貴方は――もしかして…
どうも、冬凪です。
2話目になりましたね。
今回は少し、ヒロインの感情を中心に書いています。
更新スピードは不定期となりますが、読んでくれると嬉しいです。
凄く綺麗な人だと思った。直感に過ぎない。
何歳なのだろうか…そう思った。
「初めてまして、今日から研修で担当に付きます永田康一です。よろしくお願いします」
康一は自然とトメ子に目線を合わせる形で、屈んだ。
トメ子は、康一を見た瞬間――少し目が見開かれたような気がした。
「…あなた、もしかして――」
トメ子は少し泣きそうな顔になった。
何故なら、似ていたのだ――あの人にそっくりな瞳の色。
康一は不思議そうに――
「どうかしましたか?」
トメ子は、少し動揺しながら
「い、いえ、なんでもないわ。ただ…少し昔のことを思い出していたの」
彼女は認知症だ。思い出してもすぐに記憶が薄れていく――それを繰り返すのだ。
「さて、そろそろ仕事の内容を説明したいから場所を変えようか」
施設長が言う。
「あ、はい!わかりました!」
「また後程来ますね」
康一が軽く会釈して、施設長の後ろを続くように居室を後にした。
トメ子は一人で考えていた。
沈黙が続く居室。
外では、少し早い雪が降っていた。あぁ――あの日もこんな天気だった。
ポロッとながした独り言――
「まさか、ねぇ。また貴方に出会えるなんて――康一さん」
「いや…そんな訳ないわよね。だってあの人はもう――いないもの」
彼女は震える声で言った。
その声は誰にも聞かれることなく、静かに――雪の音に紛れて溶けて消えた。
2話も読んでいただきありがとうございます。
まだまだ展開は続きます。
暖かい目で今後もこの二人を見守って下さると嬉しいです。




