第8話
リスナーとともにいじめ殺しに出かけたけど、今回は見るけることはできなかった。
それはよくある話なので、用が済んだら、帰るしかない。
私には闇姫以外にも呼び名があって、それは「紫の閃光」だった。
イメージカラーは紫で、紫が特別好きってわけでもないけど、私には似合うかな。と。
普段の人間世界では、背中まで長めの黒髪に黒い瞳。
いじめ殺し活動時は、深くて暗めの背中まで長いツヤのある紫髪に、黄金の今にも宝石と見間違えてしまうような瞳となる。
私自身は美人のつもりはないのだけども、すごく羨ましがられたり、妬まれたりした。
美人は苦労しないとは聞いたけど、それは苦労と言わないのだろうか。
朝になって、自分の顔を洗面台の鏡で見てみたけど、美人とは思えない。
普通くらいかな。
肌は黄色人種ではなく、白人の部類となる。
髪は一本一本が細くて、何か特別なお手入れをしなくても艶はあるし、あまり絡まりもない。
そういえば、いろんな男からアプローチを受けることがあるけど、それが関係してたりするのかな?
どっちにしても、そんな簡単な誘い、簡単に乗るわけがない。
そして、またリスナーが現れる。
「鏡を見るなんて、やっぱり気になる子でもできたの?」
「そんな簡単に恋愛なんてしない」
「つまんないな。 もうちょっと今時の女の子らしくしてもいいはずなのに」
今時の女の子なんて言われても、私は他の人と関わりを持ってないし、よくわからない。
女の世界はいつもドロドロしていて、私の居場所なんてないから、海外で友達作ってる。
人なんて信用しない私は、恋なんてしないし、できるわけないし、したくてもできない。
「ワイは恋してても、相手にしてくれないしな」
リスナーは一匹のいじめ殺しに恋をしているらしいけど、告白しても相手にしてくれないだとか。
だけど、リスナーみたいな短絡的で、すぐ怖気づいてしまう男前なところがないところを見て、好きになってくれる人でも、何でも現れたら、すごく不思議に思う。
だけど、ピーはそんなリスナーに恋してると聞いて、初めは驚いたけど、すぐに慣れた。
ピー曰く、妹に優しくしてくれるところ、社交的でお話していて楽しいところ、リーダー願望が強いところに惹かれたらしい。
ピーの恋はそんな簡単に報われないと思うけど、こちらからは何も言えない。
さて、今日もいじめ殺しだ。
私は弓を抱えた。
この弓矢は何でもできる弓矢だ。
なのに、私は正直迷っていた。 いじめた人間を殺していいのかどうか。
他に解決方法はないのかと思っているところはあるけど、10代の私には何も思い浮かばない。
誰か教えてくれるかな?




