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決戦④

 身体強化の魔法に更に魔力を注ぎ込んだ私は、突撃して来るブラート王を迎え撃つ様にフリューゲルを薙ぐ。

 しかし、このフリューゲルを私に下賜したのはブラート王だ。当然この剣の特性は熟知している。

 ブラート王は恐ろしい程の反射神経でフリューゲルの刃を挟み込む様に雷の速度で手刀を繰り出した。

 最大まで強化した動体視力でギリギリ見える速度だ。

 フリューゲルの刃を破壊される訳にはいかない。

 咄嗟にフリューゲルを【強欲の魔導書】に収納しブラート王の手刀を躱した後、再びフリューゲルを取り出して左下から逆袈裟に斬り付けるが、ブラート王は左足を軸に体を回転させ刃を避け、雷鳴を轟かせながらかかとを振り落とした。


「【氷盾】」


 氷の盾を作り出そうとするが、完全な盾を作り出す前にブラート王に蹴り砕かれる。


「ぐっ!」


 何とか直撃は防いだけれど、ブラート王が纏っていた雷が周囲に走り私の皮膚を焼いた。


「ふん!!」


 腰ダメに拳を引いた構えから、破城槌の様な正拳突きが放たれる。

 雷光で輝く拳が私の胴に突き刺さる。

 その威力はもはや打撃技などと言う生易しい物ではなく、私の胴を易々と突き破り、体を上下の真っ二つに引き千切った。


「また妙な魔法を……いや、スキルか」

「はぁ、はぁ、はぁ」


 私の上半身と下半身は氷となって砕け散る。

 それと同時にブラート王に破壊された【氷盾】の残骸から氷が繋がり、1つの氷塊となり砕けるとその中から私は現れる。

 自分の体を雷に変えるブラート王のスキル【瞬雷】を参考に作り上げたスキル【氷身】だ。


 自分の体を氷に変化させるスキルなのだが、ブラート王の【瞬雷】とは違いまだ未完成な部分も多いので継続時間はほんの一瞬である上、体力を大きく消耗してしまう不完全なスキルだ。


「もう降参しろ、エリザベート。

 今なら、出奔や帝国に与した事は不問にしてやろう。

 お前には新しい名前と国王補佐の地位を用意しよう。

 望むのなら王家が婚約を用意するし、爵位を与えても良い。

 フリードとシルビア嬢が許せないと言うなら奴らを国から追放しよう」


 膝を突き必死で息を整える私を見下ろしてブラート王は言う。


「お断りしますわ。もう私は陛下達に利用されるつもりはありません。

 この場で陛下を殺してハルドリア王国の歴史を終わらせるわ」

「そうか……では仕方ないな」


 ブラート王は自らの神器【雷神の剣】を手に構えた。

 それに答える様に私も立ち上がる。


「済まないが死んでもらう。許せ、エリザベート」

「私はエリー・レイスですよ」

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