第一章 冷たい始まり
はじめまして。
この作品を読んでくださり、本当にありがとうございます。
皆さんに楽しんでいただけるよう、これからも精一杯頑張って書いていきます。
少しでもこの物語を気に入っていただけたら、とても嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
高校生活最初の朝は、うんざりするほど眩しかった。
生徒たちは友人同士で集まり、笑い合いながら期待に胸を膨らませている。校門前は登校する生徒たちで溢れ返っていた。
そんな中、一人だけ静かに歩く十五歳の少年がいた。
金木 宗千田。
アワサ高校一年生の彼は、周囲の笑い声に目もくれず、無表情のまま校門へと歩き続ける。
(今日は誰にも会いませんように……。今日は本当に疲れている。)
ポケットに両手を突っ込んだまま、金木は心の中でそう呟いた。
「おーい! カネキー!」
突然、背後から聞こえた声が、そのささやかな願いを打ち砕く。
(よりにもよって……一番会いたくなかった相手だ。)
(タトマは人の噂話が大好きで、何にでも首を突っ込みたがる奴だからな。)
金木は小さくため息をつき、振り返る。
そこには、中学時代の同級生――タトマが立っていた。
「カネキ、お前は何組になったんだ?」
興味津々といった様子で、タトマが身を乗り出しながら尋ねる。
「まだ分からない。たぶん……C組だったと思う。」
カネキは抑揚のない声で答えた。
その返事を聞き、タトマは軽く笑みを浮かべる。
「C組か? それなら納得だな。つまり、中学の成績は……普通だったってことか。」
少し首を傾げながら、彼は続けた。
「でも、不思議だな。お前はどう見ても、平凡な成績を取るタイプには見えなかった。」
「……そうかもしれないな。」
カネキはそれだけ答え、表情を変えることなく歩き続けた。
タトマはしばらく彼を見つめ、小さく笑いながら肩をすくめる。
「じゃあ、俺はもう行くよ……本当に変わらないな、カネキ。」
そう言い残すと、タトマは去っていった。
カネキは一人、自分の教室へ向かう。
やがて一年A組の教室へ到着すると、教室の入り口で立ち止まった。
両手は相変わらずポケットの中。
その表情は静かで、何の感情も浮かんでいない。
教室の中は活気に満ちていた。
生徒たちは自己紹介をしたり、新しい友人同士で輪を作ったりしている。
そんな賑やかな光景の中で、カネキだけはまるで別世界にいるような孤独を感じていた。
彼は静かに教室へ入り、一番後ろの右側、窓際の席へ腰を下ろす。
(……なぜだろう。この窓から外を眺めるのは、なんとなく落ち着く。)
校庭をぼんやり眺めていると、不意にいつもの考えが頭をよぎった。
(今年、友達なんてできるのだろうか……。)
(いや、きっと無理だ。……こんな俺を受け入れてくれる人なんて、いるはずがない。)
その時だった。
誰かの視線を感じた。
カネキはゆっくりと顔を向ける。
前列の席に、一人の少女が座っていた。
誰が見ても目を引くほど美しく、その存在だけで自然と周囲に人気者たちが集まるような雰囲気をまとっている。
だが、不思議なことに――
彼女はずっとカネキを見つめていた。
しかし、視線が合った瞬間、彼女は慌てて顔を逸らした。
(……あの子は、一体何なんだ?)
少しだけ考え込んだカネキは、再び窓の外へ視線を戻す。
窓から吹き込む風が、静かに彼の髪を揺らしていた。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回もぜひ読んでいただけたら嬉しいです。




