2話 伊治呰麻呂って知らないけど仕官してみた(4)
呰麻呂の屋敷と言っても昔で言う竪穴式住居のような木造に屋根に藁が使われているそんな立派な物じゃない家だ。
伊治城(WIKIで調べたら正確にはこの時代伊治の柵というらしい)は木でできた城壁と木製の櫓が立派ではあるが中は大したことが無い城だ。本当に城柵というか砦という感じなのだ。
とりあえず呼ばれたから夕飯でも御馳走になれるのかなと思追いアザマロの屋敷を訪問した。
「こんばんは、こんな夜分に屋敷に呼んでいただいて光栄です。」
意味が通じるかわからないがとりあえず恐縮しながらお邪魔した。
「おお、待っておったぞ、夕飯も酒も用意してあるのでこちらへ」
なんかすごく歓迎されているのが不気味だ…まさかスパイ疑惑で暗殺されるのか…
「実はお主を紹介したい人物がおってな」
そう言われて視線の先を見るとこの時代としては比較的大柄な人物が座っていた。
「お主が学んだ兵法を是非とも教えてほしいというのじゃ」
「俺ははうかめのうくはうだ、お主は何者か存じぬが兵法者と聞いて是非とも会いたいと思っておった」
うかめのうくはう…
「宇漢迷宇屈波宇」と書くらしいとアザマロが教えてくれた。どこからが苗字でどこからが名前かわからない…。うくはうさんかな。
アザマロが色々と説明してくれた
「お主も聞いたことがあるだろうが、桃生の柵で暴れて朝廷に反旗を翻した男こそ、このうかめのうくはうの事よ」
「何故私がこの男と一緒にいるかというと…」
アザマロは言いにくそうに黙った。
なるほど、桃生城で反乱したうくはうと一緒に朝廷に反旗を翻すつもりでいるのか、スマホで調べたとおりアザマロの乱は近いと見える。
とりあえず一献と酒を頂いた。自分は実は尿酸値が高くたまに痛風になるので普段は焼酎しか飲まない。いったいこの酒とは何が原料のどういった酒かわからないがとりあえずアルコールの感じのする飲み物だった。
ウクハウは言う
「オレはこれ以上アザマロ殿に迷惑をかけられぬ。北の蝦夷を頼るか、再度蝦夷軍を結成して牡鹿の柵まで攻め込むか考えているのだが一向に良い案が浮かばぬ」
うーん、牡鹿の柵まで攻め込むとなると涌谷の砂金の利権まで蝦夷のものになるという事、そうなるとさすがの多賀城を中心とする朝廷も黙っていないはず。何せこの時代の金は陸奥でしか取れていない。
ウクハウは死ぬ気で蝦夷のプライドのために攻め込むか、恥を忍んで朝廷の権力の及ばない北、今でいう一関以北の岩手県内まで逃げるか考えているらしった。




