18.お稲荷様の祠
『翌日_宿屋裏』
メラメラ モクモクモクモク
狼女「ゲフゲフ…目も沁みるな…ゴホゴホ」
女盗賊「しっかり囲わないと煙が舞っちゃうね…」
狼女「シカ肉を燻製にするのも面倒くさいな…ゲフゲフ」
女盗賊「仕方ないよ…直ぐに腐っちゃうから…」
狼女「カルア!一つ味見で食べて見てくれ」
戦士「まだ早い…それはまだ生だ…」
女盗賊「このまま2時間くらい燻す必要がある…しっかり水分抜かないと腐っちゃう」
狼女「そんなに時間掛かったらもう今日は狩りに行けんぞ」
タッタッタ
狼女「んん?」キョロ
兵隊「なんだ…煙が出ていると思ったら燻製を作って居たか…」
狼女「ここでやっちゃダメだったか?」
兵隊「まぁ火事には気を付けてくれ…それから港の方でテロが発生してるから不審な者が居たら教えてくれ」
狼女「テロって何だ?」
戦士「昨夜爆発音がしただろう」
狼女「あぁ…そういう事か…」
兵隊「呑気にシカ肉を燻してる辺り関係なさそうだな?」
狼女「ミルク達を疑ってるのか?」
兵隊「こっちも仕事なんだ…全員を疑って接する必要が有る」
戦士「そ…それは大変だ…ハハ」
兵隊「んん?お前何処かで見た気がするな…」ジロジロ
戦士「廃兵と言って通じるか?傷痍軍人と言った方が良いか…」
兵隊「おお!そうだったのか…見た所五体満足そうだが…」
戦士「手足を失わなくて運が良かった…まぁ満足に動ける訳では無いから察してくれ」
兵隊「栄誉に!」ビシ
戦士「そんな敬礼されるほどでも…」ビシ
兵隊「では!!」スタスタ
狼女「今のは兵隊同士の挨拶か?」ビシ
兵隊「まぁそうだ…兵隊以外の者が敬礼をするのは好まれないぞ?」
狼女「ふーん…」
女盗賊「なんか良さそうな人だったね?」
戦士「兵隊の多くは善人だ…一般人に嫌われる態度をするのは只規律が厳しいだけなんだよ」
狼女「でも敵に回られたらどうすれば良い?」
戦士「困った質問だな…」
女盗賊「関わらないのが一番じゃない?」
狼女「カルアもミルクの敵に回る事はあるか?」
戦士「今の所俺が勝ってる」
狼女「そういう話じゃ無い」
戦士「ミルクが善人で居るなら敵には回らない…ただ悪人になってしまうなら俺は敵に回るかも知れない」
狼女「悪人になる?」
戦士「そうだ…俺が止めてやると言ってる」
女盗賊「もうその話は止めよう…善と悪の基準が分からないし話が拗れるだけ」
狼女「まぁ良いや…」
---ミルクが悪になる事なんてあるか?---
---発作をガマン出来れば悪になんかならない---
『昼過ぎ』
パク モグモグ
狼女「どうだ?美味いか?」
戦士「ふむ…まぁまぁだ…始めて作ったにしては上出来に思う」モグ
女盗賊「ミルク良かったね?褒められてるよ?」
学者「もどりっすーー!!」ドタドタ
狼女「遅かったな?取引は終わったのか?」
学者「一応終わったんすけど金貨は入手出来て無いっす…てか破談するかも知れんすね」
女盗賊「お金が入手出来ないとどうするの?」
学者「まぁまだ1カ月あるんでちっと自力で稼ぎやしょう」
狼女「又シカ狩りか?」
学者「俺っちが遅くなった理由はっすね…コレっす」パサ
女盗賊「ん?求人?」
学者「傭兵を募集してるんすよ…一人当たり金貨2枚っすね」
狼女「それならシカ狩りの方が良さそうだけどな…」
学者「ええと…フィン・イッシュからウ・クバ領まで行く商隊の傭兵なんす…移動代も込みなんすよ」
戦士「お?」
学者「興味出て来やした?」
戦士「海に沈んだ古代遺跡のサルベージが行けるね…」
学者「ビンゴ!!俺っちの狙いはそれなんすよ」
女盗賊「海に沈んでるってどう言う事?」
