第3話
「何をしている・・・・!?」
どこからか、声が聞こえた。
え?
「ここは、夢だ」
夢?
ああ、そうか。
俺は、引きずられるように、波に飲まれた。
こうして、俺は、現実世界に戻ってきた。
「はあ・・・はあ・・・」
夢の世界では、黒いショートヘアーだったけど、現実ではセミショートだった。
世界は、いじめ殺しのせいで歪んできて、人々は普通に生活しづらくなった。
どうして、こうなったのかはわからないけど、ただひとつわかることは、この世界の常識というのは、法律で決まるようなものだ。
つまり、人を殺してもいいというルールがあれば、それが正しいという認識になる。
そして、俺はどうしてここで寝ていた?
僕は、自分のことを思い出していた。
そうか、そういうことか。
「おーい、そこにいるんじゃないすか?」
僕は、呼んでみた。
俺が今、こうして生きているということは、そこまで悪いやつではないはずだ。
「ここには、誰もいませんわ」
と、銀髪の少女のビアンコが姿を現した。
「いるじゃないすか」
「いませんわ、あたくしと君以外」
目の前にいるのは、現実世界のビアンコだ。
夢世界のビアンコは、なのです口調で話す俺に馴れ馴れしい先輩だったけど、現実のビアンコはお嬢様口調で話す異世界出身者。
実は、いじめ殺しの出身は、僕たちの住む世界とかけ離れた異世界だ。
だから、俺はこうして異世界に来ている。
「夢の中で声がしたんすけど、呼んだのは君?」
「あたくしに、意識を呼び戻す力はないですのよ。
なら、あたくしではないですわ」
「君でないなら、誰すか?」
「君が倒れて以来、ここには誰も来なかったので、君に憑依している水亀ではないですの?
これは消去法でしかないのですが」
俺には、水亀が憑依しているらしく、水を操る異能力を使える。
水仮面で防御したり、水を噛んで全体攻撃をしたりとか。
「なるほどね。
じゃあ、ここには用もないし、俺を眠らせたいじめ殺しを探しに行くか」
「危険ですわ。
君は上級ではないのですよ」
「こっちのプライドも理解してほしいっす」
僕の異能力は最弱というわけでもないけど、そこまで強くないので、より強い敵が現れれば負ける。
だけど、弱いビアンコに指摘してほしいことではなかった。
「とにかく、行くっす」
「待ってくださいわ。
テュータオ」
テュータオというのは、俺の異世界ネームだ。
「仲間を集めるということは、どうですか?」
「仲間すか・・・・。
誰を信じていいのかわからないこの世界で、仲間なんてできるかどうか」




