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30.伝説の犬神

『瓦礫に埋もれた宿屋の地下』



ガサガサ ドサッ



ローグ「んん?この音は瓦礫を動かしてる…誰か来たのかな?」


学者「俺っちまだ十分動けんすよ?あたた…」


ローグ「右手は?」


学者「ギリ動きやす…」


ローグ「バヨネッタの引き金は引けるよね?これゲスさんの…」ガチャ


学者「うへぇ…重いっすね」カチャカチャ



??「おい!!誰か居るのか!?」



ローグ「あ!!この声は…」


学者「おっと…カルアさんすか?」



ダダダダ ドタドタ



戦士「おおおおお!!やっぱり隠れていたか!!」


ローグ「はあぁぁ良かった!!ミルクは一緒?」キョロ


戦士「俺も探している…ここに来てるかと思ったが居ないのか…」


ローグ「ええ!?どういう事?」


戦士「移送の途中で檻を破って抜け出したんだ…他のみんなは?」


ローグ「おいら達の船が沖に出てる…多分無事だよ」


戦士「そうか…そしてこの惨状は一体どういう事なんだ?」


ローグ「話せば長い…海の向こうから沢山のミサイルが飛んで来たって言えば分かる?」


戦士「それはここに来る前に聞いた…情報が混乱してて敵が誰なのか分からない状態なんだ」


ローグ「突然の事だったんだ…おいら達も訳が分からない」


戦士「海の向こうで黒煙が上がってるんだが…何が燃えている?」


ローグ「え!?気が付かなかった」


戦士「そうか…仕方ないな」


学者「カルアさん…左手どうなりやした?」


戦士「この通り義手を装着してる」ガチャ


学者「そら見て分かりやす…処置をどうしたのか聞いて居やす」


戦士「これ以上壊死が進まない治療はして貰ってる筈」


学者「そんなら良いんすけど治癒して居ない状況であんま無理すると腕ごと切らにゃならんくなりやすぜ?」


戦士「感染症対策でエリクサーは持たされた」


学者「そーっすか…今はエリクサー貴重なんで大事に使って下せぇ」


戦士「毒の事だな?」


学者「理解が早い様で…」


戦士「旧市街の方は毒が蔓延して厳しい状態なんだ」


学者「あらら…やっぱ虫相手だとそうなりやすよね…」


ローグ「ねぇ…向こうの方はミサイルの被害無いの?」


戦士「無い…こちらの状況が酷過ぎる…」


学者「確定事項じゃないんすけど敵は機械っすよ」


戦士「これだけ破壊出来るミサイルをどうっやって運んだのか…」


学者「今海の向こうで黒煙が上がってるって言いやしたよね?」


戦士「まさかキ・カイの軍船?」


学者「それしか考えられんく無いすか?」


戦士「…」トーイメ


学者「おろ?それは何か知ってそうな顔っすね…」ジロリ


戦士「俺は直接見てない…ただその当時キ・カイの軍船を拿捕する予定だった筈」


学者「おっと?それってもしかしてフィン・イッシュが隠し持ってたと言う事すかね?」


戦士「それは知らない」


学者「今の話からして機械にまんまとやられたって感じすね」


戦士「通りで情報が混乱してる訳か…シン・リーンのルイーダが目撃されたという話もある…」


学者「おっと?俺っちも噂を聞いたんすけど行方が分かってるんすかね?」


戦士「そんな情報が俺に落ちて来ると思うか?」


学者「立場的に一般人すか…落ちて来る訳無いすね」


ローグ「その赤い装備はどうしたの?」


戦士「これは赤備えと言って虫の目をごまかす事が出来るんだ…虫は赤色を検知出来ない」


ローグ「そうだったんだ…」


戦士「あああ!!そうか…このままではミルクの目にも見えないのか…」


ローグ「ミルクは目と言うよりも匂いだよ…多分大丈夫」


戦士「しかし…ここに来てないと言う事は何処に行ってしまったのだろう…」


ローグ「正気を失って暴れたりしてない?」


戦士「檻に入ってる間は大人しかった…フィン・イッシュに入って急に動き出したんだ」


ローグ「ミルクが正気を保っていたとするとこの状況でどうすると思う?」


学者「単騎特攻すね…」ボソ


ローグ「ハッ!!ミルクは海に沈まない…まさか海を泳いで…」