学者「一回行った事あるんすけど浅瀬になってる港は多分全部沈んだ古代遺跡なんすよ…あんま深く無さそうっすね」
女盗賊「じゃぁゲスがいつもの酸素マスク付けて潜る感じかな?」
学者「多分そうなりやすね」
女盗賊「古代遺跡の奥にどうやって入るつもり?」
学者「ヌフフフフ…狙いはそれじゃ無いんすよ…ヌフフフフフ…ナハハハハ」
狼女「それじゃ分からん!」ポカ
学者「あたっ…さーせんちっと興奮しやした」
狼女「イライラするから早く言え!」
学者「古代遺跡に引っかけた船が沢山沈没してると思うんすよ…チェストボックス一個引き上げるだけでお宝ザックザクっすよ?」
女盗賊「あ…それ良さそう…」
戦士「確かにウ・クバ領は海戦で沢山の船が沈んでいる筈だ…もしサルベージ出来るならかなり期待出来る」
学者「夏の今時期しかチャンス無いっす…ほんでここよりかなり涼しい筈なんで快適な旅になりやすぜ?」
狼女「よし!行くぞ!!」
学者「あわよくばウラン結晶も眠ってるかも知れんので期待値高いっす!」
戦士「商隊なら出発は早朝になるのでは?」
学者「旧市街の方っすね…今日中に移動しやしょう」
狼女「持ち物はどうする?」
学者「余ってるミスリルの武器も向こうで売れるかも知れんので持って行きやすか」
狼女「分かった…準備するぞ」
学者「一時間後位に出発で良いっすかね?一応傭兵なんでちゃんと武装してくだせぇね?」
『1時間後_定期便馬車』
ハイヤー パシン!! ヒヒ~ン! ゴトゴト
学者「ふぅ…馬車に乗るのはメチャクチャ久しぶりっすね」キョロ
女盗賊「船を拠点にしてるとどうしても内陸には行かないからね?」
学者「カルアさんは内陸の方がどうなってるとか知らんすか?」
戦士「俺も行って無いから良く知らない…話によると昔のままだと言う事だよ」
学者「昔ってのが良く分からんすね…そもそも俺っちは向こうの大陸出身なもんで…」
戦士「古きセントラルの影響を未だに引きずって居ると言うか…」
学者「貴族政とかっすか?」
戦士「まぁそれも一つ…他にも良くない風習は今でも変わらないらしい」
狼女「ミルクは少し分かるぞ?」
学者「どんなんなんすか?」
狼女「奴隷狩りとかだな…身分制みたいなのもあるみたいだ」
学者「身分制って何すか?」
戦士「商人には商人の証明…農民には農民の証明があってね…それぞれ待遇が違うんだ」
学者「おっと?俺っち何の証明も持って居やせんぜ?」
戦士「そういう人はおよそ貧民街で暮らす事になる…階級制と言えば良いのだろうか」
学者「あんま自由は効かんて事なんすね?」
戦士「金を払えば何でも自由になると言う言い方もあるけどね」
学者「なんとなく分かって来やした…やっぱ金っすか…」
戦士「一つ注意しておくが賊がかなり手強いとだけ教えておく」
狼女「どういう風に手強いんだ?」
戦士「昔はエルフ狩りなどをやって居たそうだ…エルフを生け捕り出来るくらいには手強いらしい」
学者「それかなりやり手っすね…」
戦士「商隊で傭兵を募集しているのはそういう事だと覚悟した方が良いよ」
女盗賊「みんなバヨネッタ持ってるから大丈夫じゃない?」
戦士「う~ん…巨大な恐竜を引っ張って来られたらどうする?」
学者「ちょちょ…賊ってそんな事しやす?」
戦士「そういう相手だよ…まぁ…商隊で運んでる物次第だろうけどね」
『旧市街』
ゴトゴト ヒヒ~ン ブルルル
はい降りた降りたぁ!!
商隊の詰め所は真っ直ぐ下って行って左側だ!!見えるか?
てか今時期ソリでも無えのに何を運ぶってんだ?まぁ…関係無えか…じゃぁ気を付けてな?
