モノローグ
「ねえ、いじめ殺しって知ってる?」
生徒会副会長に聞かれて
「知らね」とめんどくさく答えた。
俺は彩崎 世界。
どこにでもいる普通の一般人だ。
「ん、もう」
生徒会副会長の憂狩 ゆずきがイライラしたような口調になった。
「無頓着よね」
「悪かったな」
「あのね、最近近頃いじめ殺しって言って、奇妙な怪物がいじめた人に襲いかかり、しまいには殺してしまうって噂よ」
「いじめられた人が悔しくて流したデマだろ」
俺は、そこまで本気にしていなかった。
そんなおとぎ話に出てきそうな根拠のない話を、簡単に信じられるか。
「ほんとよ? いじめた人が何人も死体として発見されて警察もいまだに犯人がわからないみたいだよ、うちの学校でも出たらしいの」
「たしか先週先輩たちが亡くなったんだよな」
「そうそう」
うちの学校の三年生が一人の女子クラスメイトを内容は知らないがいじめを行っていたらしい。
その四人組が先週女子トイレで遺体として発見されていたらしい。
中にはいじめられた女子クラスメイトが復讐として殺したと警察にも疑われ、校内で噂になり不登校になり、高校も中退している。
「そもそもいじめ殺しって簡単に言うけどそんなもの本当にいるの?」
「あたしも見たことないけどいるらしいのよ。
いじめの集団の所にいじめ殺しが駆けつけて、いじめっ子を次々に殺して、いじめられっ子が何人も助かっているらしいわ」
「その話とくと聞きました」
とうちのクラスメイト陸野ぐりが、向こうにある憂狩の机の下から現れた。
「きゃあ、どこから現れているのよ?」
「どこからだっていいじゃないですか?」と陸野。
「よくないわよ」と憂狩。
憂狩は、顔を真っ赤にして怒っていた。
その時、朝のチャイムがなると同時に陸野や憂仮それぞれのクラスメイトが席に着き、その後何分がたたないうちに担任の残野先生が教室に入ってきた。
そして教卓の近くまで来て
「皆さん、悲しいお知らせがあります」
朝から悲しいお知らせなんてあるか。
どうせ、生徒に興味を向かせようという何かだろ。
担任のやることなんて、見てきてるんだからわかるんだ。
「生徒会長が何者かに殺害され、遺体が体育館倉庫で発見されました」
その瞬間教室中の空気が一気に冷えきった。
この様子だと、冗談ではなさそうだ。
「最近だと中国の人口も謎の連続殺人事件によって人口が一億以下に減ったと言うし、他校の生徒も何人か遺体として発見されているし、犯人もまだわからないため全国の学校は明日から急きょ臨時休校となる。
校長先生からも今日は危険だから君たち早く帰りなさい、と。
ということでみんな一斉下校、部活もやらない」
謎の連続殺人事件が理由で学校が休校?
聞いたことない。
学校が休みになったということを喜んだ方がいいのかどうかわからなくなった。
そのあとすぐに一斉下校となった。
憂仮は他の女子と帰るため陸野と一緒に帰った。
「しかし、まさか生徒会長まで‥」
陸野が口を開いた。
「俺も思わなかった」
「生徒会長はいじめをしていましたよ」
「それとこれとは関係ないだろ」
陸野まで、信じているのか?
「ありますよ。 中国の連続殺人事件の被害者はみんないじめっ子だそうですよ、いじめ殺しがやったと証言する人が何人もいるそうで」
「陸野までそんな噂を信じているのか、いじめ殺しなんているわけない」
「偶然にしてはおかしい気がしませんか?
被害者がみんないじめっ子だなんて」
言われてみれば、そうだ。
殺人なんて普通なら顔を見られたくないから、全員皆殺しのはすだ。
「そうだとしてもただの偶然かもしれない‥‥。
第一1人や2人ならともかく何人もの人間がいじめっ子なんて知ることできるのか」
「生き残った人が見たって言いますからね」
「どうせデマだろ」
「デマにしたら不自然ですよね」
本当なのかも、という気持ちはあった。
だけど、それが現実だと受け入れたくなかった。
いじめ殺しなんているなんてそんな漫画みたいなことあるわけない。
最近になってからいじめ殺しの噂なんかたてられたけど宇宙人がいると騒いでいるのと同じだろ。
何で、最近なんだ?
ちょっと前までは、噂ですらも聞いたことがなかったんだ。
俺の家は家に着くとドアが壊れていることにぞっとした。
中に入るのがこわいのと中がどうなっているのか気になる思いが混同した。
そういや、俺の母さんはシングルマザーでいつも姉貴に暴言を吐いての精神的な虐待していた。
妹も母さんと一緒になって姉貴のことをさんざんばかにしてきた。
まさか、な。
姉貴にいつも「人としてどうなの」と罵ってきた母さんが弱々しくもないし、そんな簡単に。
あれ、というか俺そんないじめ殺しだの噂を信じないとか言ってたはずだが、まあいい。
とにかく中に入ろう。
玄関に入ると皿は割れていたし、包丁の刃の部分が欠けていた。
そしてリビングまで向かうと母さん、妹が目を開けたまま不気味に倒れていたー。
俺はぞっとした。
まさか死んでるなんてことないよな‥。
まじまじと確認してみると二人の首には青い痣、服は何ヵ所か破れていたしー
俺は理解が追いつかなかった。
「いじめの見てみぬふり発見」
声のした方を振り向くと俺はぞっとするあまり声も出なくなった。
T型のツノをして全身真っ白な見るからに大きそうな怪物が目の前にいる。
「いじめの見てみぬふりはいけない、殺してしまう他ない、この世界からいじめ、なくす」
そうして俺の方に手を出した。