戦士「海へ入っただと?」


学者「ミルクちゃんは正義感強いんで可能性ありやすね…悪の親玉見つけて単騎特攻する悪い癖があるんす」


ローグ「一旦船に戻る?」


学者「ずっと海に居る訳も無いんで陸で待ってた方が良さそうっすけどね」


ローグ「そっか…」


戦士「どちらにせよもう日が暮れて海を探すのはムリだ…ガーゴイルにも襲われてしまう」


ローグ「なんか心配だなぁ…」


学者「ところでカルアさんは一人なんすか?」


戦士「バレン卿の私兵10名と一緒に移動して来た…オークの民兵と合わせて20名程の部隊になる」


学者「それって精鋭兵に当たる感じっすかね?」


戦士「そうだがそれが何か?」


学者「いや…この状況をどうにか出来る数には思えんのですが精鋭兵ならちっと違うのかなと…」


戦士「オークが加わって虫に対しては優勢…赤備えを普及させられれば追い払うのも可能に思う」


学者「うほほ…さすが旧セントラルの精鋭兵すね」


戦士「どうにかフィン・イッシュの忍びと協力したいのだが連絡場所の娼館が消失して困って居る所だ」


学者「あらら…娼館の方にも地下があるんで隠れてるかも知れんすよ?」


戦士「おおお!!そうだったのか…」


学者「場所は分かりやす?」


戦士「サクラ婦人から聞いてる…早速だが伝令を頼まれて居るから用事を済ませてくる」スック


ローグ「ねぇ!!カルアさんはここに戻って来る?」


戦士「勿論!俺はミルクを探さねばならん」


ローグ「じゃぁ待ってる…ミルクを誘き出すならシカの肉…それか大量の豆」


戦士「入手して来いと?」


ローグ「出来れば…」


戦士「忍びとコンタクト出来れば一応聞いてみる」


ローグ「お願い!」


戦士「では行って来る」スック タッタッタ





『フリゲート船_甲板』



ザブン ユラ~リ



女盗賊「又大きな波…ソル!!イッコさんが海に落ちない様に捕まえてて」


賢者「まだあの船に近付けないですか?カゲミさんを探しに行きたい…」ソワソワ


人造ロボ「この波は海中爆発による波だから近付いてはダメ…核弾頭が爆発してしまうとこの波の比じゃ無い筈」


女盗賊「核弾頭?」


人造ロボ「とても強い爆弾…あの戦艦には搭載されててもおかしくない」


女盗賊「それからあの纏わりついてる黒い影は何だろう?」


賢者「カゲミさん…」



爆発炎上を続けるキ・カイの戦艦は船尾を持ちあげながらゆっくりと垂直に立とうとしていた


そして海中から現れた謎の黒い影が戦艦を包み込む様にうごめく



賢者「魔王の影…かも知れない」ボソ


女盗賊「え!!?あの黒いのって魔王の影なの?」


機工士「暗くて俺にはまったく見えない…望遠鏡は無いのか?」


女盗賊「ゲスが使ってたやつが何処かにある…探して!」


賢者「ソルさん…あの船が完全に沈没するまでどのくらい掛かりますか?」


人造ロボ「シミュレーションでは船尾を持ち上げた状態から約2時間…」


賢者「2時間…」ソワソワ


人造ロボ「本当は核爆発に備えて退避した方が良い…私があの戦艦なら使う筈…」



機械には自爆機能が備わって居る


しかし結果的にそれは機能していなかった


海中から出現した黒い影…それは大量の線虫…


線虫は酸を吐きあらゆるものを腐食させ


爆弾の信管にあたる部分へも深刻なダメージを与えていた


そして誰に悟られる事も無く静かに事態は収束して行く


その黒い影を操って居たのは白銀のウェアウルフとなったミルク…


蟲毒を使う伝説の犬神が密かに動いた結果だった



------------


------------


------------




『夜明け前_とある宿屋跡地』



バカラッ パカパカ ゲヒヒ~ン



戦士「ここまでで良い…世話になった」


兵隊「海寄りは虫が少ないな…こちらまでは降りて来ないか…」


戦士「もう戻った方が良い…ガーゴイルが減って来る時間だから戦いにくくなる」


兵隊「お前は一人で大丈夫なんだな?」


戦士「仲間が隠れてる…行け!」


兵隊「そうか…では生きて又会おう!!」ビシ!


戦士「おいおい俺はもう兵隊では無いぞ?」ビシ!