学者「久しぶりに来やしたが…随分変わりやしたねぇ…」キョロ
狼女「…」ウツムキ
戦士「まだ当時の戦いの傷跡が残って居る…再建中という所か…」
学者「カルアさんはここで戦ってたんすか?」
戦士「思い出したくも無いな…凄惨の限りだ」
狼女「もうヤメロ…その話は聞きたくない」
戦士「…」チラリ
女盗賊「ねえ…内海の方に船がある…ウ・クバ領まで商船は出ていないの?」
学者「そういやそうっすね…なんで陸路で商隊なんすかね?」
戦士「ふむ…海路で運びたく無い物の輸送か…もしくは罠か…」
学者「おっと?」
女盗賊「もう話はしてあるの?」
学者「いやこれからっす…いつでも傭兵を募集してるとか言ってたんすよ」
女盗賊「誰に?」
学者「ごろつきみたいなのがビラを配ってたんすよね…」
戦士「罠の可能性が高いね」
学者「ほんじゃ止めときやす?」
女盗賊「そう言うのは逆に稼げるチャンスでもあるんだけど…」
戦士「傭兵を集めて罠にかけると言うのはそれなりにリスクがある筈だがね…」
学者「傭兵を上回る何かを持ってるって事っすか…逆に言うとそれを奪える可能性も有る訳っすね」
戦士「まぁ話だけ聞いて探ってみるのも良いかも知れない」
女盗賊「傭兵を罠にかけて何か得する事ある?」
学者「それなりの装備品くらいっすか…傭兵は大抵金持って無いっすからね」
ローグ「ゲスさん…アンドロイドを運んでる可能性は?」
学者「…」
ローグ「海に落ちらた一発アウトだ…陸路で輸送する理由になる」
学者「プラズマ銃は置いて来ちまって居やすよね?」
ローグ「うん…どうしよう?関わるの止めておく?」
狼女「ミルクは魔石銃を持って来てるぞ?」
ローグ「それでも良いね…少し調べて見ない?」
戦士「待ってくれ…傭兵の依頼を受けたからには最後まで守るのが筋だぞ?途中で放棄するのは道理から外れる」
学者「まだそうと決まった訳じゃ無いんで一応少し調べやしょう」
戦士「警告しておく…いくら正義だとしても道理から外れる様では理解されない…追われる身になってしまうのは覚えて欲しい」
狼女「…」ジロリ
学者「それって兵隊の視点っすか?」
戦士「そうなってしまうか…兵隊は事情のすべてを知って居る訳では無いから下手な事をすると敵に回す事になる」
学者「まぁまぁ…とりあえず様子だけ見やしょう」
戦士「分かった…」
『商隊の詰め所』
ワイワイ ガヤガヤ
おらん所のブタのよし子ちゃんを嫁に出すんだべ?
今ウ・クバ領の方では堆肥が高く売れるみたいだな?
タッタッタ
学者「お待たせしやしたぁ!!話してきやしたぜ?」
ローグ「なんか…普通の商隊っぽいね…ハハ」キョロ
学者「そーっすね…運んでるのは家畜がメインっすね…途中のキャンプで飼料食わせながら移動みたいっす」
戦士「見た所…馬車が10台程度か?」キョロ
学者「まだ集まってくる見たいっす…全部で20台くらいらしいっすね」
戦士「商隊を何から守るとか情報は無いのか?」
学者「ウルフとかの魔物っす…特にウェアウルフとかが出ると被害大きいみたいっす」
狼女「…」
女盗賊「そ…それミルクが居たら襲って来ないんじゃ?」アセ
狼女「話してやっても良いけど肉を要求されるぞ?」
女盗賊「もう直ぐ満月も来てしまうし止めにしよう!!」
戦士「俺もそれに賛成だ…さすがに同族と戦うのは堪えると思う」
狼女「ミルクは大丈夫だ…もう尻尾も無いし同族とも認められん」
戦士「いやダメだ!もし戦う事になったらそれこそ同族との道理に外れる」
狼女「カルア…」
学者「まぁ止めやしょうか…実はミファさんも傭兵にカウントされんので報酬貰えんのですよね」
女盗賊「商船が有るんだからウ・クバ領に行くのならそっちの方が良いに決まってる」
学者「ほんじゃ話に行きやすかねぇ…」
狼女「…」トーイメ
---ミルクはなんで人間のフリをしてるんだろう---
---本当はみんなの敵なんじゃ無いか?---
---違うな---
---本当は人間を襲う気なんか始めから無いんだ---
---気付いたらそうなってるだけなんだ---
---ただ撫でてくれればそれで良いのに---
---何処からか狂気が湧いて来る---
