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深み

黒川と若菜は九瑠璃宅前で朝から張り込みをしていた。

朝の間は緊張感のある追跡が続き、刑事らしいストイックな関係でいられたものである

1日を通して張り込みをした結果、後半はデートを見せつけられ、若菜が黒川にフラットに話しすぎるほどに人間関係は構築された。

黒川からしたらたまったものではないと言って置くべきだろう。

緩みに緩んだ先輩と後輩の関係。

今日の設定までは敢えて言うべきではないだろう。

カフェと水族館での時間を黒川は死んだ魚の目を隠し、必死にやり切ったわけである。

若菜の話は実に面白くなく、それになんとなく合わせるしかなかった。

若菜に花を持たせるべきじゃ無かったかもしれないが、黒川自身は九瑠璃ともう一人の男の会話を聴く事が第一であり、適当に話を合わせるだけだった。

九瑠璃のアパートに帰る頃には悲壮感を醸し出す様な表情になっていた。。

勿論見られるような場面では顔を作り続けた。

石川さんに報告して早く通常業務に戻りたかったが、午後彼女が一人になるタイミングがあれば注視するべきなのは間違いなく、自分を奮い立たせるのだった。

九瑠璃がアパートに入り換気扇が回る頃に黒川は若菜に解散の指示を出した。

悪夢の時間だった。

これでまた舐められたかもしれないと変な事を気にしつつ。

黒川は直帰後、石川に電話報告。

若菜は署に戻り雑務。。。

やつはこれぐらいしか人並みに出来ない。

まだまだ頑張ってもらわねば。。。

明日までに今日の雑感をメモして気になった事を反芻し精査してくる様に指示を出した。

石川さんは体調大丈夫なんだろうか?とふと思うが、こればかりは深入りするべきではないだろう。

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