赤と緑
「おはよう」結衣は九瑠璃を起こしていた。いつものように身体を揺する。
奇声をあげて、背中を大きく伸びをする様に起き上がる九瑠璃。
「結衣かぁ」
「他に誰がいるのよ。。。」
「それもそうかぁ。でも確かに結衣じゃないなぁ。結衣は赤のイメージだけど、緑のイメージがあったんだよねー」
「何よそれ。変な宗教なの?」
「私のイメージの話だよ。そういうのない?」
「色を人に例える事はないなぁ。良く着る服の色とかなら印象あるけど、、と言うか私赤のイメージなんだね」
「うん。なんかそんな感じ。。翔音ばあちゃんも赤系だったなぁ」
「家族で同じ感じなんだね」
「家族だからって同じとは限らなかったなぁ。付き合いの長い人しか感じないけど」
少し自慢気だ。
「そっか。まぁそういうのってあるよね。今日は冷凍してた食パンをピザトーストにしたのと、ベーコンエッグにしてみました。お湯沸かしてるから、コーンスープ作って食べよう」
結衣は九瑠璃が可愛いと思ったのだった。
「はーい。トースト久々だね」
「冷凍してるとは言えそろそろ食べないとね。夜食にしても良かったんだけど、、、」
「夜食にも良いね。普通のトーストも食べたいなぁ」
「明日の夜食は普通のトーストにしようか?」
「うん。今日でも良いよ。むしろ今日が良い」
「私は明日が良いかな」
「分かったよ。。」
九瑠璃がご飯を食べ終わり結衣がゆっくり洗い物をする。
九瑠璃はご満悦である。
その顔を見ても昨日の事が何かを考えさせる。
翔音ばあちゃんだったらどう対処するだろうか?
あの子はその場の空気に流されるのか、敏感なのか山の天気みたいな感情であり、でも今は真正面をみれる分対処がしやすい。
その時にはきっと自己解決してくれるだろう。
彼女はああみえて頭はいいのだから。