---なんでだ?---
『干上がった港』
ザック ザック
学者「これ昔はもっと海面が高かったって事っスよね?」キョロ
女盗賊「動け無くて放置された船が…ええと…20隻くらい?」
学者「こんな近くまで来たの初めてなんすけど…なんでこれ放置して船の墓場みたいにしてるんすかね?」
戦士「大砲が乗って居るから昔は固定砲台として運用した時期もあったそうだ…放置して居る理由は良く分からない」
学者「こんないつ倒れるか分からん船が沢山あるもんで他の建物建てるのも出来んすよね」
女盗賊「もう風化してるから解体しても燃やすくらいしか使い道無さそう」
学者「住居として使ってる感じも無さそうっすよねぇ…」キョロ
戦士「あぁ…移民はもっと良い住居を国から与えられるからわざわざ朽ちた船を使う必要も無い」
学者「ほーん…なんか野党の住処になっちまいそうな雰囲気も有るんすけどねぇ…」
戦士「野党では無く野犬が住んで居るという話は聞いた事がある…あと幽霊が出ると言う噂もあったね」
狼女「…」クンクン キョロ
ローグ「ミルク…何か匂う?」
狼女「油が焼ける匂いだ…何処かに機械が居るぞ」クンクン
ローグ「エネルギー密度はまだ検知して無い…300メートル以上離れてるかな…」
狼女「どうする?方角分かるぞ?」
学者「一応確認して行きやしょう」
狼女「こっちだ!!」シュタタ
『朽ちたキャラック船』
シーーーーッ
ローグ「これ以上近付くと検知される可能性がある…」コソーリ
学者「この色は魔石じゃないっすね…もしかしてウラン結晶かも知れんす」
ローグ「多分そうだよ…でも動いてる…」
アオーン ワン ワン
狼女「野良犬も一緒に要るな…もう気付かれてるぞ」
学者「ミルクちゃんは野良犬を追っ払えんすか?」
狼女「それは多分出来るけどアンドロイド出て来たらどうする?」
ローグ「ミルク!魔石銃を貸して…おいらが仕留める」
狼女「分かった…アンドロイドが手に負えなかったらミルクの方に向かって走れ…破壊の剣を使う」
ローグ「うぃっす!!」
狼女「じゃぁ行くぞ!遅れるな?」シュタタ
学者「ほんじゃ残りは援護出来る位置取りにバラけやしょう」タッタ
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『数分後…』
ビビビ ピカー
学者「お!?撃ちやしたね…突入っす!!」ダダ
戦士「何が起きて居るか分からない!」
学者「俺っちもエネルギー反応しか見えてないんす!付いて来て下せぇ!!」
女盗賊「ミルクの方はどうする?野良犬に囲まれてるけど…」
学者「ミルクちゃんが野良犬に負けると思いやす?」
女盗賊「でもなんか20匹くらい居る…」
学者「大丈夫っすよ!!走って下せぇ!!
タッタッタ…
狼女「カルアこっち来い!!」
戦士「え!?俺?」
狼女「肉だ!バックパックに肉を沢山入れてただろう」
戦士「今行く!!」タッタ
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『朽ちたキャラック船_穴』
ドタドタ
学者「フーガ君無事っすか!?」
ローグ「大丈夫!見て…」
女盗賊「ええ?機械の…犬?」
学者「こいつが動いてたんすね?」
ローグ「一応魔石銃で動きを止めた…又動き出す前に処置出来る?」
学者「任せて下せぇ…こいつは良くジャンク屋にパーツが有るんすよ」ガチャ
ローグ「それからミファ!奥の方に何かのパーツが沢山ある…もしかしたら金貨も有るかも知れないから探して」
女盗賊「おっけー!!」スタタ
学者「この機械の犬は改造していやすね…」ガチャガチャ
ローグ「襲って来る気配は無かった」
学者「よしよしコレがフィルムアンテナっすね…直ぐに外せそうっす…頭部のユニットは見た事無いタイプっすねぇ…」
ローグ「危険は無い?」
学者「無いっす…あぁ…でもウラン結晶から魔石充填できる装置が後付けされてるんで…ん?」
ローグ「何?」
学者「ちょ…これメチャ金儲け出来やすよ?」
ローグ「なんだそっちの話か…」
学者「てか誰がこんな改造やったんでしょう?」
ローグ「おいらの予想…この機械の犬がアンドロイドにエネルギーを運ぶ役をしてたと思う」