兵隊「去らば!!」グイ



ヒヒ~ン!! バカラッ バカラッ



戦士「さて…もうすぐ夜明けだ…俺は俺のやることを…」



ガサリ ゴトン…



ローグ「カルアさん…今の兵隊は友達?」スタタ


戦士「まぁ…戦友だ…良さそうな兵隊だろう?」


ローグ「そっか…あの人は子供達を守る為に一人でアンドロイドと向き合ってた強い人だ」


戦士「フフ…そうだったのか…その話をサクラ婦人にしておけば待遇も良くなっただろうに」


ローグ「ミルクを誘うエサは入手出来たかな?」


戦士「沢山とまでは行かないが豆を入手出来た」ドサ


ローグ「それでも良い…近くに居るなら匂いを嗅ぎつける筈」


戦士「ゲス君はどうしてる?」


ローグ「左半身が麻痺で動け無い…ちょっと長引きそうだと言ってる」


戦士「では連れて歩く訳に行かないな」


ローグ「右手は使えるからここの地下で隠れて居ればバヨネッタで自衛出来るよ」


戦士「いや…負傷した仲間を一人にするのは良くない…突然容態が悪化するのは良くある」


ローグ「じゃぁおいらは此処に残った方が良いかな?」


戦士「アドレナリンが少なくなった頃に突然昏睡したりするから目を離してはいけないよ」


ローグ「夜明けからミルクを探しに行こうと思ってたんだけどな…」


戦士「それは俺がやる…それより沖に停泊してる船に戻る手段はどうするつもりなんだ?」


ローグ「何処かに小舟とか無いかな?」


戦士「虫から逃れる為に一般民がすべての船を使ってしまっている様だが…」


ローグ「じゃぁもう樽か何かに掴まって泳ぐしかないね」


戦士「ううむ…装備品を全部置いて行く事になってしまうが…まぁそれでも良いか…」


ローグ「確かにその装備品は重そうだね…」


戦士「これはウ・クバ領の兵隊達が身に付けている物だが普通には手に入らない貴重な物なんだけれどね…」


ローグ「こうしよう!おいらが使える樽を集めておく…それに入れれば装備品も運べる」


戦士「ふむ…良いね…ゲス君の容態は気を付けておくんだよ?」


ローグ「あいさー!!」



ワオ~~ン アオ~~ン



ローグ「あ!!遠吠え…ミルクじゃない!?」キョロ


戦士「ど…どこだ?」キョロ


ローグ「灯台の方角から聞こえた気がする」



ザワザワ ザワザワ



戦士「またか…虫が騒ぎ始めた…」


ローグ「え?どういう事?」


戦士「ミルクが蟲毒という魔法の様な技を使って居るかも知れないんだ」


ローグ「それと虫とどう関係するの?」


戦士「蟲毒とは虫を操る技らしい…考古学に詳しい爺さんから聞いた」


ローグ「ミルクが虫を操っているだって?そんな訳無い…」


戦士「勘違いしないで欲しい…虫を操って共食いを引き起こす…そうやって俺達は守られながら移動して来た」



ドロドロ ドロドロ ドロドロ ドロドロ



ローグ「灯台の方!!黒い影がこっちに向かって来る…なんか早い!!」タジ


戦士「居た!!見えたぞ!!あの影の中にミルクが居る!!」


ローグ「ああ!!おいらにも見えた…あれがミルク?」


戦士「間違いない…あの走り方はミルクだ」


ローグ「し…信じられない…これじゃまるで魔王じゃないか…闇を纏っている様に見える…」


戦士「来るぞ…何か咥えてる…どういう事だ?」


ローグ「これ…どうすれば?…黒い影に飲まれてしまう…」タジ


戦士「ミルクは仲間だ!敵じゃない!」


ローグ「うわぁ!!虫が目に…鼻からも…」




『犬神』



その姿は神々しいとはかけ離れている


むしろ黒い闇を纏い禍々しい


中心に居るのは白銀の毛に身を包んだ犬神


犬神は口に咥えたヘドロの塊を放り投げた



ドサ!! ゴロゴロ ベチャー



戦士「なんだ?人か!?」


ローグ「虫に覆われてる…」


戦士「ミルク!これはどう言う事だ?」


ローグ「あああ!!この人カゲミさんだ!!」ダダ


戦士「なに?」


闇商人「…」グッタリ


