最初に起きた事件から既に4年半が経った。
未だに事件は起こり続けていた。
“ 19日の悪夢 ” が始まったのは悪魔に憑かれたハイカーに旅客機をハイジャックされた日の翌月から起きた。
因みに【 旅客機ハイジャック事件 】が起きた日は19日ではなかった。
1年は12ヵ月ある。
毎月19日を迎える度に、何処かで誰かが “ 19日の悪夢 ” の被害者となる。
1年で12名が亡くなっており、4年で48名が亡くなっている。
其処に4ヵ月に “ 19日の悪夢” の被害者の4名と半年に “ 19日の悪夢 ” の被害者の6名を足す。
“ 19日の悪夢 ” の被害者の人数を合わせると、約58名にも及んだ。
悪戯に時間だけが刻刻と過ぎ行くばかりだ。
神父達は “ 19日の悪夢 ” の被害者達が本当に何の共通点も無いのかと疑問を抱いた。
“ 19日の悪夢 ” を終わらせる為に、警察に全面協力をする事にした神父ジップレンダは、被害者達の情報を徹底的に調べ直した。
殺された順に被害者達の名前を並べていく。
確かに年齢,性別,職業,住まいはバラバラで、共通点は無い様に思われたが、神父ジップレンダは被害者達の写真を見ていて気が付いた。
神父ジップレンダは被害者達の顔を知っているのだ。
身内でもない、親戚でもない、親類でもない、クラスメイトでもない、友人でもない、同僚でもない、依頼人でもない、別に知り合いではない。
其なのに何故だか、被害者達の顔を知っているのだ。
何故だろうか。
自分は被害者達に会った事があるのだ。
神父ジップレンダは長い時間、頭を悩ませる事になった。