学者「おおおおお!!48時間の制限が無くなっちゃうじゃないすか…」
ローグ「だからフィン・イッシュには他にもアンドロイドが潜んでると思うな」
学者「そういう事っすか…」
女盗賊「ねぇ!!来てええ!!荷室!!」
学者「お?何か見つけたっぽいすね…行きやしょう」
『荷室』
ドタドタ
学者「おっと…こりゃ…」キョロ
女盗賊「ベッドの上でバラバラになってる石って…石化した古代人…だよね?」
学者「多分そうっすね…略奪されたのか…それともアンドロイドが壊したのか…」
女盗賊「使えそうな物は何も残って無いから略奪された後だと思う」
学者「この船って…もしかしてミライ君の船と同じタイプっすかね?」
女盗賊「殆ど同じ」
学者「察するにアンドロイドだけ残ってた感じっすか…ううむ」
女盗賊「どうだろう?」
ローグ「隠し部屋が沢山あるからそこに隠れてたのかもね」
学者「まぁ確かに古代人がアンドロイドを同伴してたってのは考えられやすが…」
ローグ「何か気になる?」
学者「この船も硫黄島の箱舟と同じ様にアンドロイドに守らせてた様な気がしやす」
ローグ「どういう事?」
学者「なんで船が放置されてるのか…それは近付く人間を殺して犬に食わせてたとかじゃないすかね?」
ローグ「ええ!?」
学者「証拠も残らんし…幽霊が出るとか言う噂も人を近付けん様にする為とか…」
女盗賊「じゃぁアンドロイドが帰ってくるかもしれないね?」
学者「それは気を付けて置きやしょう」
ローグ「ゲスさん…もしかして昨日のアンドロイドが此処で?」
学者「その可能性もありやす…ともあれちっと危ないんでサッサと探索終わらせて引き上げたいっすね」
ローグ「そうだね…手分けして調べようか」
学者「俺っち船首楼の方上がるんでフーガ君は船尾楼側お願いしやす」
ローグ「うぃっす!!」タッタ
『朽ちたキャラック船_外』
ガウルルルル ガブガブ ガツガツ
戦士「あぁぁ…折角作った燻製だったのに…」
狼女「全部食い切らんだろう…骨も付いてて丁度良い」
タッタッタ
学者「ミルクちゃん!引き上げやしょう!」
狼女「んん?船の中は何も無いのか?」
学者「略奪された後なんで使えそうな物は何も無いすね…女性用の衣類が何着か有ったくらいっす」
狼女「そうか…あとゲスが抱えてる機械の犬は又動きそうか?」
学者「どうっすかね?」
狼女「この野良犬たちの仲間だったみたいだぞ?やられて心配してる」
学者「もしかして返して欲しい感じっすか?」
狼女「そうだな…」
学者「いやぁ…こいつにはウラン結晶が入ってるんで手放したく無いっすね…」
野良犬「ガウルルル…ワンワン!!グルルルル…」
学者「おわっと!!」タジ
狼女「ふむ…なんか機械の人間にも虐められてたみたいだな…ミルク達の事を勘違いしてるぞ…」
学者「俺っち達が保護するとか言い訳出来やせん?」
狼女「ゲスのバックパックに入ってる肉も出せ…気が立ってるから話が出来ん」
学者「へいへい…」ゴソゴソ
狼女「ミルクが話しておくから先に此処を離れろ」
学者「分かりやした…先に行きやすよ?カルアさんは付いて来て下せぇ!」
戦士「あ…あぁ…」スタ
『他の朽ちた船』
パシュン!シュルシュル
学者「ふぅ…ここなら野良犬が上がって来る事無いっすね」
戦士「そのワイヤー装置は便利だな…俺も欲しい」
学者「また今度作ってあげやすよ…ほんで今日はもう暗くなって来たんでこの船で休憩しやしょう」
ローグ「ゲスさん少し船の中探索してくるね」タッタ
学者「おなしゃす!」
女盗賊「ゲス!その機械の犬を見せて貰って良い?」
学者「構わんすよ?何か気になりやす?」
女盗賊「なんか見た事有るなーって…」
学者「向こうの大陸じゃそう珍しくないっすけどね?」
女盗賊「う~ん…何処で見たんだったかなぁ…」
学者「危ない機械じゃ無いんでちっと修理すりゃ又使えやすよ?」
女盗賊「修理できる?」
学者「まぁ今晩暇になりそうなんでやって見やすかねぇ…」
うわぁ!! ドタドタ
戦士「ムム!!フーガが何か見つけた様だ」
学者「あれ?ヘッドギアには何のエネルギー反応も無いすね…」
戦士「行こう!!」ダダ
