優君と挑戦
書き終わりました
ふて寝から目覚めるとすでに、デスペナの8時間どころか12時間もすぎていた。
よし、またログインするか。
あれ?、部屋が片付いている。ここ最近、誰も部屋に呼んでいないからってめんどくさがっていたのに、それに何か美味しそうな匂い。
俺は、匂いに誘われてキッチンの方に歩く。
「あぁ、ようやく起きましたか。心配したのですよ」
キッチンには我らがお兄ちゃん、優君がお粥を作ってくれていた。
俺は、お粥を食べながら話を聴くことにした。うん、マジで旨い。
「どうしてここにいるんですか?鍵は?」
「開いていましたよ。それと、何度電話しても出ないので様子を見に来たのです。」
「それは、すみません」
優君は、こうして時々皆の世話をしてくれる。因みに一番お世話になっているのはダントツで俺だが皆多かれ少なかれ面倒を見てもらっているので優君には、誰も頭が上がらないのだ。
「それで、何故電話をくれたのですか?」
「そうでした。私も来週からログインするので落ち合えないかと思いまして。」
「そうですか、すみません落ち合うのは難しそうです。」
「わかりました。こってはこっちで進めてみます。」
「理由を聴かないのですか?」
「いえ、月道さんが難しいと言うのなら本当に難しいのだと思いますから。まっ、困ったら言ってください力を貸しますから。」
特に隠す事もないのだけど···説明しなくていいなら助かる。
「ありがとう」
俺は、心の底から感謝し頭を下げた。
何せ俺は、説明が苦手だ。中学卒業後から自立というなの引きこもりを初め、株で生計を建てて来たため、優君達と会うまで友達も居なくて(幼·少·中と居なかったのは自分のせいだが考えない)コミュニケーション能力が死んでいるのだ。
「いえ、仲間ですから。」
「えぇ、そうさせてもらいます。」
「私はここらで帰ります。」そう言って優君は帰っていった。
よし、仲間達と一緒に冒険するためにもさっさとあの島から脱走するとするか。
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ログインするとそこはやはり罪浮島の最初に飛ばされた所で間違えない。
少しばかりセーブポイントの話は、俺の聞き間違え説を期待したのだかそんなに甘い話は無かったようだ。
俺は少し落ち込んだ後、ひたすらに周囲の植物や鉱物を観察し始めた。色や大きさ形、模様。
諦めておかしくなった訳ではない。俺の作戦としては、モンスターを倒してレベルが上げれないなら、[星片]を獲得してレベルを上げようという作戦だ。
習得方法が公開されていたり、チャット上に情報のあった[星片]取得の条件を調べ上げておいたのだ。
一時間後、【星片:鑑定眼】を獲得した。
【星片:鑑定眼】···アイテムの名前や性質が解る。アイテムによって鑑定までの時間が変動する。
よっし、と少し喜びレベルを確認するがレベルは、23のまま変わらない。が少しは、経験値が入ったはずだ。このまま、目標のレベル50を目指して頑張ってみますか。
まずは、道具屋で手に入れた(盗んだ)初級調薬セットを取り出し、その辺の草を鑑定。
六迷草···食べると幻覚作用のある草。一部ダンジョンに自生する。
これじゃない。
詐欺草···食べると一時的にランダムで様々なバフやデバフがつく。
少し気になるがこれじゃない。
回命草···食べると僅かに体力が回復する。
見つけた~!。
後は、携帯型初級調薬セットを広げて中心の鍋に錬金水(錬金術によって魔力を宿した水)と細かくちぎった回命草を加える、鍋を叩いて操作画面を出して起動させ中火に調整する。後は、沸騰しかけたら錬金水を加えてを繰り返すのみ。
10分程で回復藥が完成。
粗悪な回復藥···飲むとHPが30回復する。
粗悪、粗悪か~。初めてだし携帯型初級調薬セットだし素材も厳選してないし当たり前だけど、こうして言われるとへこむな。
まぁ諦めて、スキル獲得まで頑張ってみますか。