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大戦①

 ブラート王はフリードが制圧した都市に駐留していた。

 碌に統治もされていなかった都市は酷い有様で、ブラート王が兵を率いて到着した時には、フリードが連れて来ていた傭兵や不良冒険者が好き勝手に暴れ回り、我欲の限りを尽くしていた。


 その光景を目撃したブラート王は、すぐ様兵士に命じて住民に狼藉を働く者達を捕縛し、特に酷かった者達に対しては都市の広場で公開処刑を行った。

 その結果、都市の住人達は表面上はブラート王の一行を受け入れた。

 しかし、あくまでも表向き。

 内心では侵略者である王国軍に対して不満を募らせていた。



「やはり、都市の住人の不満は相当な物ですね」

「……そうだろうな。あのバカは占領した後、碌に統治もせず、略奪や暴行を止めようともしなかった。

 その父である俺への反発が有るのは当然だ。

 兵達には改めて、住人に対して手を出さない様に通達しておけ。

 都市の住人に対して略奪や暴行を行った者は公開処刑とする」

「畏まりました」


 ジークが部下に指示を出すのを見ながらブラート王は尋ねる。


「フリードはどうしている?」

「あの令嬢と共に屋敷の部屋に軟禁しております」

「そうか」


 フリードが戦場から逃げ帰って来た時、ブラート王に会うなり、ふざけた事を言い始めたのでブラート王が殴り飛ばしたのだ。


「軍の方はどうだ?」

「属国や貴族の軍は続々と集まって居ます。

 しかし、帝国の方も国内の戦力がレクセリン砦へと集まりつつ有ります」

「そうか…………フリードを呼べ」

「フリード殿下を?」

「そうだ。奴は連れ帰り今回の責任を取らせて幽閉するつもりだったが、都市での統治の失敗は看過出来ん。

 軍を率いさせて最前線に出す」

「ですが……」

「彼奴は飾りで良い。実績が無ければ幽閉も厳しくなるだろう」

「御意」


 ブラート王の執務室に不貞腐れた様子のフリードが入って来た時だ。

 いつの間にか執事姿の老境の男がブラート王の背後に立っていた。


「どうした1号」


 男がブラート王の耳元に口を寄せる。


「なに、直ぐに連れて来い!」


 ブラート王が言うと、左右を支えられた男が執務室に入って来た。

 左腕と片目を失い、全身に傷を負った特徴の無い男だ。


「で、殿下……も、申し訳……」

「4号⁉︎」

「4号、何が有った?」


 執事姿の男が懐から取り出したポーションを4号の口に含ませると、出血は止まり、顔色も少し良くなった。


「ご、ご報告致します。

 私はフリード殿下より、ユーティア帝国義勇軍団長エリー・レイスの離反工作、又は暗殺の命を受け、レクセリン砦へと潜入致しました。

 そこで返り討ちに遭い……」

「ちっ!無能め」

「フリード、貴様は黙っていろ!!4号、お前はフリード付きから外し、俺の元に戻す。報告を続けろ」

「はっ!レクセリン砦に潜入した際に判明した事なのですが……義勇軍団長エリー・レイスは……」


 4号は一瞬言葉を切り、チラリとジークを見た後告げた。


「行方不明となっているレイストン公爵令嬢、エリザベート・レイストン様でした」

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― 新着の感想 ―
何で4号が生きてるの… あの状況で確実に殺して無い事が異常過ぎるのですが…
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