『船内_居室』
ユラユラ フワー
ローグ「この光ってる物は何!!?」ダダ
学者「おろろ?夜光虫か何かっすかね?」ジロジロ
戦士「あぁ…鬼火だ」
ローグ「鬼火?」
戦士「この辺りで彷徨ってる魂だと言う話だが…詳しくは良く分からない」
学者「お?魔術書で読んだことありやすよ?たしかウィスプって奴っすね…憑りつかれる事も有るらしいんで近付かん方が良いっす」
戦士「まぁ…鬼火を追いかけて海に落ちたとか言うのも聞いた事が有るよ」
女盗賊「それも幽霊の一つなの?」
戦士「さぁ?どうなんだろうね?」
学者「おととと?こいつ壁を通り抜けて行きやす?」
ウィスプ「…」スゥ…
ローグ「ちょっと外を見て来る」ダダ
学者「物質じゃ無いって事っすか…」
戦士「今言った様に魂だと言われて居るんだよ」
学者「なーんか腑に落ちんっす…」---アーカイブに堕ちんなんて事もあるんすかね?---
戦士「まぁ大した危険では無いから放置が良いと思う」
女盗賊「ねぇ…この居室って誰かが生活してたのかなぁ?」
学者「そうっすね…放置されて大分経ってるみたいっすけどね…」
女盗賊「なんかカビ臭いと言うか…埃っぽくて休憩するなら外の方が良さそう…」
学者「これからガーゴイルとか色々魔物が出てきやすぜ?」
女盗賊「あぁ…そうか…」
学者「燭台転がってるんでちっと明かり付けて軽く掃除しやしょうか」
女盗賊「そうだね…」
戦士「まぁ手分けしよう…」ドタドタ
『1時間後_燭台』
ユラユラ メラ
女盗賊「ミルク何処行っちゃったかなぁ?」キョロ
ローグ「雨が降ってる訳じゃ無いから大丈夫だと思うけどね?」
女盗賊「満月が近いからちょっと心配…」
ローグ「ミスリル装備で固めてるから今度は大丈夫って言ってた」
女盗賊「そうしないといけない位ギリギリなんじゃ無いかなって…」
ローグ「ギリギリか…」
女盗賊「商隊をウェアウルフが襲うっていう噂もあったし…何か気にしてるかも知れない」
ローグ「ウェアウルフはね…人を襲うんじゃなくて追いかけ回されるから暴れてる様に思う」
女盗賊「うん…」
ローグ「ミファは船の中に入ってて良いよ…おいらが見張っておくから」
女盗賊「そのヘッドギアを入手してから見張りが楽になった?」
ローグ「色々見えるからね…鬼火の正体が何なのかも気になってね」
女盗賊「あ!ミルクは鬼火を追いかけてどっか行っちゃったんじゃないかな?」
ローグ「そうかも知れない…でもミルクは海に沈まないから平気だよ」
-------------
-------------
-------------
『朽ちた鳥居』
ユラユラ
ウィスプ「…」ユラユラ スゥ…
狼女「なんだ此処は…」キョロ
狼女「崩れた鳥居が連なって…この先にお化けでも居るのか?」スタ
ふぁぁぁ~あ
妖精「良く寝たぁ!!」ヒョコ
狼女「お?お前が出て来ると言う事は…狭間ってやつに近いんだな?」
妖精「ん?何の話だっけ?」ヒラヒラ
狼女「まぁ良いや…火の玉を追いかけて来たら変な所に来たんだ」
妖精「火の玉?」
狼女「あそこでユラユラ光ってるだろう」ユビサシ
妖精「あぁ…あれは黄泉へ行けなくて彷徨ってる魂だよ」
狼女「じゃぁお前が連れて行ってやれば良いんじゃないか?」
妖精「100日過ぎると僕の事も見えてないんだ…案内出来ない」
狼女「ふーん…ところで此処はどういう所だ?」
妖精「僕が知ってると思う?」
狼女「じゃぁ何で出て来た…」
妖精「変な事言うなぁ…僕起きたばっかりなんだよ」
狼女「妖精に聞くだけ無駄だったか…」
妖精「でも彷徨ってる魂が集まってる場所だから何か有るのかもね?」
狼女「ふむ…そういう場所は安全だってハハが言ってたな」
妖精「普通の人間は怖がって近付かないからね~」ヒラヒラ
狼女「なんで崩れた鳥居が連なってるんだと思う?」
妖精「どうだろう?神様の場所に繋がってるのかなぁ?」
狼女「神様か…この感じは忘れられた神様かも知れんな…」
妖精「いろんな神様が居るからね~」
スタスタ
狼女「ムム!!ウルフの石造…」
妖精「あれれ?これってウルフ?キツネにも見えるけど…」
狼女「どっちも同じだぞ…大きいのがウルフで小さいのがキツネだっていうだけだ」
