第七十話 後始末
極限の緊張状態を潜り抜け、ユウは無事に基地へと戻る。
完璧な演技で危機を脱したかに見えたが、さらに思いがけない展開が彼を待ち受けていた。
ネビル軍の「総統括」への抜擢。そして、総帥との対面で明かされる、この星の歴史。
物語は、いよいよ核心へと迫ります。
ユウは、エレベーターを使わず、階段を使用して、一気に上まで駆け上がる。
監視カメラが作動するまで後1分。
トイレまで物凄い速さで駆け込み、待機する。
(ふう……間に合ったー!よし、変装解除。)
監視カメラが作動する。
フェビルやアリスはもちろん監視塔から離れているため、誰も捕獲室の様子を見ることはない。
気絶させた兵士が居なくとも、休憩時間のため誰も怪しまないのだ。
「おう!ユウ!一緒に休憩しようぜ!」
ユウは、何気なく休憩室で昼食をとる。
この後のミッションは、第一発見者として、上層部に報告するのみ。
◆
フェビルと別れて、捕獲室に入る。
(よし、ここからが演技の見せどころだ、カメラにも映ってしまうからね。)
ユウは、捕虜役の兵士の様子を確認するふりをして、フェビルへ通信を送る。
「こちら捕獲室、大変だ!捕虜の様子がおかしい!すぐにこちらへ来てくれ!」
警備兵がゾロゾロと調査にくる。
「こ、これは?!本人ではありません!」
ユウは、捕虜役の兵士を起こす。
「大丈夫か?!おい!しっかりしろ!」
「う、うーん、あれ?なんで寝てたんだ?」
捕虜役の兵士はそのまま医務室へ運ばれた。
幹部がここにくる。
「報告をしてもらおう。捕獲室の担当はお前だな?」
ユウは、お昼にトイレに行くため兵士と交代したこと。その後、昼ごはんを食べて戻ると入れ替わっていたことを報告する。
「そうか。監視塔のスタッフらとも昼食をとっている。そして、先ほどの兵士の調査でも、確かにお前がトイレに行くため交代して、この部屋を任されたと話している。
よし、行っていいぞ。お前は監視塔の手伝いをしていろ。」
ユウはあっさり解放される。
「あの、俺の責任でしょうか?」
「いや、そうとは決まらん。そもそも、あの捕虜は、実力的に、いつでも脱走できたんだ。
それが早まっただけさ。」
(なるほど、トウ姫様の実力はすでにわかっていたんだ。その気になれば拘束具も外せることも、織り込み済みってことか。)
◆
「妾が戻ったぞ、皆の衆。」
フェアリーリングは、本来の姫の帰還に歓喜していた。
「さて、本題はここからじゃな。奴らがどう動くか、それはユウとS…アリスからの報告を待つとするかのう。」
「わたしたちは一度戻ります。向こうでの生活もあるので。」
「わかった。気をつけろよ。」
◆
「おつかれユウ!大成功だったね!」
「ああ、だけど、本題はここからだよ。
奴らがどんな動きかたをするか。調査しないと。」
「だね。ユウは明日、上から呼び出しを受けているんでしょ?」
「ああ、そうだった。尋問されるのかなあ。嫌だなあ。」
「いざとなったら蹴散らしちゃえ!」
「そうだね。捕虜にされるよりはマシかも。」
◆
翌日。
「ユウ!お前を正式に、ネビル軍の総統括の一人に任命する!
今後の方針や、未来について、総帥様の元で学ぶように!」
「はい!かしこまりま……え?!総統括ですか?!」
「フハハ、驚いているな。前々からそうしようと思っていたのだ。
だが、今回捕虜が逃げた。もうお前の役割も無い。だから、総帥様の元へと判断したのだ。」
「かしこまりました。全力で励みます。」
◆
総帥会議。
ユウの簡単な自己紹介の後、会議は始まった。
これからのネビルの方向性についての話だった。
ユウは新入りのため、一から説明を受ける。
この星の歴史など。
その説明を受けて、驚愕するのだった。
第七十話 完
第七十話をお読みいただきありがとうございました!
ついに捕虜役を演じきり、さらにネビル軍の「総統括」にまで上り詰めたユウ。ここからが本当の潜入調査の始まりですね。そして、会議で語られた「この星の歴史」とは一体何なのか……。物語のスケールがぐっと広がる重要な回となりました!
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