた)、他人の席に勝手に座って昼食を摂る度胸は私にはなかった。私の席に座っている者達と同列になるのも嫌だったし、何より昼休みにそうした教室内にいたくなかった。図書館で時間を潰す方が楽だったのだ。


 ああ、そういえば、事故で暫く学校を休んだ後に登校して最初にだったか言われた言葉が、「放送であなたが事故に遭ったって流れたけど、その時、誰それ?ってみんな言ってたんだよー」。

 笑いながら言ってくれてたな。あれもいじめといえばいじめか。当時の私は特に何も思わず、ああそう、と流していたが。向こうとしては手ごたえ?がなくてつまらなかったかもしれない。


 古典の教師に授業中、「大童」の例えで「××さん(私のこと)のような人です」と笑い者にされたこともあったか。……これに関してはそう形容出来る髪型をしていた私が悪いことになるのか? 当時、どんな頭をしていたかはもう覚えていない。ただ、少なくとも校則違反はしていなかった筈だが。まあ、違反していなくとも気に入らないものは気に入らない、古典教師の目にはみっともなく映っていたのだろう。これもまあ、当時は(今も)どうでもよかった。


 振り返ってみると、つくづく私はいじめ甲斐のない相手だっただろうなと思う。


 いじめっ子サイドには張り合いのない私も、一応、律儀に(?)傷ついていた時期もある。

 小学校低学年の頃、身体測定でクラスメイトが揃っている中、座高を測っていた養護教諭が「足短いねー」と笑った時だ。実に身の置き所がなかった(足が短いのが事実でも、それを嘲笑のネタにする大義名分を教師サイドが与えるなよ)。

 上記の後だったか、精神状態を知る為?のアンケートにネガティヴな回答を書きまくったら(そういう気分だった)、後日、保健室に呼び出されて悩み事があるのか聞かれたのだが、誰が自分を笑い者にした人間に相談したいと思うか。養護教諭は自分が何を言ったかなどさっくり忘れていたようで、一見深刻な態で聞いてきたが、全部逆の回答をしたのだと嘘を言ったらあっさり信じて保健室から放免された。

 感想。「そんなもんだよな」

 思えば、教師サイドに対して一切期待しなくなったきっかけでもあった。












 ちなみに最後の話にはオチがある。


「相手も悪気があったわけじゃないかもしれないのに、その程度のことをいつまでもネチネチと根に持つなんて性格悪い」


 悪気がないってのも万能免罪符だよな。


 まあ、性格悪いのは事実だが。





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