妖精「どうして石造が並んでるのかなぁ?」
狼女「なんか分かって来た…多分此処はお稲荷様の場所だな」
妖精「お稲荷様?」
狼女「詳しく知らん…でもミルク達に関係する神様の一人らしい」
妖精「じゃぁお供え物をして行かないと」
狼女「ええと…豆しか持って無いけど…あ!お酒も少しあるな…」チャプ
妖精「なんか小さな祠が見えて来たぁ!!」
狼女「あそこか…行くぞ!」シュタタ
『お稲荷様の祠』
ユラユラ メラ
ウィスプ「…」ユラ
狼女「やっぱり此処に集まってるな…1…2…3…4…」キョロ
妖精「小さな祠だね?」ヒラヒラ
狼女「もう誰も来なくて放置されてるんだな…」
妖精「こういう場所を霊場って言うんだよ?」
狼女「なんだそれ…」
妖精「彷徨ってる魂の拠り所…神様が来るのを待ってるんだ」
狼女「ミルクは神様が居なくなったって聞いたけどな?」
妖精「色んな神様が居るんだよ…人間達はそう言うのを忘れちゃったんだね」
狼女「ふむ…それで放置されてるのか…」
妖精「ねぇ!この祠にお供え物してみない?」ヒラヒラ
狼女「どうすれば良いか分からんけどな…」
妖精「祠の中に入れれば良いんじゃ無いかな?」
狼女「まぁやってみるか…」スタ
ギギー パカ
妖精「何か入ってる?」ジロジロ
狼女「石板…か?」---アーカイブの入り口---
妖精「何かお供え物してみなよ~?ご褒美貰えるかもしれないよ?」
狼女「ミルクのおやつにしてた豆だ…」ザラザラ
妖精「何か起きない?」
狼女「足りんのかも知れん…酒は要らんから丸ごと置いて行くか…」
妖精「何が起きるかなぁ…ワクワク」クルクル ヒラヒラ
シーン…
狼女「何も起きん…ちょっと待ってみるかな…」
妖精「僕も花の蜜を集めて来るぅぅ」ヒラヒラ
狼女「…」---でもどうして---
---石で出来た石板がアーカイブの入り口だとゲスは言ってた---
---つまり神様を奉った祠には同じ石が有ると言う事だ---
---神様が此処から出て来るのか?---
『深夜_朽ちた船の船室』
カチャカチャ
女盗賊「どう?その機械の犬は修理出来そう?」
学者「やっぱダメっすね…コンデンサ焼けちゃってるんで交換する必要がありやす」
女盗賊「残念…」
学者「パーツはジャンク屋探せば有ると思うんでまた今度っすね」
チュドーーーン!!
女盗賊「え!!?」
学者「ちょ…プラズマの爆発音っすね…これマズい事起きてるかも知れんす」ガバ
女盗賊「ミルクがまだ帰って来てない」
学者「行きやしょう!!」ドタドタ
『朽ちた船の甲板』
ドタドタ
学者「何が起こって居やす!?」ダダ
戦士「向こうの方で光った…多分ミルクだ…フーガが援護に走ってる」
学者「プラズマを撃たれてるって事っすね?」
戦士「分からん…突然光ったんだ」
ギャーーース! バッサバッサ
学者「うお!!ガーゴイルも飛んで居やすか…」タジ
戦士「俺は夜目が効かないから狙い撃てないぞ?」
学者「飛び回ってるガーゴイルにはなかなか当たらんので狙わんで良いっす…」
女盗賊「ミルクを襲おうとするガーゴイルを狙い撃ちした方が良い!」
学者「そーっすね…カルアさんは後ろに控えて近付いて来る奴だけ狙って下せぇ」
女盗賊「あそこ!何か燃えてる…」ユビサシ
学者「遠くて見えんのですが…」
戦士「その方角で光ったんだ…ミファには何か見えるか?」
女盗賊「人影が2人…ミルクとフーガ?暗くて判別できない…」
学者「ちっと援護構えときやすね…」チャキリ
『30分後…』
アーデモナイ コーデモナイ
だから何回も言ってるだろう…寝てたんだ
もう一人で行動するのは止めてほしい…また怪我をしてるし…
これくらい舐めておけば良くなる
学者「ええと…これどういう状況なんすか?」ドタドタ
ローグ「とりあえず船の上に上がる…ミルクから先に上がって」
パシュン シュルシュル シュタ
女盗賊「ミルク!心配してたんだよ?」スタタ
狼女「済まん…謎の祠を見つけてそこで寝てたんだ」
女盗賊「変態した訳じゃ無さそうだね…」サワサワ
狼女「違う…安全な場所だったから安心していつの間に寝てしまった」
パシュン シュルシュル スタ!!