ローグ「カゲミさん!!どうしてこんな事に…あれ?息をしてない…」ユサユサ ペシペシ


戦士「ミルク!何があった?」


ローグ「まさか虫を使ってカゲミさんを?」プルプル


戦士「馬鹿な…ミルクがそんな事をする訳…」


犬神「グルルルル…」ギロリ


ローグ「くぅ…まだ蘇生出来る可能性がある!!おいらには賢者の石がある!!」


闇商人「…」クター


ローグ「カゲミさんは船に乗ってた筈なのにどうして…」


戦士「フーガ君…心臓マッサージは分かるか?」


ローグ「今やる!!」グッグッ


犬神「ウオーーン」クルリ シュタ


戦士「待てミルク!行くな!一緒に帰るぞ」


犬神「…」ピタ


戦士「俺はミルクを信じてる…虫を使う事で不審に思われたく無いのだろう?そんなの俺はどうでも良い」


戦士「姿が変わってもミルクはミルクだ…そして俺はまだミルクとの約束を果たせてない」


犬神「ガウルルル…ガウガウ!」


戦士「分かってる…言葉を使えなくたって良いんだ…傍に居れば良い…100万回撫でてやる」


犬神「!!?」ピク


戦士「ミルクの大好きな豆も用意したんだ…そんなにヘソを曲げないでくれ」


ローグ「カルアさん!心臓のマッサージ交代して!!ミルクの姿を元に戻せるんだ」グッグッ


戦士「なんだって?」


ローグ「変化の杖をおいらが持ってる…これを使えばミルクは自由に姿を変えられる」


戦士「そういう話は先に言ってくれ!100万回撫でるとか言ってしまったぞ」ダダ


犬神「…」ジトー


ローグ「ミルク!!今元に戻してあげる…話はその後にしよう」スッ


戦士「それが変化の杖か?」


ローグ「こっちは良いからカルアさんはマッサージを!」


戦士「分かってる」グッグッ


ローグ「ミルク!そのまま動かないで…おいらはしっかり人間だったミルクの姿を覚えてる…いくよ?」


犬神「…」


ローグ「チチンプイプイ…ミルクの姿になあれ!!」スッ



シュゥゥゥゥ…



戦士「おおお!!これが魔法か…」


狼女「元に…戻った…のか?」


ローグ「あああ失敗した…おっぱいを大きくし過ぎた…これはイッコさんのおっぱいだ」アタフタ


狼女「おおお!しゃべれる…」


戦士「それよりミルク…傷だらけじゃ無いか」


狼女「これくらい豆を食べたら治る…豆は何処だ?腹が減って力が出ん」


戦士「向こうに袋があるだろう…その中に入ってる」


ローグ「ちょっと…カゲミさんが死にそうな事分かってる?」


狼女「カゲミからはオークの匂いがするからそれくらいじゃ死なん…溺れて息が出来んかっただけだ」


ローグ「いや…それじゃ死ぬよ」


狼女「ミルクは豆食ったら寝るからな?泳ぎ疲れたぞ…」ヘロヘロ


ローグ「着る物くらい何処かで入手しないかい?」


狼女「フーガが探してこい…ミルクは疲れてるんだ」


戦士「ハハ…やっぱりミルクはミルクだな…」


ローグ「カルアさん!カゲミさんはちょっと任せる…おいらゲスさんに報告してくる!」


戦士「そうだな…出来ればもっと良い蘇生処置の方法を聞きたい」


ローグ「うん!!おいらが背負って来るよ」シュタタ




『蘇生』



う~ん…


顔色は悪く無いんで一応酸素は回ってそうっすね…


心臓も呼吸も止まってて何でこんな状態なのか…


こんな状態だと普通は全身チアノーゼで死後硬直始まるんすけどね…


シアン化合物か何かの毒に侵されたんすかねえ…



学者「一応マッサージと人工呼吸は続けて下せぇ」


ローグ「助かるかな?」グッグッ


学者「なんとも言えんす…エリクサー漬け直後はこんな感じになるんすけど…」


ローグ「見つけた時はヘドロみたいな虫の塊の中だったんだ…関係無い?」


学者「虫…う~ん…」


戦士「みんな喜べ!!俺達の船がこちらを見つけた様だ…寄せて来てる」ユビサシ


学者「助かりやしたね…俺っちもなんか吐き気が止まらないんで横になりたいっす…おえっぷ」



ターン!



