原典覚醒
今日の分投稿していきます。
スライムを乱獲したあと、俺は、広場に戻り、チュートリアルを依頼したおじさんNPC、に会っていた。
「スライムの討伐終わりました。」
「おー、一日ぶりだな。どうした?スライムに手間取ったか?」
俺は、この会話で僅かに驚いた。この、NPCの様子が、ゲーム内時間で一日前と比べ、比にならない程人間らしくなっているのだ。
もしかして、このゲームの特長の一つに、成長するNPC。俺は、というか、俺たちは、一部のNPCがシナリオの進行によって、ステータスが成長するのかと、予想していたが、まさか、すべてのNPCに、学習型のAIでも、搭載して、いるのか?そう言えば、周りのNPCも、だいぶ前より動きや言葉使いが自然になっている。
なら、このNPC逹は、死んだらどうなるのだろうか?何事もなかったように、復活するのだろうか?それとも、データをリセットされて復活するのだろうか?あるいは・・・
「おい、どうした?あんた。そんな顔して、そんなに、スライムが怖かったのか?」
思考の海に、沈んでいた、俺を引き戻してくれたのは、目の前のNPCいや、人間だった。
「いえ、少し考え事をしてまして」
「ならいいが、これ、お礼な。そんな多く無いが何かの足しにしてくれ。あと、あんた渡り人だろ?選別の儀は、済ませたのか?済ませてないなら、向うの遺跡で出来るらしいぞ。」
俺は、おじさんにお礼を言うと、選別の儀とやらを済ましに、遺跡に向かう。おそらく、これで原典の覚醒が出来るはずだ。
広場から、少し東側に歩いた所に、その遺跡はあった。石を積み上げて、その上に、淡い光を放つ水晶が1つずつ、計3つ浮かんでいた。その祭壇の前には、石を積み上げただけで水晶の無い祭壇がある。
俺は、何となくの予想で、水晶の無い祭壇の前に立った。すると、祭壇の水晶の光が強くなり、それに共鳴するように、俺の体からビー玉サイズの水晶が現れる。計4つと、なった水晶は、光の粒子を放出する。光の粒子は、混ざり互いに合いながら、幾つもの線を描いていく。それはまるで、師が弟子の門出を祝うように。期待と、喜びと、僅かな不安の入り混じった、そんな光のアート。光の線は、次第に一つの紋章を紡ぎ出す。
それは、荒野で一人太陽を見つめる青年の紋章。
紋章は、次第にほどけていき、粒子は、ビー玉サイズの水晶の元に入っていく。ビー玉サイズの水晶は、光の粒子になり、俺の全体に血のように紅い線となって、複雑な模様を描く。
【原典:絶滅】第一節が覚醒しました
【原典:絶滅】第一節・・・その日、一日の同種討伐数に比例して獲得経験値増加
アナウンスで、確認すると、複雑な模様は消え、俺の手元には、ビー玉サイズの水晶が一つ、水晶には先ほどの、荒野で一人太陽を見つめる青年の紋章、が浮かぶ。
幻想的な光景のせいで、【原典】の破格を理解でき無かった俺は、その場でログアウトした。