ローグ「ふぅ…」
学者「さっきの爆発は結局何だったんすか?」
ローグ「ゲスさんコレ…」ドサリ ガチャ
学者「アンドロイドの…部品?」
ローグ「もうバラバラで他の部位が何処に行ったのか分からなかった…それよりミルクが少し怪我してる」
狼女「これくらいどうって事無い」
学者「ちっと見せて下せぇ…ふむふむ」
狼女「大した事無いぞ」
学者「爆発した破片がかすった感じっすか…軽く包帯あてやすか」ゴソゴソ
戦士「船の中に入ってやらないか?ガーゴイルが襲ってくるかも知れんぞ?」
学者「そーっすね…ちっと居室に下りやしょう」
『朽ちた船の居室』
グルグル マキマキ
学者「…ほんでエネルギー切れそうになってたアンドロイドを破壊の剣で倒した訳っすね?」
狼女「そうだ…そのアンドロイドは皮膚が焼けててボロキレを頭から被ってた…遠くから見たら幽霊だ」
学者「なるほど…噂と合致しやすね」
ローグ「ゲスさん…アンドロイドの頭部を探したけど見つからなかったんだ…大丈夫かな?」
学者「自爆したんならその部分も破壊されてると思いやす」
女盗賊「でもミルクが無事で良かった」ホッ
ローグ「これで破壊したアンドロイドは2体目…ゲスさんどう思う?」
学者「これ以上関わらん方が良いっすね…どうせ機械の犬がどっか行っちまったんで確認に戻ったらミルクちゃんにやられたんすよね?」
狼女「立ちんぼになってて殆ど動かんかったぞ?」
学者「エネルギー無いとそんなんなっちまうんすね」
女盗賊「そのアンドロイドも何か守ってたのかな?」
学者「多分そうっすね…幽霊みたいな恰好してここら辺一帯を守ってたのかも知れんす」
狼女「また兵隊に追いかけられるみたいな事になってしまうか?」
学者「いやぁ…どうでしょうね?」
ローグ「おいらは昨日も姿を見られて無い…ミルクは?」
狼女「見られる前に爆発したと思う」
学者「何か起こされる前にさっさと移動しやしょう」
女盗賊「明日商船に乗れるかなぁ?」
学者「傭兵になれるかどうか分からんすけどお金払えば乗せてもらえる筈っす…皆さん魔石の残りカスは持って居やすよね?」
女盗賊「ある…」
学者「ちっと勿体無いんすけどその宝石と引き換えに乗せてもらうのは出来ると思いやすよ?」
狼女「あとゲス…一つ情報だ」
学者「何すか?」
狼女「神社みたいな所に石板があったりするだろう…小さな祠の中とかにもだ」
学者「それがどうかしやした?」
狼女「ゲスが前に言ってたアーカイブの入り口だと思う…それがある小さな祠を見つけたんだ」
学者「あぁ分かりやすよ?」
狼女「なんだ知ってたか…」
学者「そういう祠って多分全部そういう感じなんすよ…でもどうやってアーカイブに行くか分からんですね」
狼女「ふむ…そう言う事か」
女盗賊「ミルクはそこで寝てたの?」
狼女「祠にお供え物をして何が起きるのか待ってたら暇すぎて寝ちゃったんだ」
学者「寝る…」トーイメ
狼女「何か変な夢を見た気もするが覚えてない」
学者「それってもしかしてアーカイブに行ったのかも知れんすね…」
狼女「でも覚えて無かったら意味無いな」
学者「起きた直後は何か覚えて居やせんか?」
狼女「う~ん…爺ぃの声が聞こえてた気もするけど内容を何も覚えて無いんだ」
女盗賊「お母さんとかじゃなくてお爺さん?」
狼女「そうだな…おかしいか?」
学者「普段ミルクちゃんはお爺さんの話とかした事無いんで…その話をし始める辺り本当に声を聞いてたのかも分からんすね」
狼女「もう一回寝て来るかな…」ボソ
学者「俺っちはちっと心当たり有りやす…多分もう一回寝てもミルクちゃんは覚えて無いと思いやす」
狼女「なんでだ?」
学者「バレンさんもアーカイブでの記憶は残って無いんすよ…多分記憶を残せるのは純粋な人間だけっすね」
狼女「じゃぁ意味無いな…」
学者「もしかしたら文字を書き残せる人なのかも知れんので検証はしてみたいっす」
狼女「なんだそれ…ミルクに文字の勉強をしろと言ってるのか?」
学者「文字の勉強はやっといた方が良いんでサボらんで下せぇ」
ローグ「ミルク?おいらが教えてあげても良い」
狼女「ダメだ!文字を読もうとすると魔法が掛かったみたいに眠たくなる」
ローグ「それでミルクが大人しくなるなら良いと思うけど…」
女盗賊「ミルクのお母さんは文字を理解出来たんじゃないの?」
狼女「う…」
学者「まぁ書物を持って来て無いんで戻ってからにしやすか」
ローグ「簡単な書き取りならおいらのスケッチブックで良いんだ…明日から暇なときに練習しよう」
狼女「もう寝るぞ!文字を想像しただけで眠たくなる!ミルクがずっと寝っぱなしになっても知らんからな?」
ローグ「ヤレヤレ…」