学者「んん?」キョロ


戦士「大きな蟻だ!!キラーアントだな…」


学者「援護射撃貰えてるんでカルアさん一人でどうにかして下せぇ」


戦士「分かってる!!」スック


学者「余裕あったら蟻の牙をもぎ取って貰えやす?一本銀貨10枚で売れやす」


ローグ「蟻の死体はそこら中に落ちてるよ」


戦士「こんな時でも物資調達か…」


学者「ちっと稼がんとこれから苦労するんすよ」


戦士「仕方が無い…行って来る」ダダダ


学者「さーせんフーガ君…まじしんどいんで横になりやす…」ドター


ローグ「あわわ…ミルクも寝ちゃったし困ったな…」グッグッ


闇商人「…」グター


ローグ「あれ?」



---なんかカゲミさんが若返ってる気がする---


---火傷の痕も無くなってる気が---


---ふやけたからかな?---


---もしかしてドロドロの虫の効果なのか?---




『フリゲート船』



ユラーリ ギシ



女盗賊「桟橋無いからこれ以上近付くと危ない!!ココアさん碇落として!!」


機工士「これか!?」ガラガラ


女盗賊「イッコさん!!この距離なら泳げるよね?」


賢者「はい…私行ってきます!!」ピョン ボチャーン


女盗賊「ふぅ…ソルはそのまま援護射撃狙っててね」


人造ロボ「飛んでるのはどうする?」


女盗賊「襲って来る様なら狙って」


機工士「次俺はどうすれば良い?」


女盗賊「荷上げの準備!網を下ろしておけば何か持って来ても引き上げ易くなる」


機工士「分かった…」ドタドタ


女盗賊「ミルクが裸という事は変態が解けて寝てるとして…ゲスとカゲミさんは重体なのかな…」


人造ロボ「カゲミの方は体温が低い…既に死んでると思われるわ」


女盗賊「え!!?そんな…」


人造ロボ「まだ腐敗による温度上昇に至って居ないからホムンクルス生体での再生は可能性がある」


女盗賊「それって私と同じ…」


人造ロボ「4000ccのエリクサーが有れば脳を保存出来るけれど有る?」


女盗賊「ゲスが作り溜めてるのが有る筈」


人造ロボ「用意しておいた方が良い…」


女盗賊「分かった…直ぐに用意してくる」スタタ




『30分後…』



ドタドタ ドタドタ


カゲミさんのマッサージを早く再開して!!


ミルクは甲板にそのまま横にして良い!被せ物だけ何とかしてくれ!


ゲスはまだ意識ある?話せるかな?



女盗賊「ゲス!!カゲミさんの処置をどうすれば良いか教えて!」スタタ


学者「残念なんすけど…手遅れっすね…」グッタリ


女盗賊「ソルが脳を取り出してエリクサーで保存すれば私みたいに再生出来るって…」


学者「それ俺っちにやらせるつもりすか?」


女盗賊「ゲスしかやれる人が居ない」


学者「今左半身麻痺してて動かんのですよ…立つのもやっとっす」


