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ルシエルの残響  作者: 此崎 りつ
四章 後夜祭編
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4-0 赤毛の男

二人の生徒が、赤毛の男に耳打ちしていた。


「ああ、そうか、わかった。ご苦労だったな」


赤毛の男は目を細めながら手の親指に乗せた小石を弾き飛ばした。

桁違いの速度で放たれたそれは、目の前のグラスに命中し、粉々に砕け散った。


「──やっと見つけた」


眉の片方を吊り上げ、粘着質に笑みを浮かべる赤毛の男。

名前をローウェン・アッシュ。騎士科三年。

騎士団長の息子であり、凶暴な一面を持つ男。


「この落とし前はきっちり払ってもらわないとな」


気だるげな目で、ゆっくりと割れたグラスの破片を持ち上げ、

破片を握り潰し、粉々にした。

手のひらから滲んだ血が、ぽたりと床に落ちる。

ローウェンはそれを舐めた。


「さて──。パーティーの始まりだ」

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