ローグ「じゃぁおいらがやる!」


学者「ダメっす…脳の摘出はそもそも専用の器具を使わんと出来んす」


女盗賊「まだ硬直してないし顔色も悪くないのに…」


学者「もしかしたらの話なんすけど…」


女盗賊「何?可能性があるなら言って」


学者「湯を沸かして少しづつ体温を上げて行って下せぇ…もしかしたらエリクサー漬けの仮死状態なのかも知れんす」


人造ロボ「温度を上げると腐敗が加速するから脳の保存は諦める事になるけれど…それで良い?」


学者「どっちにしろ適切に脳を取り出すのはムリっす…揺れてる船で出来る訳無いっす」


女盗賊「湯を沸かせば良いんだね?」


学者「ゆっくり温めるんすよ?半日以上かけて元の体温に戻す感じっすね」


女盗賊「フーガ!!樽を割って湯を張れる桶を作って」


ローグ「分かった!!」ダダ


学者「俺っちもなんか意識飛びそうなんで後はたのんます…」グター


女盗賊「ゲスの処置はどうする?」


学者「麻痺してて自分じゃ何処が痛んでるか分かりやせん…怪我してる部位を探して欲し…うおぇぇぇ」ゲロゲロ


女盗賊「吐血…」タジ


学者「げふっ…うぉえっ…た…たのんます…」ハァハァ グター



--------------


--------------


--------------




『数日後_帰路』



一行はミファの判断によりフィン・イッシュを離れた


帆走はミファとフーガ…ココアの3人が担当する


重体だったゲスは血栓が脳に詰まった事による軽い脳梗塞と自己診断した


左半身の麻痺は相変わらず続いている


カゲミは樽湯で体温を上げた事で奇跡的に一命を取り留めた


弱いながらも微かに心肺が活動を始めたのだ


しかし昏睡状態は依然そのままだ


そして人間の姿へと戻ったミルク…



カクカク シカジカ…



狼女「…そうだ…ミルクの言う事を聞く虫は大体小さな虫なんだ」


戦士「どのくらいの大きさまでだ?」


狼女「イナゴとかそれくらいに思う…試して見んと分からん」


女盗賊「具体的にどういう風に言う事を聞かせるの?」


狼女「妖精に命令するだけだな…ウェアウルフの姿だったら文句言いながら従う」


女盗賊「いつもの妖精?」


狼女「うむ…カゲミの場合溺れてたからどうにかして助けろと言ったら小さなニョロニョロした虫が集まって来た」


戦士「それは人間の姿をしていても出来る事なのか?」


狼女「なんか豆をくれとか色々要求してくるけど多分言う事聞くぞ…やって見るか?」


女盗賊「見たい!」


狼女「豆はミルクが食べる為に大事に残してるんだけどな…」ブツブツ



狼女「おい妖精!!豆をやるからゲスの体調をどうにかして働かせろ!」



女盗賊「…」キョロ


戦士「何も起きん様だが…」ハテ?


狼女「だから小さいって言っただろう…床を良く見て見ろ」



ニョロニョロ



女盗賊「ええ!?これだけ?」


狼女「そのうち集まって来る」


戦士「ハハ…どうも想像してたのと違うな…前は黒い闇みたいな集合体だっただろう」


狼女「集まればあんな感じになる」


女盗賊「これって効果ある?」


狼女「カゲミは生き返っただろう…鉄の船を壊せと命令したら集まって鉄まで食ってたぞ?」


女盗賊「そういう事だったのかぁ…」


戦士「ではゲス君はそのうち体調が良くなると思って良いのだろうか?」


狼女「多分な?ちょっと時間掛かるけど今まで命令した事は全部やりとげた」


戦士「それじゃぁ何でも出来ると思って良い訳か…」


狼女「それはやってみんと分からん…でもな?この力が欲しい奴が居るからバレない様に使う必要がある」


女盗賊「それって誰?」


狼女「ウェアウルフに変態した時にしか聞こえんのだが魔王の声みたいなのが聞こえるんだ」


戦士「待て…ミルクから魔王の事を言いだすのはおかしい…今までそんな事を一度も言った事が無い」


狼女「でも本当なんだ…その声はミルクの体を狙ってる…器を空け渡せとか言って来る」


女盗賊「器?」


狼女「ミルクの体の事だ…多分ウェアウルフになったミルクに乗り移りたいんだ」


戦士「それはもしかすると…」トーイメ


女盗賊「カルアさん何か知ってるの?」


戦士「いや…なんでもない」---あの黒装束の男が言ってた事は本当なのか?---


狼女「カルア…立場分かってるんだろうな?ミルクに隠し事は許さんぞ」


戦士「気にするな…兎に角俺はミルクが今の姿で居る事が望ましいと思う」


狼女「ミルクも言葉がしゃべれないのは不便だと思ったからこのままが良い…豆もこっちの方が食べやすい」


戦士「…」---これはゲス君に個別で相談した方が良さそうだ---


狼女「おいカルア!100万回撫でると言う話はどうなってる?」


戦士「あ…あぁ…そうだったな…」ナデナデ


女盗賊「うふふ…もう2人結婚したら?」


狼女「ミルクはそれでも良いけどな?カルアの子供だったら産んでやっても良いぞ?」


戦士「待て待て…どうしてそういう話になる」



学者「ぎゃぁぁぁ…ななな…何なんすか!この虫は!!うわわわ…目の中に…ちょちょ!!誰かぁぁぁ!!」



女盗賊「あ…ゲスが騒いでる…ちょっと説明してくるね」スタタ




こうして一行はそれぞれが入手した情報を交換して行った


その中で気付いた事はこの大陸の内陸部で何か起こって居そうだと言う事だ


内陸の中心といえばシャ・バクダ周辺を指す


そこを統治しているのは旧セントラル貴族のハーラル公という人物だという情報をカルアが入手していた


恐らくアーカイブを通じて操られて居そうだと言う事で意見が一致した


何故ならかつて公爵と呼ばれた貴族に近しい人物だったからだ


そしてシン・リーンのルイーダも内陸部で暗躍していそうだ


一行はこの様な世界の情勢とは距離を置く形で船を進める


行き先はシン・リーンの旧港町にある隠れ家…


シャ・バクダとは遠く辺境の地だ…



冒険は続く…



=========================


あとがき


ほとんどノープランで終着点を何も考えず書いて居ます


ここまでが序章なのかな?…と言うのが正直な所


もう続きはある程度書いて居るのですが一旦此処で区切ります


次は7,5です

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